Bond

Bond

眠れない


私は、とても厳しく忙しい部活に入っていた。

朝練、放課後の練習、休日練習・・・
休みなんてほとんどなかった。
それに、先輩からのいじめ。

学年を気にしない顧問は、
私にとても目をかけてくれた。
選手として有能だったわけじゃない。
でも、チームの分析や記録は得意だったからだ。
それが、ある先輩には気に入らなかったらしい。

部活のストレスだけでも、
私はぼろぼろだった。

そこへ、さらに勉強のストレス。
親からは、
成績が下がったら部活を止めさせると脅され、
塾通い、
家庭学習をせざるを得なかった。
でも、
親を喜ばせるために、
必死でがんばった。

でも、体も心も限界だった。

ある日、
夜中まで勉強をしていた。
でも、部活で疲れた頭にはほとんど入ってこない。
机に向かいながら、
うつらうつらし始める。
「これはだめだ。朝練もあるし寝よう」
そう思って、布団へ入った。
すると、
心臓がバクバクしはじめた。
とても、なぜかあせっていた。

勉強は進んでいないじゃないか!
授業がわからなくなる!
成績さがる!
親を悲しませる!!

布団から飛び起きた。
再び机に向かう。
でも、しばらくすると、
またうつらうつら・・・。
そして、布団に入る。
心臓がバクバクする・・・
そして飛び起きる。

これを繰り返していた。

そんな日が何日も続いていた。
そんな私の様子をみていた母は、
「何してるの。眠いならねればいいじゃない。」と怒鳴った。
そして、
「勉強は自分のためにするんでしょ!?」と言い放った。

あまりの衝撃に言葉も出なかった。
あれほど、私に勉強を強制しておいて、
すべて「勉強は自分のため」というのか。
そして、眠れなくて苦しみ、不安に駆られていたというのに、
「寝れば良いじゃない」と、いとも簡単に言い放つのか。

結局、
私の苦境を救ったのは友人だった。

でも、親を恨みつつ、
「寝れば良いじゃない」と怒鳴られた時、
「ああ、私は寝てもいいんだ」とどこかで許可を受けたことに安堵した気持ちもあったのかもしれない。

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: