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You’s World
サク×サス
目を閉じると真っ暗な世界。
そこには誰もいない 俺だけの世界。
だけど・・・
目を閉じても消えない顔があった。
『そんなサスケ君が好きよ』
控えめに微笑むあいつ・・・・
深い翠の瞳 それに良く映える桜色の髪の毛。
「サクラ・・・」
あいつに逢えなくなって どのくらい経つのだろう。
あれ以来 俺の中での時間は一秒も進んではいなかった。
『形なきもの』
「ぉぃ サスケ。お前 今日空いてるんだろう?」
キバが後ろから声をかけてきた。
「いゃ・・・俺 今日行かなきゃなんねぇとこがあんだょ。またな」
「....お前 いつもそれじゃんかょ。まぁ...いいけどょ。行きたくなったらいつでも声 かけろよな」
キバは事情を知ってか知らずかいつもすんなりと引き下がってくれる。
....昔は結構ねばり強い奴だったか....?
そんな事を考えながらも 俺の足はナルトの家へ向かっていた。
「ナルト 入るぞ」
中からの返事はいつものようにない。
「サスケ....?」
ナルトはやつれた顔で無理矢理 笑顔を作り迎えてくれた。
「飯・・・食ったか?」
「...飯 食う気分じゃねぇんだ」
今と昔・・・違うのはこいつの生気だな。
「お前 それいつも言ってんじゃねぇかよ」
へへへと笑うナルトは一層 やつれて見えた。
「食えよ」
「....ごめん。サスケ」
いつも こいつは俺に泣いて謝る。
「俺は別にそのことを言いに来たわけじゃないことくらい 分かるだろう」
「お前の大事な人・・・だったのにな」
「....しょうがねぇじゃねぇか。任務だったんだ。誇りだろう。そいつも」
「俺・・・だけ何で生きて帰ってきたんだろうな」
「自分を責めるな。お前は精一杯のことをやった。そうだろう?」
「それじゃ 俺 自分をかばってることになる・・・」
「それでいいじゃねぇか」
「ダメなんだ。俺・・・俺」
「俺の所為でもあるんだ。大事な任務の時に寝込んでたりしたから」
「ばっ!!それは・・・」
「それと同じだよ。ナルト。もう 何も責めることはねぇんだ」
しっかりしろよ。特別上忍。
これ以上 この部屋にいたらナルトを傷つけてしまうことくらい
俺にも分かった。
「ぁ。ナルト。お前 1つだけ間違ってるぞ」
そいつは....
今も 大事な人。だ。
春野サクラ・・・・
任務中に行方知らずになって早7年。
俺は 大蛇丸のとこから戻ってきたばかりで 寝込んでいた。
カカシも別の任務に就いていて いなかったんだ。
2人で行くことになった任務の途中で起こったことだったんだ。
難しい任務じゃなかったと聞く。
けど・・・
俺の愛しい人は 帰ってこなかった。
『私の部屋で 待ってて』
耳元でささやき 鍵を俺の手に握らせて微笑んだあいつは・・・
ナルトだけが帰ってきた。
けど ナルトも傷だらけで 精神状態も普通じゃなかった。
ナルトはずっと叫び続けた。
「サクラちゃんは・・・・生きてる!!!」
こいつは・・・
自分の中にある疑いの気持ちを消し去るかのごとく 叫び続けた。
誰もいない部屋に 俺の足音だけが響く。
俺は飯も食わず ベッドに体を預けた。
そして 自分の世界へと浸っていった。
真っ暗な世界。
今まで 何も見えなかった
闇だけの世界。
そこに見える あいつの微笑み。
控えめに笑う その笑顔を守りたくて・・・愛しくて。
でも。。。
本人に伝えることは最後までできなかったんだ。
恥ずかしいとか それ以上に。
口に出してしまえば 言葉にしてしまえば
形になるのか.....?
言葉にすれば 2人は永遠なのか?
