ゆきあけのボヤキ


サナとマッピーは約13年付き合っていた。

マッピーはとても複雑な家庭だった為、サナと過ごした時間が一番長かった。

ある意味、サナを“母”と慕った部分もあるだろう。

マッピーの浮気癖に私はよく怒った。

何度も泣きついてくるサナに「別れろ」と何回言っただろう。

けれど2人は13年間一度も別れる事はなかった。

私は2人が付き合いだした当初から知っている。

年数を重ねていく事に、私もマッピーの良さは十分分かっていた。

喧嘩もするけれど、2人は一番お互いを理解しあっていると。

でなければ13年間も続くわけがない。

好き同士なのに、愛し合っている2人なのに、こんなにあっけなく離れてしまうのか。。。

マッピーは繰り返し言った。

「俺を安く見るな!!」

浮気もした、女遊びもした。でも俺の1番はサナや。

俺のことやからまたすぐに女作るとか思われるんは心外や。

俺がどれだけサナを想ってたかこの先も見せたる。


サナ家族はマッピーの今後の人生も考え、いつまでもサナを想わせてはいけないと考えた。

確かにそう考えてしまうだろう。

そんなサナ家族に「サナおらんなった上に皆まで俺から離れんといてくれ」と言った。

マッピーは男だ。泣き言を友達にも言えない。

だけど私やサナ家族の前では言える、泣ける。

サナを知ってる人と、サナを亡くして同じ悲しみを持ってる人と話たいと言った。


マッピーの中でのサナの存在がどれだけ大きかったか私もよく知っている。

死別という突然の別れに未だ納得出来ない気持ちもよく分かる。


「3年待ってくれ、3年経ったら保険金おりるから。その金はサナ両親と兄貴とし~☆にやるから、サナも3年待っとけよ」

と、とんでもないことも口にしているマッピーを、この先も皆で見守っていきたい。



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