口だけ番長の日記

哲の初恋




そんな、彼にも人生で1度だけ、純粋な恋愛をしたことがあるらしい。



高校時代から、まぁまぁのイケメンで、バスケ部主将の彼はそれなりにもててたらしいが、意外にも高校時代は硬派だったらしい。


何度か告白されたりはあったらしいが、理想を追い求めていたらしい。


しかし、ひょんなことから合唱コンクールの、指揮者に抜擢され、哲のクラスはピアノを弾ける女の子がおらず、違うクラスから、応援できた子にひと目ほれしたのだと。


その子は外見が「深津絵里」ぽくいたって真面目な子。ここではエリとしておこう。


しかし、出会って数分後に、エリに告白して付き合ったんだと。(初めての恋愛でそれか?そこが哲らしいといえば哲らしいが…)


エリは楽器と触れあうのが好きで、毎日、学校行ったり、ピアノの練習に行ったり積極的に外に出かけていく。


その当時の哲にはそれが気に入らない。



バイトや部活で平日忙しい哲は数少ない休日は全部、自分とデートするためだけに使って欲しいのに。エリの中で哲とのデートの優先順位は低かったらしい。


哲が「お前、時間合わせろよ。俺とはいたくないの?」
えり「ごめんね。哲のこと嫌いなわけじゃないのよ」


とエリはいつも困った顔で哲をフォローする。


でも哲は毎回そんなこと言われては納得しない。


いつも憮然とした表情で金曜日の夜だけ、一緒に遊んでたらしい。


ある日、「エリ、新しくバイオリンを始めるの」と行って来た。


エリは音大に行く事が決まっていて、色んな楽器を習いたいとのこと。


その内容を聞いた哲はついに積もり積もった不満を爆発させる。


何で、今から楽器を始めるんだ。もう推薦も決まってて、大学からでも、いっぱい、音楽できるだろ。

お前は俺よかそんなに音楽好きなのか。


だったらもっとてっとり早く、ウィーンとかでもいって、音楽留学でも行ってこいよ。


エリは悲しそうに呟く。そんなつもりじゃないっていつも言ってるじゃない。どうしてわかってくれないの?わたし、哲のこと好きだよ…



でも哲は聞く耳もたないといった様子で、エリを責め立てる。


結局、お前はそういう女なんだよ。お前にとって、俺なんかそこにある楽器より低い扱いなんだろ。


(バイオリンケースを蹴る。中には推定30万のバイオリンが…)



ばちっ。エリの右手が哲の頬を打つ。哲の言葉はそこで途切れ、後には重い沈黙が横たわる。


エリは涙目でうつむき、哲の言葉を待っているようにかんじたらしい



でも哲の頭の中に言葉は浮かばない。本当に何一つとして浮かんでこない。


結局、それが最後になったらしい…


哲は酔っ払うといまでも、「あの時、エリは言い訳してほしかったのかなぁ?お前ならどうする?」ってな事を聞いてきます。


夢を持ったり、希望を持ってたりする彼女を一緒になって応援するのは難しいのかなぁ?


その後、彼は狂ったように、Hしては捨ててを繰り返しております。


彼もいまだに、引きずってます。

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