信じることが出来なかった。
『私は サスケ君が好き』
翠の瞳に 俺自身がしっかり映っていたことは知っていた。
俺も あのときに言えばよかったのか....?
「守りたいんだ お前を」
と。
俺は 形なきものを信じることができなかった。
一度だけ サクラに話したことがあったな。
『俺は 言葉とか信用できねぇ』
形がねぇもんはな。
サクラは そんな俺を見て 微笑んだんだ。
『サスケ君の気持ちは分からないでもないわ。
けど その言葉を話しているのは 人でしょう?
人ってのは 形あるじゃない?』
それって人を信じられないって言うのと同じくらい悲しい事ね。
『...フン』
『ねぇ サスケ君・・・』
もう一度でいいから......
人差し指を口にあて サクラは言った。
この部屋は一人でいるのには広すぎる。
目を開き 天井を睨む。
そして ふっと笑った。
「サクラは・・・この部屋で俺を待ってたんだょな」
今日の任務はなかったはずだ。
なのに なぜポストにかたんと涼しげな音が聞こえたんだ。。。?
玄関のポストに向かう俺の足音はいつもと変わらない。
玄関に向かう途中 キッチンが目に付いた。
解き放たれた窓からは 春の香りのする風が出入りしていた。
テーブルには おそろいのマグカップが置かれていた。
ポストには任務の依頼状とは違う封筒が入っていた。
何もかかれていない 薄い桜色の封筒。
......桜色.....
差出人も書いてない封筒を俺は急いで開けた。
だが 慎重に....
淡い期待と いつもの複雑な...
中には何も入ってはいなかった。
ひっくり返してみると....
桜の花びらが一枚 ひらひらと空を舞った。
俺は玄関の戸を勢い良く開け 周りを見渡した。
誰もいない。
夢中で走った。
里中を 我を忘れ 夢中で駆け回った。
愛しい存在を 確かめたくて。
自分の気持ちを確かめたくて。
俺の目には 愛しい存在も 俺の確かな気持ちも映らなかった。
俺は 空を仰いだ。
「お前だと 思ったよ。サクラ....」
目を閉じると
いつものように 控えめに微笑む俺の・・・愛しい存在があった。
『そんなサスケ君が好きよ』
もう一度 俺の前で言ってくれ
もう一度 俺にその微笑みを見せてくれ
もう一度....俺の名前をその声で呼んでくれ
俺は今 形あるものを確かめようとしているんだ。
必死に。
けど...
「サクラ。形あるものを信じるのも 簡単じゃねぇぞ....」
同時に
「俺は今 俺自身の気持ちを信じようとしている。
気持ちって 形 ねぇよな?」
サクラ・・・サクラ・・・
どこにいるんだ。
玄関のノブに手を伸ばした。
....しかし 回せなかった。
誰か 中にいる。
かすかだが チャクラを感じるし 気配もある。
....1人か....
ナルトか?それともカカシか?はたまたキバか?
だが なんの用があるんだ。
この部屋に。
動く様子もなく 中にいる奴は 何をしているんだ?
俺はそっとノブを回した。
玄関を通過し キッチンも通過した。
ほかの部屋も見回った。
誰もいなかった。
....残るは奥の 寝室か。
寝室のドアのノブを回そうかどうかためらった。
なぜ 寝室に。。。?
俺は 夢を見ているのか。。。?
「サスケ君・・・お帰りなさい」
そこにはないはずの存在があった。
深い翠の瞳と出逢った。
それに良く映える桜色の髪の毛。
「...サクラ?」
控えめに微笑む目の前の人は....
