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yuuの一人芝居
戯曲 はちすの露 3
閻魔堂
貞心尼一人
貞心 良寛さまのお身体のことは案じておりました。 案じる心が冬の気配をより感じ取らせます。 今、良寛さまとの事を「蓮の露(はちすのつゆ))」として・・・。書き残すことで、良寛さまを忍びたいという懐いが・・・。 「良寛禅師と聞えしは出雲崎なる橘氏の太郎の主にておはしけるが・・・」 「懐う人があります」と良寛さまがまだ、乙子神社の草庵に居られる時に、仕立ての世話をしてくださるお内儀にせがまれ打ち明けたことが御座いました。「比丘尼にしておくには勿体ない、いい人でも居られるのでしょうか」との言葉に答えたものでした。「そのお方は・・・」「はい。良寛さま」 懐ってもみなかつた素直な懐いが口から飛び出していて、なんと恥ずかしい懐いをしたことか。 それからは、良寛さまの歌や書を貸してくださるようになり、素直に言ってよかつたと・・・。 私が初めて良寛さまにお目もじ致しましたのは・・・。 お礼の文と、歌一首のすぐ後で御座いました。 身仕度をし草鞋を履く前に、塩入り峠に雪でも積もれば、と言う懐いで御座いました。心は急き草鞋を結ぶ手が思うように動きません。ころばるようにとはこの様なさまかと・・・。「いつ来られるのかと、良寛さまは楽しみにしておいででしたよ」 能登屋のお内儀が囃します。「さあさ、一先ず喉を潤をいなさって。良寛さまはどこにも行かれませんから」言っておほほと嗤う。「少しお痩せになったようですよ」心配の種を播きはやる私を諫めます。お内儀は良寛さまのことを言うと顔を真っ赤にする私が面白いのか、話の種にして・・・。「さあ、もう息もあがっておりませんわ。ゆっくりと来たと言う風に・・・」 色々と知恵を授けてくださいまして・・・。まるでご自分がことのように。 私はお内儀に案内されて・・・。 「良寛さまにこんなむさ苦しい処ではと・・・新しく普請をと言ったのですが」 良寛さまなら夜露が凌げればと言うに決まっています・・・「良寛さま、お客さまですよ」引き戸を明けて、二人が立つと、「今日は、まるで盆と正月のようじゃな」と幼げに嗤っていらつしゃる。その眼のなんと澄んでいらっしゃる事か、吸い込まれそうです。「邪魔者は退散退散」無邪気に気を使う。なんと言ういい人たちなのでしょうと感心する。「さあさ、お上がり、囲炉裏の近くへ」 私は初めて良寛さまの声を聞いているのに何度も何度も聞いた声のような気がしている。「はい」「この様に美しい比丘尼を見るのは初めてじゃ。ほんに美しいな」 少しはにかまれる。その動作がまたいじらしいと映る。 もっともっと「貞心は美しい」と言ってください。もっと・・・。言われれば言われるほど美しく咲きましょう。良寛さまに私の輝きを魅せなくては・・・。私はじっと良寛さまを見る。夜空に瞬く多くの星の中から一つだけ見付けて目を据えて見るように・・・。「やっと捕まえた!」と胸の内で言葉を落とし、「初めてお目にかかります。長岡は福島閻魔堂の貞心でございます」「ああ、この、わたしは、りょうかん、です」 なんと言う汚れのない面差しか、その剃り落としたような頬に少し赤みが射している。痩せた身体がお労わしい。「よくぞ来られた」、手持ち無沙汰の手が囲炉裏端に置かれた薪を焼べられている。目と目が合ってしまう。「睨めっこしましょ、負けたら・・・」 負けません。十三年間待ちに待ったのですよ今日のこの時を・・・。「貞心さんと言ったかな、あなたはなかなか芯の強いお人じゃな」と穏やかに言い、「ああ、そうじゃ、あなたは、お酒は・・・」「はい。頂きます」「はっきりしといていいな、それが一番じゃな」と、目が細く、花びらを閉じるように・・・。笑顔がなんと可愛いのでしょうか。「冬のいほりで一人で過ごすにはお酒が・・・。私は煙草も頂きます、閻王寺の庵主さんが好きだったもので、ついつい・・・」 女も生身の人間ですよ。男も欲しけりゃ、お酒も、煙草もと言おうとしましたが・・・。「それでは少し頂きながら・・・」良寛さまは白い徳利を持ち上げて言う。「これから嫁ぐというのなら別じゃが、好きなものは好きなもの。自由にやりなされ」濁酒をすすめてくれる。