雪月花

無常











「全てのものには終わりがある。 終わりがあるから美しい」



それは確かに言いえているけれど、
終わりに潜む悲しみが美しさを引き立てる、
いや、むしろ悲しみそれそのものこそが
美しむべきものなのだろうけれど、

もう
悲しみを味わう余裕などない
美しいなどと思える私はいない
悲しみは 生きた体を裂かれる痛みだろうし
ましてや乗り越えるなどということは想像だにできない。

だから
美しくなどなくていい
終わらなければそれでいい
理性もない
けれど惰性ではない
ただ永遠を願うだけ
無常の真理をくつがえす。









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