ゆきあけのボヤキ

存在


高校3年生の時、テスト勉強中に夜中ベッドで仮眠をとっていた私は寝ぼけていたのか

実際本当の事だったのか今でもわからないが、 確かに誰かが私の部屋に侵入したと感じた。

幸い何事もなく無事だったが警察まで来る騒ぎになった。

家にいた弟は何か棒のような物を持って犯人探しに飛び出た。

酔っ払って俯きかげんで帰ってきた私を見て「誰かにどつかれたんか?」と心配した弟。

「家族に不満は無い」とよく言っていた。

だったら何で????


こんなになった今でもそれは私の中での永遠の疑問だ。

ずっとずっとこんな弟の事が私の悩みだった。

ある年齢までは気にならなかったこんな弟の存在が、松山に来てから私の中では大きく膨らんできていた。


何年か前大阪で、友達の旦那さんの友達と1度だけデートをした事があった。

その人とはその後付き合うとかそんな関係ではなかった。

私は嘘をついた。

兄弟の話になった時「一人っ子」と言った。

別に弟がいる事を言ったって深いところの話をするわけではない事も分かっていたのに、私は嘘をついた。

家に帰ってから、私は一人っ子だと嘘をついた自分が嫌になった。

そんな自分が惨めであり、そんな自分に腹が立った。


確かに今まで何度も“一人っ子”だったらよかった・・・と思う事はあった。

今の今でもそう思ってしまう。


でもこの時だけだ、自分が一人っ子だと他人に嘘をついた事は。

何であの時嘘をついたのか今でもよく分からない。


大阪と松山の離れた距離で、もう弟が私に迷惑をかける事はないだろう。

けれど、弟という“存在”が今後の私をいつも苦しめるのだろう・・・

心底憎んでいるわけではないのに、仲良くしたいのに、憎まなければやってらんない私がいる。



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