ゆきあけのボヤキ

決定打

平成17年8月 作成

~決定打~


泣き腫らした目なんて一発で分かる。

先に来ていたマッピーが私に「オマエまた何でそんな顔しとんねん。」と言った。

「別に・・・・」

マサ姉の子供達の前でそんな話は出来ない。

でも長い付き合いの皆。

泣いていたのは確実に分かっているし、原因は弟だろうって分かっていた。

何も話さない私に特に何も言わなかった。


マサ姉の携帯に電話が入った。

話し方で旦那さんだと分かった。

話しながら別の部屋に行くマサ姉を不思議に思った。

マッピーが子供達と別の部屋で遊んでいる時、私とマサ姉とサナ両親になった。

マサ姉が「何があったんや?」と聞いてきた。

私はついさっき知った事実を全て話した。

泣き腫らした私が出て行ったあと、父は心配してマサ姉の自宅に電話をしたようだ。

そして旦那さんからマサ姉に電話があった。

そうか、だから私に知られぬよう別の部屋に行って電話してたのか・・・


しばらくして私の携帯に父から電話が入った。

「し~ちゃん☆明日早いんやったら早く帰って寝なあかんよ。」って。

もう夜の10時を回っていた。

就寝が早い父ならとっくに爆睡している時間。

サナ家にいる事が分かっているのに、しかもこんな事なんか今まで言われた事ないのに。

不思議に思っていると、サナ父に電話を代わってくれと言った。

事情を全て知ったサナ父は 「ワシらの力は何の効力も無いかも知らんけど、これからどうしたらいいか考える事は出来る。

一人で悩まんと一回うちに来てくれ。一緒に考えていきましょう。

何でも協力するから、し~☆の為に頑張りましょう!!」と泣きながら力強く言った。

その横で皆泣いていた。


泣いて出て行った私を心配して父はマサ姉やサナ家に電話をしてきていたのだ。

いつだって私の逃げ場はサナ家。

サナが亡くなってまだ悲しみとけぬうちに私の事で泣かせてしまっている。

一生懸命になってくれている。

ごめんなさい、ありがとう。


数日後、私と父はサナ家に行った。

これからの事について皆でたくさん話をした。

どうしたらいいか、どうしたらうまく事が運ぶか・・・

今や私の母親代わりのサナ母は

「せっかく、やっと、し~☆にいい事が出来たのに、また泣かなアカンなんて可哀想過ぎる・・」ってずっと泣いていた。

サナ父は弟の事もそうだけど、今はし~☆の事を一番に考えていこうと父に言った。


私の携帯に弟から電話が入った。

でも些細な事で喧嘩してしまった。

もう私は弟には会わない、と思った。

何度切っても泣いて電話をかけてくる弟。

私も毎日のストレスで頭の中がめちゃくちゃになっていた。

何回目かの電話に弟の後輩が出てきた。

「○○(弟)君、今回のお姉さんの件とても気にしていました。心配していました。

俺のせいでってずっと言ってました。いつもお姉さんは偉いねんって自慢してます。会ってあげてくれませんか?」

と言う後輩に「もう無理!!」としか私は言わなかった。


せっかく大阪に帰ってきたのに、何で毎日泣くハメにならなアカンのよ・・・

どこに行っても弟の話題ばかりになってしまっていた。

もう私はこれでもか!!というぐらい毎日泣いていた。


1年ぶりに弟と話をして、去年とは違うなと少し感じた。

少しは成長したかも・・・と思ったけれど、もう何もかもが後の祭りだった。

もう少し、もう少し早く私が弟に連絡を取っていれば・・・

もう少し早く私の思いを、現況を伝えていれば何かが変わっていたんだろうか・・・

けれど、とき既に遅し。

今回の出来事は私の人生を大きく狂わせる決定打となってしまった。



© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: