自転車一直線?・山田企画事務所・

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■イシのヒト

■イシのヒト■

■ 北の詩人は追いかけられていた。北の詩人は思う。

機械神の支配に対する抵抗運動についての話しあいが終わったところだった。あの仲間の中に裏切り者がいたのか。だれが、私のことを管理機構に告発したのか。詩人を始めとする悲機械人、つまり、生物は機械人の元で苛酷な支配を受けているのだった。

詩人は長い汚れたコートに深くくるまり、帽子をかぶり、コートの奥からしょぼついた目をのぞかしていた。

仲間のアボオイのところに逃げ込もう、あそこなら。道をいそぐ。

が、この道路はいきどまりだった。追跡機は直径2Mくらいのシルバーメタリックの球体で飛来してくる。この追跡機Z2タイプは、その追跡物の体臭を手掛かりにおってくる生物体タイプだった。

Z2はその追跡物の匂いをつかまえていた。その獲物は恐怖に囚われているらしい。アドレナリンがにおう。生体の追跡物は必ずにおいを残す。

Z2にはその恐怖の度合いが計算できていた。Z2の機械の内部に歓喜の感情がおこっていた。

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