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2021.12.19
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グウォー!!

チューバッタの恐ろしい咆哮がミレニアム・ボロコムのデッキに響き渡った。

悪漢ベーダ―の秘密のアジトへ向かう船内である。

「ハトは勝っちゃいけないと言うのか?」

トットさんは謂れのない非難に言いつのった。

トットさんとジョンピーがあり合わせで作った将棋にはまったチューバッタは5回連続で負けてこの上もなく不機嫌だった。

それを見てバンはぼそりと言った。

「気を付けた方が良いぜ。ゲームで負けて相手の腕を引っこ抜いちまいたことがあったがらなあ。」

威勢の良かったトットさんの顔は途端に青ざめ、ジョンピーに耳打ちした。

「負けてやれ。」

傍らではマルークがベン・ケイノービの指導で、浮遊するボールから発せられるビームをライトセーバーで受ける訓練を行っていた。

ビシュッ、ビシュッ

ジェダイの血を引くマルークは、ビームをライトセーバーで受けはするものの、時々失敗して激しい痛みに身をよじった。

それを見てバンはせせら笑った。

「フォースなんていう、ものは信じないね。まやかしだろう。」

ベンはそんなバンを尻目にマルークに近づき、高射ようの防眩ヘルメットかぶせて言った。

「これでやるんだ。」

「これじゃ何にも見えないよ。」

マルークの言葉にベンは澄まして言った。

「目に頼るな。心の目で感じるんだ。」

信じられないというようにマルークは首を振りながら、それでも再びボールに向けてライトセーバーを構えた。

ボールはマルークに向けて容赦なくビームを浴びせた。

そのたびに身をよじりながらも、彼は気を取り直し対峙した。

ビシュッ、ビシュッ、ビシュッ

そして最後の数発を見事ライトセーバーで跳ね返して見せた。

マルークは興奮してヘルメットを取るとベンに叫んだ。

「見えた気がしたよ!」

ベンは満足げに言った。

「君はフォースの世界に一歩踏み出したのだよ。」

その時ボロコムの警報が船内に鳴り響いた。

バンは背伸びをして立ち上がり、操縦席に向かいながら言った。

「そろそろベーダ―の我が家に到着したようだな。」

バンは操縦席に着くと眉間に皺を寄せて言った。

「どうしたんだ。赤のランプだ。ボロコムに何かあったのか?」

その時船の軋む音が聞こえた。

ジョンピーは思い起こすようにつぶやいた。

「俺たちゃ一番号がけん引ビームに引き寄せられたときの音だ。」

「そんな馬鹿な。仲たがいしているとはいえベーダ―と俺は昔密輸業で鳴らした仲だぞ。なぜそんな捕虜を取るような真似をするんだ。」

「お前さん、相当嫌われているみたいだな。」

ベンの言葉にバンはムッとした顔をして睨みつけた。






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最終更新日  2021.12.19 00:00:10 コメント(6) | コメントを書く


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