確かに7年もの月日は経ったが 変わってはいなかった。
俺はふれるのをためらった。
消えてしまいそうだった。
実は 霞とかだったり 誰かが見せている幻影だったりするんじゃないか・・・・
「まだ....考えているの?」
はっとして 目の前の存在に視線を向けた。
「形なきもののことを?」
細い腕をぐいっと俺の方へ寄せた。
消えるな 消えないでくれ。
幻影でも 消えないでくれ。
「サスケ君・・・痛い」
俺の腕の中にあるのは確かな存在だった。
7年の月日を経て 俺の腕の中に戻ってきたんだ。
「何も 言うな」
サクラは 黙って俺を抱きしめ返した。
「...ただいま」
懐かしい香りが 鼻をくすぐった。
「気付いたら 記憶がなかったの」
キッチンのテーブルに2人 向かい合わせで腰掛けた。
サクラがおそろいのマグカップを目にして懐かしそうに顔をほころばせた。
「まだ....あったんだね」
温かいコーヒーを注ぐサクラは 7年の月日のうちに何を見てきたのだろう。
以前の翠の瞳の色が 濃くなっていた。
「大蛇丸か・・・・?」
サクラは首を横に振った。
「違うわ。だけど 関係なくもないかもしれない。
彼は 大蛇丸の部下....」
「カブトか」
黙って俺の瞳を見つめ返したサクラは 何も言わなかった。
「一緒にこいと言われたわ。
けど 断ったの。そしたら....何かの呪文を何度もかけられた。
ナルトが助けてくれようと必死になっていたのをかすかだけど覚えてる」
サクラははっとしたように顔を上げた。
「ナルトは?無事なの?!」
「あぁ 生きているよ。今は特別上忍だ」
ほっと胸をなで下ろすサクラは・・・・
7年間 ナルトを心配してきたのだろう。
....違うか。記憶がなかったのだから ナルトも....もちろん俺のことさえ忘れていたのだろうから。
「7年間 私 霧隠れの里にお世話になった」
優しい人がたくさんいたわと 俺の好きなあの控えめな微笑みを浮かべて言った。
「写真でしかしらない貴方をずっと想ってきたの....」
記憶は徐々に戻ってきたと言った。
ほんの少しずつだけど....
そして 先月 全ての記憶を取り戻したと。
「なぜ すぐに戻ってこなかったんだ?」
俺の質問にごめんなさいと瞳を曇らせた。
「戻る勇気がなかったの・・・」
私も サスケ君の中できっともう 形なきものになっちゃってる
「バカだな お前」
「ぇ・・・?」
形あるものを形なきものに 俺はできないんだ。
そんなに器用じゃねぇ。
サクラは いつまでも俺の中で・・・・
俺にはいつしか笑みがこぼれていた。
「お前がいなかったこの7年間で気付いたことがある。
確信したのは 今日 だがな」
形なきものなんて ないんだ。
本当は 全部に形があるんだ。
ただ 見えないだけで。
優しさも 思いやりも 悲しみも 怒りも
全てに形があるんだ。
見る人によって
見せる人によって 形はそれぞれに異なるけど・・・・な
俺はそれを直視するのが恐かったんだ。
きっと。。。。
「お前には 見えるだろう?」
手を伸ばし サクラの存在をしっかりと確かめるように
頬にふれた。
サクラはやわらかく微笑んだ。
「えぇ.....」
『俺の愛の形が....』
『ねぇ・・・サスケ君。
もう一度 形ないものを信じてみて・・・。
絶対 後悔なんかさせない』
『私の気持ちを....』
<あとがき>
こんにちわ。初めて ナルトの小説にチャレンジて
見事に玉砕した遥です。
この小説は私の超尊敬している人に恐縮ながらも捧げる小説です。
沙夜ちゃんっていいます。
私がちゃん付けしていいのかどうかも分からないんですけどっ・・・
本当に;
この話はずっと 私の中であたためてきた作品なので
このような形ではありますが 発表できて嬉しいです。
沙夜ちゃんへ>
ごめんなさい;ちっとも成長しない私を許して下さい;
文才 ないのに調子に乗っちゃいました;
こんなんでよかったらどうぞ もらって下さい。
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