You’s World

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ロイ×リザ



汚い 暗い 世の中に何年も生き続けていたら

なにが本当の悪なのか。


だけど

私は私の意志で 引き金を引く。


失いたくない

最愛の人を 守るため。

引き金を 引くの---。


『紅』

「中尉。電話ですょ」
ドンッ
ちょうど弾が 人形の中心部を射抜いた瞬間だった。
「ちょっ...中尉!恐いじゃないですかぁ」
フュリー曹長があわてて電話の側に逃げ寄った。
「あら 大丈夫よ。貴方は味方でしょう?まだ」
銃を下ろすとフィリー曹長のいる電話の方へ歩みを進めた。
「まだって....;ぁ 電話相手は...」
「分かってます。私の練習を邪魔する人はたいてい決まっているのだから」
ため息混じりにそう呟くとフュリー曹長も
「そうですね」
と苦笑した。

「お待たせしました」
『やぁ。私だ。今すぐ部屋に来れるかね?』
電話口の声はいつも 落ち着き払っていて
それでいて 権力のあるような話しぶり。
実際に 異例の若さで 大佐という場にたっているのだから
権力はある。
「...忙しいと申し上げても 結局はそちらへ伺わなくてはいけないのでしょう?」
『はっはっは。全くその通りだ。
 私は君という理解ある者が部下でいてくれて嬉しいよ』
「光栄です。では今からそちらへ向かいます」
『あぁ すまないね』
「いぇ。では 後ほど」
『あぁ』
電話はすぐに切れた。
「また仕事が息詰まっていらっしゃるのでしょうか?」
電話の時は 気を利かせてか側にいなかったフュリー曹長が
私が電話口から離れると 換えの弾を持って来てくれた。
「まぁそんなところじゃない?」
ありがとうと 換えを受け取ると補充した。
「中尉も大変ですね」
出て生き様にフュリー曹長がそう言ったので私は振り返った。

「大変じゃないわ。
 これが私の仕事の一部なのだから」

フュリー曹長が
何も言わずに立ちすくんでいたのは

私が
滅多に見せない笑みを顔に浮かべていたからだろう。


「大佐。お待たせして申し訳ありません」
「いや そんなに待ってはいないからな」
まぁ 座りたまえと
私の目の前の人は 威風堂々と構えていた。

その瞳は
闇を思わせる漆黒。
髪は
それと同じ。
顔に時々浮かぶ 微笑みは
冷酷なまでに 相手を嘲笑うかのよう。

毅然とした態度で 忙しさに終われ
淡々とした表情で 時には無表情なまでに
その手から生み出される 炎により

人をも 殺す。

己に下された命により。
軍の狗となる。

それが大佐でもあり 国家錬金術師でもある
ロイ・マスタングの道。

しかし こんな強い方ではあるが
所詮は 人間なのだ。

『なぁ 中尉』
『はい?』
『私はいつも人々から奪う側にある。
 奪う側に立っているのだと自分でも分かっている。
 だがな・・・』

とある内戦処理の後だった。
大佐はいつになく 疲れた様子で机の上に頬杖をついて下を向いていた。私は整理していた書類の数々を腕に抱えたまま 大佐を見やった。
『失いたくないと 奪いたくないと思うのだよ....
 愛している人を 大切な人を 私に奪う権利などないはずなのだ...』
闇のように濡れた瞳からは何も感じ取ることができなかった。

『大佐』
『何だね 中尉?』
『私は愛する者の為に 迷わず引き金を引きます。
 私は銃で愛する人を守ります』
大佐の目が私を捉えた。
『私にも人の命を奪う権利などありません。
 しかし私は軍の者。
 私の仕事がたとえそのような人の命を奪うことであっても
 そこには...軍の命なのです。
 軍の命なのですから 逆らうことは許されないと分かっている自分ですから。
 しかし』
大佐は頬杖をとることなく 私を見据えていた。
目をそらしてはいけないと 本能的に悟った私はそのまま続けた。
『たとえ 軍の命でも私の愛する人に危険 及び害が及ぶなら
 私は 軍の命にでも背くつもりです。
 ....軍に忠実であっても 私は私の私としてのやるべきことがありますから』

