yuuの一人芝居

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公演の後始末


私の劇団を休座にして、全員と別れたのは人間としての心を持たない人達とはなにも作れないと言う事だったのです。
私は公演する台本には出演する人の心理現状を把握しその答えを台詞にいれていました。そんなことを何作も何作も続けていたのです。人と人とのつながりを大切にすること、演劇を通して観客に訴えることも大切であるが、演じた人が人間として成長することの方がより大切であることを、そのために公演を続けていたのです。
私に対してはどのような非難も甘んじて受ける覚悟を持っていました。
私から見て、成長が見えなかった。もっと大きな人間にならなくては、なってほしいという考えでした。
この度のあなた方の公演の成果には何も言えません。
言えるのは、後始末の出来ない人達の集団にはやってほしくなかったという事です。
私の場合は公演が終わった後、応援してくれた人たちには『お世話になりました』とその日に連絡を入れました。それが人としての当たり前の事だと思っているからでした。
人間の心は様々です。何も言う権利はありません、が・・・。
あなたの集団のトップがどのように教育をしているのか、疑問を感じているのは確かです。
演劇は人が人に語るものです。そこには人間としての生活から生まれた心が存在しなくてはならないと言う考えがあります。
演じるものはその心を養う事から始めなくてはならないと思っています。
このような考えはもう古いのかも知れません。
今までの交情には感謝しています。
この事は御嬢さんにも、あなたにも、今後のお付き合いを続けることはかないません。
私はもう岡山県下の文化に対して身を引いた人間です。あとは全国の仲間とのやりとりで情報を頂くだけにとどめたいと思っています。
結果でなく意味を問う、これからもやられるのなら、頑張ってください。ありがとうございました

先日は当方の一方的な御断りの話を書きましたが、これは私の生きる姿勢から生まれたものです。私から、みなさんがどう思うかと言う事は考えたものではありません。
私が今まで生きて続けてきたものは人に対しては忠実に真摯に人として接すると言う頑迷なまでの執着があるという事です。
劇団滑稽座においてもそれらを徹底して人としてを第一義と考え公演を続けてきました。舞台に上がることでその前より人として一段の階段を上がっていてほしい、結果よりその過程に重きを置いて来ました。
台本を書く時には役をする人たち現状の精神状態を思ってそのヒントを書きいれていました。
色々と私のなかに葛藤が生まれ耐えられずに皆と別れました。
今回のあなたたちの公演も人間として素晴らしい物を持っている人達だと思っていました。
今の芸能界、演劇人たちの姿がそっくりと影を落としていることに少し戸惑いました。人間としての成長が見られなかった。いくらうまく演じても後始末のできない人達は多い。其の責任は代表が務めると言うのが当たり前なのですが、そこまでやる人ではないらしい。
 公演が終わって忙しくなるのは代表で御世話になった人達への返礼を、皆が打ち上げパーティーをしているときに座をはずして行わなくてはならないものなのです。それも分かっていない人だったのですね。
演劇は人が創るもの、だとしたらその人たちが観客より人間として素晴らしいものを持っていなくてはならないと言うのが持論です。また、善意に対しては細かい心配りがなくてはならないと言うのも劇団を主宰する人達の思いでなくてはなりません。
 特に後始末、それが出来ないと言う事は人間として何かが欠落しているとしか思われない。その細かい心配りもできないと言う事に私はがっかりもし絶望もしたのです。
 人間の心とはそんなものでいいのでしょうか。今の世間では許されるのでしょうか。
私は今までの交情に対して感謝しその都度メールを書いて礼状を書き送っていますが、何の返答もありませんでした。何もいやしい気持ちでなくありがとうと言う事を伝えるものでした。
今回の事、前の事も含めて、終わりにしようと思ったのです。
今まで私の作品に多く参加してくれたことに感謝いたします。気づいているかどうかは分かりませんが作品の底には私の人間に対する温かさを、持たなくてはならぬものを書きこんでいるつもりです。
私はさびしかった、つらかった、それが分かってもらえていないと言う事は情けないことでした。だからもうやめにしようと思ったのです。その他の人にはそれぞれの考えも生き方も価値観の違いもある事ですから何も言いませんが、私の作品を演じてくれた人には気がついていてほしかったのです。
御娘御さんにはいい役者になるよりいい人間として成長してほしいと思っています。人間として…。

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