分析哲学の一つの重要な起源(オースティン)は英国対外諜報機関MI6であり、反精神医学・システム論的認知行動療法アプローチ(ロナルド・レイン、グレ ゴリー・ベイトソン、クルト・レヴィン、一説にはビートルズも)の一つの重要な起源はタヴィストック人間関係研究所(英国王立国際問題研究所:チャタムハ ウスの下部機関)である。その登場の時期も並行している。(参考:How to Do Things with Words, Harvard University Press, 1962. 邦題:『言語と行為』) 興味深い。もし戦略的に連動していたとするなら、「大英帝国」の地球規模の狙いはなんだったのだろうか? マクロにはもちろん「英語(米語)」を骨格とし たグローバル資本主義の言語ゲーム、生活形式それ自体である。いわゆる「資本主義的大衆文化」という鉄の檻の捏造だ(無論その最終目標はあらゆるレベルにおける大衆の「完全支配」だろう)。これは確実に狙っていたと言える。既述の「ラカン派精神分析という言説実践には<フランス(語)>あるいは<フランス(国体)>(同時に<フランス人> という身体的現実)の自己防衛あるいは自己享楽メカニズムの側面が濃厚である。自己防衛的(神経症的)側面と自己享楽的(精神病的)側面とが内的に葛藤し「英語 (米語)」と「仏語」をともに包括するより大きな複合体としての外部の内部すなわち「英語(米語)」と闘争を続ける。いわば祖国防衛闘争としてのレジスタンスであり、職業的哲学者になる前に英国対外諜報機関MI6職員だったオースティンを源流の一つとする英米分析哲学と現代フランス思想の闘争がその典型的な表現型であるだろう」という論点はここに関わる。またこの点に深く関わるが、アルジェリア植民地傀儡勢力によるド・ゴール暗殺未遂や「五月革命」以後の無力化も英米を枢軸とする世界戦略システムによるものだろう。ビートルズに関してはどうなのかと思うのが普通だろうが、もし事実なら、おそらく彼ら自身としてもそういった戦略的な意図があったとしても、直接(少なくても 最初期の時点では)自覚できなかったと思われる。実際の活動主体が全体のステルス的な戦略を自覚できない形で任務を遂行できなければ、十分成功の可能性の ある練り上げられた優れた戦略だとは言えない。ともあれ、事実はもう少し後になってから次第に明らかになっていくはずだ。少なくても、「グローバル資本主義の言語ゲーム、生活形式それ自体すなわち資本主義的大衆文化という鉄の檻の捏造」という目的には、地球規模でコントロールされたmediaによるビートルズのフレームアップという戦略は最適なものだっただろう(もしその説が真実なら)。