Uo・ェ・oUくりんだよぉ~ん。爺じぃだよぉ~ん。

190:深夜の夫婦会議

どじ丸物語(其の190)深夜の夫婦会議(どじ丸にも聞いてみたけど)

突然起き上がって、私達を見ていたあの目が忘れられませんでした。

毎日の散歩の後のお話でも、、、、。

どじ丸にどうして欲しいのか、
聞いてみても返事が返ってくるわけでもありませんし、
今の私達は何をしても、
本当にどじ丸の役に立っているのか半信半疑の状態。

そんな状態が続いたある日、妻から相談されてしまいました。

「どじ丸、、、辛くないのかなぁ~?」
「多分、身体中痛いんだと思うよ、。」
「どうすれば良いのかなぁ~・・」
「死なすわけにはいかないし、
     かと言ってこのままでは可哀想過ぎるしね。。。」
「どうしようか、、、?」
「そうね・・・。」
「お前は、どう思うの・・?」
「生かしておくのが幸せなのかなぁ~って・・・・。」
「うん、、、、それは何時も考えてるけど・・・。」
「私は、決めないからね、、!」
「○○さんちのわんこみたいに、
   床ずれに穴が空いちゃって虫がわいて苦しませるのも可哀想だし・・・。」
「そう、、、私もそれが心配なの、、。」
「どじ丸に聞いてはいるんだけど、何にも言わないし・・・。」
「聞いてるとは思うよ。。多分、、、。」
「どうしたら良いかなぁ~・・・・。」
「そうねぇ・・・・。」
「どうしようか・・・?」
「判らないよ、、。」

“ふぅ~~~~~・・・・・・・”

「どうしようか・・・?」
「判らないよ、、。」

“ふぅ~~~~~・・・・・・・”

そんな会話が続いています。
顔を見合わせては、溜息・・・・またまた溜息・・・・
どじ丸は側で静かに寝ています。

「どじ丸ぅ、、、どうしたらいい????」

答えるわけはありません。
時間がどんどん過ぎていきます。

安楽死と云っても、
医師の手を借りて命を絶つわけですから、
殺してしまう事に変わりはありません。

最後まで看病すると決めていたのに、
何故こんなことを考えてしまうのか、
それも私達に圧し掛かってくるジレンマでした。

全ては、あの時のどじ丸の目です。
今まで見たこともない、あの目です。

どじ丸の身体を撫でながら、
そんな話をするのは酷なんでしょうが、
一番良い方法をと考えると、
両極端な、生かすか安楽死かの2者選択になってしまうのです。

考えたくもないことなんですが私達は追い詰められていました。

看病疲れではありません。

もう、どじ丸がいらなくなったわけでもありません。

私も妻も、数年前に亡くなった私の母の苦しむ姿を思い出して、
どじ丸にはその思いをさせたくないとも思っているんです。

安楽死・・・・生きている人間は体験した事はないでしょう。

本当に楽に安らかに死なせる事ができるのかも判らないのです。
そんな話をしているまに、外は白々と夜が明けてきました。

「少し眠ろうか・・?」
「うん・・・。」
どじ丸は側で静かに眠っています。

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