Love Rainbow 10



さて、今回のテーマは、タイトル通り「春風」です。
今回の物語の主役は、女性です。
実は、女性が主役って物語は初めてかな?って思います。
というわけで、Love Rainbow 10、スタートします。

Love Rainbow Vol.10
「Spring Breeze」



みなさん、こんばんわ。
私は、よしきの友達の菜穂子って言います。
今日は、私の恋愛話、してみます。
今回の話、ホントは話すの、つらいですけどね。。。

ちょうど3年前くらいかな?
私が、今でも想いを寄せている彼に出会ったのは。
その彼の名前、仁史っていいます。
仁史ってかいて、ひとしって読むんです。
あんまりない名前なんで、すぐに覚えてしまったんです。
顔はねぇ。。。結構カッコよかった。
そんな仁史との出会いは、こんな感じだったかな?

実は、出会いにいちばん関連してるのが、よしきさんなんです。
よしきさんと仁史が昔から友達だったの。
友達って言うよりか、悪友って感じだったけどね。
で、そのよしきさんと仁史が、たまたま私の友達の恵里に頼みごとをしたの。
仁史「恵里ちゃんの友達で、かわいい子紹介して欲しい。」
だって。
ちなみに、横でよしきさんはこんなこと言ってたんだって。
よしき「ついでに、よしきにもお願いします。笑」
恵里「よしきさんは彼女いるからダメー。でも、仁史には紹介してもいいよー。」
仁史「ありがとうございます!でも、よしきさんが×なのは、やっぱり浮気???」
恵里「もっちろーん。よしきさんは怪しいから、すぐに浮気するかもって。
後で女の子が悲しむ姿、見たくないからねー。」
よしき「おいおい。。。俺が一途だって知ってるやろ。。。」
仁史・恵里「それが一番怪しい。。。」
よしき(思わず困惑&黙り込む)
って感じだったんだ。
で、とりあえず、次の週の日曜日に、私と恵里と仁史の3人で遊びに行ったの。
確か、エキスポランドだったかな?
よしきさんは、ブーブー言ってたらしいけどねー。
ちなみに、後で報告させられました。。。笑

さて、エキスポランドでの話。
結局3人で遊んだんだけど、そこで携帯の番号、こっそり交換してね。
で、次の日の夜、電話してみたの。
そうすると、色々話が盛り上がってね。
で、2週間後の日曜日に、デートしよ。って誘われて。
みんなに内緒でデートしてました。
もう、いい思い出ばっかりで。
海遊館行って、2人で天保山歩いて。
そんなこんなのデートが2回続いて、付き合うことになったの。

その頃、よしきさんは群馬に就職するとか何とかうるさくて。笑
送別会やれーだの、かわいい子には一夜限りのデートしよーとか。
そんな冗談ばっかり言うてました。笑
で、そのあとに、このみと再会するのよー。東京で。
あの2人、付き合ってないみたいだけど、しょっちゅう遊びに行ってる姿は東京でも発見されてました。
(こら!俺の話しやのうて、菜穂子の話。)
こんなよしきさんのツッコミ、入りそうですけどね。。。笑

さて、そんなこんなでデートを繰り返して。
1年経って、私たちは同棲することになりました。
ここでも、よしきさんに相談して、決めたんだけどね。
よしき「結婚する気があるんやったら、1年間だけでも同棲してみたら?
ちゃんと嫌な部分とかも見れるし、いい判断材料になると思うよ。
でも、親の同意はしっかりもらってくださいな。
後で、結婚式に出ないとか何とかなると大変やから。」
ま、よしきさんの魅力って、遊んでるよーで、マジメなこともこなせるところかな?
で、私の話の続きやね。ちょっと待ってね。お茶とって来る。
(というわけで、お茶を飲んで一息。)
ふぅ。ちょっと落ち着いた。この後、突然の出来事が起こるのよ。。。

同棲したのが2年前の5月。
で、ちょうど1年経って、そろそろ結婚をマジメに考えた頃の話。
4月に桜を見に行こうってことになって、意外なところに行ったの。
大阪では桜といえば、この場所を指すこともあるんだけどね。
桜ノ宮の、造幣局の桜の通り抜け。
大阪城公園よりも桜の開花が遅くて、結構有名でキレイなんよね。
あ、その後は何もなかったからねー。
(ここでよしきからの補足説明。
大阪で桜ノ宮といえば、「ラブホ街」ってのが定着してるんです。
なので、桜の通り抜け→ラブホで。。。って思ったんだけどね。
でも、ホントに何もなかったのよ。これがマジで。)
その頃のよしきさんは、遠距離がどーたらこーたら。
相変わらずの問題を起こしまくってた時期でしたねー。爆笑
(問題じゃなくて。。。あれは、色々あったのよ。。。)
よしきさんも、この話はタブーなんだって。。。
やめてくれって言われそうだから、次にいきます。。。

というわけで、桜の通り抜けの話。
そこで、私は仁史から正式にプロポーズを受けました。
仁史「1年経ったし。そろそろちゃんとしないとね。」
ってことで。
で、仁史と結婚式の準備を行い始めた瞬間の事。。。
私にとって、考えられなかった出来事が起こったの。。。

ちょうど結婚を1ヶ月後に控えた、去年の5月の話。
突然、私の携帯に、電話がかかってきました。
その相手は、仁史の友達の武志から。
武志「仁史が仕事場で事故にあったらしい。。。菜穂子、すぐに病院行って!!」
菜穂子「え?病院?どこの病院?」
武志「あ、そっか、車の方が早いわ。今すぐ迎えに行くから。」
私は突然の出来事で、動揺しながら武志の車に乗りました。
で、20分ほどで病院に到着。
で、その時初めて知らされた事実。
医者「仁史さんのフィアンセですか。心の準備は出来てますか?」
菜穂子「はい?」
医者「実は、仁史さんの血液型の話ですが。。。血液が対応しないんですよ。。。」
菜穂子「仁史はAB型だとは聞いてますけど。それが何か???」
医者「実は、Rh-のAB型でして。。。
今必死になって輸血できる血を探してます。
が、1~2時間でなければ、、、最悪の結果は覚悟しておいてください。。。」
私は現状を把握できないでいました。
私もAB型だったので、血液が輸血できるんじゃないか?って思ったんですが。。。
私はRh+だったんです。。。
結局、何の手はずも出来るはずがなく。。。
結局、仁史は突然、私の前から、いやみんなの前からいなくなりました。
仕事中に外回りをしてる時に、事故に遭ったそうで。。。
病院に担ぎ込まれた時には、もうダメだろうって話だったそうです。

私は、彼の両親と自分の両親になだめられて。
で、彼の両親からは、こんなことを言われました。
両親「最後に、挨拶を菜穂子さんにしてほしいんです。
それが、仁史が一番喜ぶことだから。」
菜穂子「まだ、正式に家族になってない私が挨拶をして、大丈夫なんでしょうか?
周りの問題とかはないんでしょうか?」
両親「最近の仁史を一番心配してたのも、一番見てたのも、菜穂子さんじゃないの。
周りは、私たちが説得するから。」
というわけで、私は最後の挨拶をすることになりました。
よしきさんとか、武志君とかも、みんな支えてくれました。

何とか終わって、その後1週間後くらい。
私は同棲していた部屋を少し片付けようと思ったの。
そんな時、よしきさんから電話がありました。
よしき「菜穂子ちゃん、落ち着いた?」
菜穂子「ある程度はですけどね。でも、以前に比べたら落ち着きました。」
よしき「そっか、じゃ、1つだけ話してもいいかな?」
菜穂子「何ですか?」
よしき「よく、仁史がこんなこと言ってたんよ。
『もし、俺が菜穂子の前からいなくなったとしても、毎年には春には必ず逢えると思う。
今、菜穂子のことを、春風のように思う。
そう、どんなに傷ついた心も、桜舞う風に吹かれることで、全てが癒される。
だから、俺も春風のように、さわやかに、で、菜穂子の心を癒す男でありたい。』
こんなこと言ってた。
正直言って、俺の口からはこの言葉を言うのはどうかと思った。
でも、伝えて欲しいって昨日、夢の中に仁史が出てきてな。
やから、あえて伝えるわ。」
私は思わず、涙が止まりませんでした。
そう、私のことをこんなに思ってくれる男の人はいなかった。
私にとっては、仁史だけ。。。って。


その言葉を思い出して。。。
私は今年の4月、1年前と同じように桜ノ宮に出かけました。
あの日と違うのは。2つだけ。
1つは、仁史がいない事。もう1つは、仁史との子供と一緒って事。
仁史がなくなって1ヵ月後、私は病院に行きました。
ずっと吐き気が止まらなかったから。
で、そこで、私は妊娠してることを知らされました。もちろん、仁史との子供です。
私は、正直悩みました。産むべきなのかどうか。
でも、仁史の両親。私の両親。友達。
みんなが子供を産むことに賛成してくれました。
で、2月に子供が誕生してちょうど3ヶ月。
1人でベビーカーを持って、桜ノ宮に出かけました。
そこで、あの日と同じように、暖かい、さわやかな風が吹いてきました。
そう、仁史と歩いた1年前と同じような、春風が。
私は、内心ホッとしながらこう思いました。
「仁史、あなたが風を運んでくれて、ありがとう。
私は、今あなたとの子供を大事にしてます。
そう、名前はね。春風(はるかぜ)ってつけたの。
あなたと私の子供。お互いが春風のような存在だったから。
だから、子供に春風ってつけるのが、一番自然かな?って
私は、春風と、元気に過ごしてます。
でも、願いが叶うなら、もう一度だけあなたとこの道を歩きたい。
そう、春風と3人で。この道を。」

今回の物語、どうでしたか?
久し振りのLove Rainbowなので、ちょいと緊張しましたけど。
また、感想も聞かせてくださいね。
さて、次回のLove Rainbowは6月に更新予定です。
というわけで、次回もお楽しみに!


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