『君にしては珍しい。
 よくしゃべったな』
大佐はふっと笑みをこぼした。
『どうやら私は忘れていたようだな』
椅子から立ち上がり 窓に向かう大佐の声はいつもの落ちついた声に戻っていた。
『軍に忠実であるが 自分は捨てないでい続ける』

『しかし』

『今の軍はおかしい。
 人の命を何だと思っているんだ。
 簡単に奪えるものでもなかろうことを十分に承知してはいない。
 だから私は 上に立つ者になるのだ。
 今の軍を変えるために』

大佐の顔に夕焼けの紅色が微かに揺らいでいた。

『ついてくるか』

『何を今更』

大佐は微笑を浮かべ 窓の外の夕日を睨み付けた。



どうか
私に この人を守るだけの力がありますように。


でも

私は無力だ。
こんなにも 小さい......


「大佐っ....!!!!大佐!!!!」
目の前には
私が守るはずの大切な人。

鮮血を滴らせ 横になっている。
ぐったりとしていて...

「.....っ!!!!ロイ マスタングっ!!!!!」
名前を呼ぶことで
貴方はまだ この世に存在していると
私は 動かなくなった体に訴え続けた。

「.......中....尉か....」

漆黒の瞳がうっすらとあいた。
潤んだ目に大佐の弱りきった瞳が映った。

「大佐っ!!!」
「中尉....何を 泣いているのだ」
弱々しく大佐は微笑んだ。
「....私は私の信念を貫けませんでしたっ.....」
「中尉」
そっと 頬にふれたのは
大佐の すっかり冷たくなってしまった手。

その手は 私の涙を拭った。
「無事で.... 良かった....」


「君がもし死んでしまったら....
 私は忠実な部下を...失うところだ。
 夢の実現も....遠くなってしまう」


「大佐....」

私は大佐の肩の下に自分の肩を入れた。

「中尉....?」
「痛いでしょうが 我慢して下さい。
 このままここに横になっていた方が良くはあるのでしょうが
 私にその判断はできかねます。
 私が最寄りの病院まで運びます」


大佐はまたも弱々しく微笑んだ。
「君は本当に 強く 美しい....人だ」
「ご冗談を」
私は大佐を肩に 歩き出した。




「中尉....か?」
花を花瓶に活けていると 背後から声がかかった。
「大佐。起こしてしまいましたか?」
「いや....花のいい匂いにな」

この人は

どうして

こんな風に笑えるんだろう。


「大佐 傷の具合は....?」
そう簡単に治るものではないと 医者に言われていた。
しかし大佐は
「このように何日も寝込んでいるのは性にあわん。
 気力だ。気の持ちようで治るさ」
強気に拳を握りしめた。

「無理はなさらないで下さい。 
 治るものも治らなくなってしまいますよ。
 それでは同じ事ではありませんか。
 二度手間も大佐はお嫌いなのでは?」
むいたばかりのリンゴを大佐に手渡した。
大佐はしばらくリンゴを見つめた後 無言でかじった。

それから

「まったく 君にはかなわないよ」
と 苦笑した。



私は
この人の この微笑みも
守りたいの。

この人を失うわけにはいかないの。

だから

どんな状況であろうと私はきっと

引き金を引くわ。

愛する人のために 私は迷わずに 引き金を引くの。



「中尉 見ろ」
「ぇ....?」
大佐が病室の窓の外を見るようにと 促した。

窓の外には

あの日と同じように

紅の夕日。


「きれいだな」

「....強い 感じがします」

大佐は私の反応に 少し目を見開いて
また 外の夕日に視線を戻した。

「そうだな」




夕日が

赤く 紅く 私の背を照らして

後押しする。


愛するものを守れるようにと。


あとがきと書いて逃げ道と読む。
やぁやぁ。
リザさん大好きで 小説に登場させたくて
夢中でキーボード叩いていたら
大佐もリザさんもどうやらまったく別の人になり果ててしまいました。
もうダメだぁ;
とは思いますが
私は本当にリザさん 好きなんですよ。
なんといってもあのびっじんなお姉さ(強制終了
いぇ。なんといってもあの性格。
惚れました。
強い人に惹かれます。
だけどきっとリザさんにも弱さがあると。
そんな感じでこの小説を書かせていただきました。
少しだけ リザさんの弱いところが感じられれば.....と思います。
では次回は....
エド視点で書こうかしら。
否 アルか?

でわでわ あっでゅ~

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