三十路を迎えしばらくした今年4月のはじめ。
松山へ来て初めて友達となった5才下のAちゃんから
「時間が出来たからお茶しよ~♪」と久しぶりに連絡がきた。
翌週から私も昼の仕事を始める予定だったので 数日後のお昼に会う約束をした。
当日、いつも通りお互いの近況報告をし合い、もうそろそろ帰ろうかという時
「し~ちゃん☆いい人見つかった?」とAちゃんが言った。
「そんなん出来てたらスグに報告するって~おらんよ~」 と言う私に
「紹介したい人がおるんやけど・・・」と。
Aちゃんは私が紹介やコンパが苦手だという事を知っていたので
中々紹介という話を切り出せなかったんだろう。
「もう30やしそういう機会があったら行ってみようって思ってな」
と言う私にAちゃんは驚きながらも嬉しそうに相手の話を始めた。
「あのね~年はし~ちゃん☆と同い年!」
「そうなん、私も同い年がいいわ♪」
「身長は177cmで野球やりよる。」
「私が背高いから背高い人嬉しいわ。スポーツしてる人好き。」
「茄子がきらいで、タバコもお酒もせんのよ~」
「えぇ?私お酒もタバコもするのにいいんかなぁ?」
「いいんじゃなぁい?背が高くて痩せ型がいいっていいよるから
し~ちゃん☆やなぁって思ったんやけど紹介とか苦手って言いよったし・・・」
といった感じの会話をし、Aちゃんは私の目の前で相手にメールを打っていた。
「日曜日ならいつでもいいよ」と言う私の返答に「じゃぁ今月の24日」
と言ってその日はAちゃんと別れた。
紹介かぁ~とかちょっとドキドキしながら友達に報告した。
「紹介行ってくるわ」と言う報告に友達は驚いていた。
Aちゃんに言われた日から紹介の日まで半月以上もあった。
その間に私はだんだん憂鬱になってきた。
憂鬱というよりかは不安になってきていた。
約束の日が近づくにつれ“やめようかなぁ”とかいう思いも出てきた。
前日Aちゃんから【明日のお食事会忘れてなぁ~い?】とメールがきた。
【忘れてないよ~何時に待ち合わせする?】と行く気満々のような返信をした。
当日の夜、Aちゃんと先に待ち合わせをし紹介場所の店へ向かった。
「嫌やったら嫌って言うていいんやんな?」
「相手、私がお酒もタバコもする事知ってるん?」
「あかん、めっちゃ緊張してる・・・・」とか
5才下のAちゃんに向かって泣き言まじりのことを言っていた。
約束の7時半を回り少し遅れて彼がやってきた。
そう、これが今私がお付き合いしている彼氏、ゆうちゃん。
名刺を初めて作ってもらったと喜んで差し出すAちゃん同様
何故か初めての挨拶は名刺交換だった(笑)
といっても私は名刺なんて持ってなかったし受け取るだけだった。
お酒を飲まないゆうちゃんはもちろんウーロン茶。
私とAちゃんはビール、何品か食事も注文して始まり始まり~
あれほど緊張していたのが嘘のように楽しく会話が出来た。
Aちゃんがいてくれたおかげでもあるんだろうけど。
お互いの昔話・最近の話・仕事の話、はたまた過去の恋愛話まで。
自然に仲良く会話出来てる自分にビックリした。
一番印象に残ったのは、ガーリックトーストをおかずにライスを食べていたこと。
たまたま私達がガーリックトーストを頼んでいたのもあるんだけど
ライスを食べている最中、分けられたトーストを素直に食べている彼を見て
おもしろい人だなぁ~と笑ってしまった。
私の不安もよそに楽しく会話も弾み2件目のお店へ。
お酒は強いけどスグに酔っ払ってしまう自分に制御しつつ結構な量を飲み
一応平然を装っているふりをしていたが私はかなり酔っていた。
2件目からのお店の記憶はいつものごとくとぎれとぎれになってる・・・
シラフのゆうちゃんから見れば私はかなりの酔っ払いに見えただろう(笑)
お店を出て普通にタクシーを拾って帰ろうとする私を家まで車で送ってくれた。
もちろんAちゃんも一緒で先に私を送ってもらうことに。
「今日はありがとう~」とお礼を言い私は家へ入った。
電話番号の交換やメールアドレスの交換なんてお互いしなかった。
家に入り酔っ払いながらもAちゃんにお礼のメールを打とうとした時
Aちゃんから電話がかかってきた。
「何も交換しとらんかったんやね~」って。
「電話番号聞いとけば良かったって言いよったけん教えてもいい?」
って聞くAちゃんに「いいよ~」って素直に言えた。
「うそ~!!いいの??教えても??」
「うん、いいよ。」
「ご飯行ったりとかありえる??」
「うん」
「ええ~!!??もう私おらんでも2人で大丈夫?」
「(笑)もう30ですから大丈夫です。」
「その後お付き合いとかもありえる~~??」
「ありえるかもね~別に今日全然嫌じゃなかったもん」
「ええ~~~~っ!!!そしたら教えとくね~」
なんて会話をしたあと、私はスグに爆睡してしまった。
酔いのせいもあり気軽にAちゃんに「いいよ。」とその時は言ったんだろう。
けれどAちゃんが私と彼の間に入り、この一本の電話をくれた事が
その後私にとって≪運命の出逢い≫と思えるようになるとは正直思いもしなかった。