■ゆりのHP(*^U^*)詩&恋愛小説&同盟■

White*Love 雪の降る夜に


私たちが見ている間、何度も彼はシュートを決めた。
そして、彼は私に気づいて、笑って口パクで「アイ」と言っていた。
私も微笑み返して、口パクで「セツヤ」と言ってみた。
私が幸せにひたっていると、またマイの興奮が始まった。
「ねぇ、みた?今、こっちみて笑ってくれたよ!しかも「マイ」ってゆってた!」
「・・・そうなんだ・・・」
私は適当に返事をしておいた。
マイは、なんて自意識過剰なのだろう。
本当は・・・セツヤは私に微笑んでくれたのに。

 <<こんな関係は、辛いよね・・・>>

しばらく試合がつづいたところで、突然、セツヤが倒れた。
私もマイも戸惑いながらも応援場所をあとにして、いっきに階段をおりた。
セツヤは、すぐに意識をとりもどした。
私と同じように「夏バテだろう」と先生に言われ、彼は保健室へとむかった。
昨日の私と同じような感じだな・・・。
保健室につくと、彼はベットに横になっていた。
私とマイは、しばらくしてから保健室に入った。
「大丈夫?」
私は、彼が私に対して昨日聞いたことをそのまま問い掛けた。
彼は、だいぶ平気になってきているようで、少し微笑んでくれた。
「昨日と同じパターンだね」
彼が笑ってそう言った。
「そうだね、でも逆の立場だね」
私はそう言い返した。
私は、ハっとして、マイの方に目をやってみた。
マイは聞いていないような感じで保健室の窓から校庭をみていた。



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