「美味しい、こんなに美味しいお酒を頂くのは初めて」「わたしは、酒のためにめし屋の品書き、商家の看板を書きました」 そんな他愛無い言葉のやり取りの後、「あなたもご苦労をなさったそうですな」優しい声音が心に沁みます。「でも、その甲斐があって良寛さまとこうして・・・。縁でしょうか?」「さあ、あなたが縁と言うのなら、私にとっても・・・」「おほほ、そうで御座いますわね・・・。ここのお内儀さまに私のことは色々と・・・。私は悪い女でございます」「悪いと言う人に悪い人はおりませんな」嗤われて・・・囲炉裏の火から明かり取りの方へお顔を・・・話が弾んで、逢ったら一番最初に聞くことは、それから・・・。此処までの道すがら考えて参りましたのに、すっかり忘れています。 話が途絶えると、良寛さまはお筆をおとりになり、紙へ走らせます。 なんと言う達者な文字か、今まで書いたものは見たことが御座いました、書いているところまで見せて頂けるとはなんと言う幸せなことでしょう。「あなたもどうかな」今まで手にしておられた筆を私に差し出す。「それでは厚釜しくも・・・」と筆をとり思いの丈を文字に変えます。「ほほ、小野の道風かな、見事じゃな」、歌を詠まずに字面へと交わします。
きみにかくあいみることのうれしさも
まださめやらぬゆめかとぞおもふ(貞心)
ゆめのよにかつまどろみてゆめをまた
かたるもゆめもそれがまにまに(良寛)
お筆を返すとすぐに返歌を・・・。「ああ、すっかりと忘れ取りました。肌着を、手毬をありがとう」なんだか、歌の心をはぐらかされたようです。きっと、書いてしまわれて、ああしまったと思われ、消す事が出来なくてお困りのように感じられます。はっきりと、私に逢えて嬉しいと、おっしやいませ、と目で迫る。 「私は、良寛さまの・・・」驚いています。私が私の大胆な心に・・・。なんと言うことでしょう。口下手の肌の色をすぐに赤らませて恥じらう私が、良寛さまの前で平然としておられ、その上、すらすらと、懐いを口にしている。 これは、私のせいではない。総て良寛さまの広い心に吸い取られているのだと感じる。 私は生まれてきたことを素直に有り難いと思う。三十年間の過去など良寛さまへの道程・・・今があることを真実嬉しいと感じる。「なにかな」と問ってらっしゃる。「私が、朝のお勤めで何をお祈念したか知りとうは御座いませんか」 少しお酒を頂き過ぎたのでしょうか、頬と身体が燃えている。囲炉裏の照り返えの火が余計に大胆な言葉を・・・。「さてな、私など・・・」と頭をお掻きになられる。たぶんお勤めなど致されておられないのだと思う。「良寛さまのとのよい縁がありますように」「なんと言う、私の戒語に愛語を読まれたろうに・・・」「はい。良寛さまが書かれたということは、そのような比丘尼がいたからで御座いましょう」「これは、また、それは、なければ戒めなどいらぬというのじゃな。そう言うことじゃな」と愛想を崩される。「何事も成す儘に、それが御仏の教え、戒語、愛語は若かった頃書いた」 歌のこと、御仏のこと、書のこと色々と話が尽きませぬ。 薪を囲炉裏に焼べ、二人で濁酒一升空け・・・。 良寛様はすっかりお酔いになられ、ごろんと横になられる。わずかの薪を囲炉裏に重ね、じっと良寛さまの寝顔を見る。「人が生きて何を躊躇うことがあろうかな、良いの悪いのは世間が決めることではのうて、自分の責任なのじゃな。総てをお仏はお許しになる。何事も心が決めて始まるのじゃな」と仰つておられるように・・・。 私は、布団を出して良寛さまに掛け、法衣を脱ぎ捨て良寛さまの中へ入る。「私は先に行くから後で来られよ。それまで待つとしょう」 いつか、良寛さまが私に下されたお言葉、その時どんなに嬉しかったことでしょう。この様な懐いを毎日毎日綴っています。
初めてお会いしてから四年の間に何十度の参禅のためにお会いしたことでしょう。良寛さまの歌の底に沈んでいる仏への教えを聞いたことでしょうか…。終日禅を行い良寛さまに近づこうといたしたことでございましょうか…。良寛さまの歌は仏の道を解きほぐす道しるべであったのです。何も難しい説教をなさりませんでしたが、私の行いをやんわりと歌で戒め、こうなのだと教えられておられたのです。わたしが問い良寛さまがお返しに下された歌のやり取りはまるで禅問答のようでございました。
良寛さまの仏の修行は仏道へのあきらめ、幕府に飼いならされ、人を救うという仏の根幹を忘れた僧侶への怒りでありあらがいであったのです。良寛さまは宗門を離れ、宗派に属すことなく過ごされ、童歌を歌い手毬を子供たちとつく、無邪気な行いは、ご自分のための悟りではなく人を救うという生き方の在り方であったのでございます。良寛さまは達磨大師を師匠と仰いで惹おいででその様に生きたかったのでございましょう。
四年間でその悟りの想いに触れ、幾度となく悟ったという思いを振り返りまた始めたことでしょう。ひとつからとおでまた一つにかえり始まると…。一つからとお、とおがとおでひゃく、、生きるということは日々の積み重なりであって、限りない修行の繰り返し、終わりのない生きる旅は仏への道のりでもあったのでございます…。
君や忘る道やかくるるこのごろは
待てど暮らせど訪れのなき(良寛)
良寛さまは目を患いになり、下痢が酷くなったという報せが届いたのは・・・。塩入り峠は雪の下、お側にと逸る懐いを重ねても溶けません。良寛さまのお元気なお顔が見たいと気がせくけれど、何も出来ない冬籠もり。寒の水を被りのご祈念も、長岡から島崎へは届きませぬか、とお仏に縋り・・・。私の願いが適ったのか・・・。 能登屋から私を迎えに来て下さり、転がるように良寛さまのお側へ・・・。まるで産まれたばかりの赤子のように、涎れを垂らされ、お襁褓をなさって・・・。私は女として子を成したことがありません。子に成すように・・・。良寛さまは私の赤子。涎を拭き、お襁褓を代え、暖かい手拭で身体を拭いてあげる。「綺麗になって気持ちがいい」お顔は嗤っていらっしゃるけれど弱いお声で言う。「もう心配はいりません、貞心がお側に着いておりますから」「有り難いな、有り難いな」手を合わされる。 そんなお姿はまるで尊い御仏のよう。その手の上から私は両の手が包みます。こんなに、まるで骨の上に一枚の薄い肌が・・・。「貞心さん、歌も、書も、水仕事も習ってはならん。創るのじゃ、自分のものをな。縛られてはならん、地位や名誉に…。仏とは衆生、それを救わんで何が仏の使いなのか…。押掛けの弟子への最後の言葉じゃ」少し微笑んでそう言われる。 その教えが私への・・・。いいえ、嫌でございます・・・嫌で・・・息の細くなられた良寛さまにもっともっと言葉を頂きたくて・・・お声を掛けて頂きたくて・・・「貞心さん、この世は総て夢、夢に生き、夢に遊び、この良寛、貴女のお陰で好い夢が見られた」
形見とて何か残さむ春の花
夏ほととぎす秋は紅葉(良寛)
生き死にの界はなれて住む身にも
避けぬ別れのあるぞかなしい(貞心)
と耳元でうたうつらさ・・・それに応えるかのように・・・蒲団の上に座ろうと為さり、私が抱き起こして・・・
裏みせ表を見せて散るもみじ'(良寛) 囁くように呟かれ、そして穏やかに・・・。 良寛さまは・・・この世のお人のあらゆる悩みや苦しみをみんな背負われて・・・何もそこまでなさらなくても・・・人の悩みや苦しみは塩入り峠の雪と同じで春が来れば・・・いま、この貞心、人の生きるということの尊さが・・・。 良寛さま・・・あなた・・・。「なぜに、なぜに、死にとうない、死にとうないと未練な言葉を・・・。 どうせなら、貞心よ、一緒に死のうと言うては下さらなかったのです」
一人、貞心の明かり。貞心は静かに机に向かい筆を走らせている。
みんなの声 良寛禅師と聞えしは出雲崎なる橘氏の太郎のぬしにておはしけるがはたちあまりふたつといふとしにかしらおろしたまひて備中の国円通寺の和尚国仙といふ大徳の聖のおはしけるを師となしてとしごろ所々に物し給ひしとぞ。
ゆっくりと容暗して 幕
ナレーション 江戸の末期、頻繁に飢饉が起こり疫病が流行り、時代が移り変わろうとする兆しの中を生きた良寛は天保二年一月六日、貞心、弟の由之に見守られながら示寂なされた。七十四歳であった。貞心尼が三十四歳の時であった。
貞心尼は良寛との四年間の和歌の交歓を、良寛の亡き後四年間で「はちすの露」として書き残した。序文で良寛を語り本文で歌数は長歌・施頭歌・短歌あわせて151首をかき表している。
貞心、俗名奥村マス、法名孝室貞心比丘尼は明治五年二月十一日七十五歳で良寛の下へと旅立っ た
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