モロッコ紀行 7

yozora

さて、砂漠で一人、外に寝ることになったおいら。
バカンポ君が最後に言った「サソリ・・」が気になるが、まあガイドは「寒いよ」とは言ったけど、「危険」とは言わなかったし、大丈夫でしょ!と勝手に解釈。

ごろりと横になって空を見ると、まさに思ったとおり、視界はすべて星空に覆い包まれる。
すごい!すごい!すごいぞ!
おいらは一人興奮して、天然のプラネタリウムに酔いしれていた。

ただじっと星空を見ていると、星は少しずつ増えていく気がする。
これは自分なりの解釈なのだが、
光の弱い星は、時間をかけてずっと見ているうちに、目に映るようになるのではなかろうか。
そうして、ずっと眺めていると、星の光がどんどん大きく目に焼きついていき、星が迫ってくるように感じる。
よく「星が降る」と表現されるのは、この状態を表しているのだ! と思う・・

その星降る夜空に魅せられたまま、どれくらい時間が過ぎただろう。
ふと気がつく。
ん・・・・・確かに・・・寒くなってきたぞ・・・・。

毛布にすっぽりくるまり、スキマを塞いで体温が逃げないようにするものの、
さらに気温はぐんぐん下がっていくようだった。

むむむむむ。これは思った以上に寒い。

テントを振り返ると、中は人がいっぱい居るだけあって、暖かそうだ・・・。

が、しかし。
いまさらもぞもぞとテントに戻っては、「ほら、言わんこっちゃない。ヤレヤレ」と言われることは間違いない。
さらに、おいらは寝ると歯軋り全開な人なので、
おめおめ戻ったあげく他の人の安眠を妨げた暁には、らくだに縛り付けられて
砂漠の果てへ放逐されるに違いない。
ダメだ!そんな恥ずかしいことはできぬ。
おいらは、意地で踏みとどまった。


寒い・・・・ああ、寒いよ。
やがて寒さはピークに達し、とても寝られたもんじゃない。
ああ、バカなおいら。
なんで外に寝るなんて言っちゃったんだろ。ああ寒い。

・・・寒い。

・・・・そして寒い。

・・・・・・・・・・・・・さ・・むい・・。


一睡も出来ぬまま、時間はゆっくりと過ぎていく。
星?もう見てません。頭まで毛布ですっぽりです。
でも寒い。


やがて東の空が明るくなり始める。
朝だ。朝が来るのだ。

夜明け

太陽のありがたさを、これほど感じたことは無い。
ああ、ありがとう、太陽のダンナ。
アンタ、あったかいぜ!


しばらくして、テントでも目覚めの時を迎え、パラパラと人が出てきた。
あくびをしながら、それでもさわやかな目覚めであろう。

おいらときたら、一睡もしていない上に、髪の毛からパンツの中まで砂まみれ。
なんとか生きてますって状態なのだが、それを悟られてはならぬ。

日本人の女の子がおいらの元にやってきて尋ねる。
「どうでした?砂漠の夜は」

おいらは言う。
いやもー、最高でしたよ!

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