腰痛ママの 「まっすぐ日記」

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バイリンガルな脳



(ちなみに母語と母国語は同義ではありません)

言語を認識する脳の部分には、ウェルニッケ野とブローカ野があります。

ウェルニッケ野とは、文字と話言葉の両面から音を分析する、つまり「聞く能力」をつかさどる部分です。

ブローカ野とは、唇、あご、舌の動きを発語と結びつけ、文字を音に変換する。つまり「話す能力」をつかさどる部分です。

マルチリンガルとモノリンガルの脳の違いは、ウェルニッケ野に日本語とは別に英語を聞いて理解できる音の回路ができているかどうか、です。

これは実験で証明されています。日英バイリンガルの学生と日本語だけを話す学生に同じ英語のニュースを聞かせたとき、それぞれの脳の中で反応する箇所を調べました。

結果は、バイリンガルの学生はウェルニッケ野のうち英語・日本語がそれぞれ別の場所に反応が現れました。つまり、英語が話せる人の場合、英語を聞いて理解する音の回路が日本語とは別に存在するのです。

対して、日本語だけを話す学生は日本語も英語も同じ、日本語の反応箇所に反応が現れました。つまり、英語を日本語にいちいち訳して理解していることが証明された訳です。

それでは、ウェルニッケ野に多言語を理解する回路を後から作ることはできるのでしょうか。

耳から入った音は音声信号に変換されウェルニッケ野に送られますが、その音が言語なのか雑音なのかは、ここでは判断できません。

そこで、耳から送られた信号音はブローカ野に転送され、その音は「以前に口で作ったことがあるかどうか?」と照会されます。
以前口で作ったことがあれば「言語」、作ったことがなければ「雑音」として認識されます。口と耳はつながっていて、以前発音したことのない音は聞き取れない、ということです。

逆に言えば「話せれば、聞ける」「聞ければ、話せる」ということです。
外国語の音を正確に聞き、繰り返し発音すれば、「バイリンガルな脳」は作れる、というわけです。

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