青き天体研究所

青き天体研究所

第四話  任務終了



真紅色の機体、アルトアイゼンを駆り多くの仲間の命を救った英雄の名前でもある。

「ベーオウルフか・・・。懐かしい呼び名だ。だが!」

再び近くのゲシュペンストに向かって加速していく。

「今の俺はディパインクルセイダーズ所属、キョウスケ=ナンブだ!食らえ!!」

再び杭打ち機のようなもの~リボルビングバンカー~で一体撃墜し、隊長機を除いて、後3機となってしまった。

『相手も人間、これなら!!』

一体のゲシュペンストがアルトアイゼンの後ろから、プラズマステークを放とうとし、

『これで終わりだ!ベーオウルフ!!』

プラズマステークがアルトアイゼンに当たろうとした次の瞬間、

『!!!』



ドゴォォン!!!



逆にゲシュペンストの方が爆散されてしまった。

「キョウスケ。何やられようとしているのよ。」

「エクセレンか・・・。お前ならやってくれると思ったんでな。」

空から白銀の機体が降りてきて、アルトアイゼンの近くによる。

「あらら。頼りにされちゃってるのね。」

「それに、リーゼになったアルトの装甲なら大丈夫だからな。」

一方、敵ゲシュペンストはもう一体現れたことにより戸惑い始める。

『まさか、ヴァイスリッター。白銀の堕天使か!?』

「私のコードネームまで知っているなんて。もしかしてミーハー?」

白銀の堕天使。ベーオウルフのパートナーで、白銀の機体、ヴァイスリッターに乗って活躍した人物である。

ヴァイスリッターは、パーソナルトルーパータイプで初のテスラドライブ搭載機で、単独で飛行可能となった機体である。

「ふざけるのも大概にしろ。敵機殲滅するぞ!」

「了解♪」

そう言い終わると、次々とゲシュペンストを撃墜していき残りは隊長機のみとなった。

「さぁ、観念しろ。残りはお前だけだ。」

『く、くそ・・・』

隊長機である白いゲシュペンストは少しずつ後退していく。

『このままでは終わらん!リオン部隊を出せ!!』

『しかしアレは・・・』

『早くしろ!死にたいのか!!』

通信機に向かってそう叫ぶと、通信機から『了解・・・』との言葉が流れる。

東の空がだんだん何かで埋め尽くされていく。

「何だアレは!」

エクセレンはすぐさまヴァイスリッターのコンソールをたたき、埋め尽くされていく何かを解析し始めた。

「解析完了!アーマードモジュールのリオンFね。」

「アーマードモジュールだと!何でそんなものが・・・?」

アーマードモジュール。パーソナルトルーパーと同時期に開発されたものである。

アーマードモジュールは量産することを目的としており、インスペクター戦線では質より量での対決をしたほどである。

インスペクター戦線終結後、量産が中止されていたはずの機体である。

「しかもAI操作されている。このままだと町が・・・」

「くそ、隊長機は後だ!今からあのアーマードモジュールを全機撃墜する!」

「了解・・・。厳しくなりそうね。」

そして、アルトアイゼンとヴァイスリッターはリオンF部隊のほうへ向かっていった。

その頃、セイン達は・・・

「第一プロテクト解除!そっちは?」

「第二プロテクト解除したよ!」

コンソールを打ち続け何とか機体にかかっているプロテクトを解除していく。

リュウセイ達はというと、

「すげぇ。アルトアイゼンとヴァイスリッターが出てきてるよ。」

「確かあの二機って連合の機体だろう?なのに何故・・・。」

「分からない・・・。だけどこの町を守ろうとしているのは確かだよ・・・。」

「うおぉぉぉ!パーソナルトルーパーが何体もいるよ!カッコイイッ!!」

と、外の様子を映し出したスクリーンを眺めている。

「第三プロテクト解除!セイ兄!!」

「よっしゃあ!最終プロテクト、解除!!」

するとそこに有った機体を拘束していたところが次々とパージしていく。

そして二体の機体が姿を表した。

「リュウセイ達は俺の機体に、クスハはフィスの機体の中に。早く!」

いきなりあの機体に乗れと言われ、戸惑うクスハとブリット。

ちなみにリュウセイはすでに中に入っている。

「早くしろ! 捕ま・・・ ここのシェルターも安全じゃないんだ!!」

いきなり大声で言われ、クスハとブリットは渋々中へと入りセインとフィスはそれぞれの機体に入っていった。

「行くぞ、しっかり捕まっていろ!」

そう言って二体の機体は戦場へと向かった。





一方、リオン部隊と戦っているキョウスケとエクセレンは苦戦を強いられていた。

一体一体確実に倒しているものの、物量の差があるため徐々に弾切れを起こしているのだ。

「いい加減にしてよね!そんなんだと女の子にもてないわよ!!」

エクセレンはオクスタンランチャーをEモードに替え、現在持っている弾丸の数を減らさないようにしていた。

キョウスケはAIであることが分かっているため、中枢部をバンカー部に突き刺して行動不能にしている。

「このままじゃまずいな・・・。」

「どうする。応援でも呼ぶ?」

「応援を呼んだところで間に合わん。このままやるしかない!」

「そうね・・・。!!! ちょっと待って!」

「どうした!?」

急にエクセレンの態度が急変したため尋ねる。

「レーダーに反応!?気をつけて!アンノウンだわ!!」

「ああ。こちらでも確認した。」

その言葉を聞いたエクセレンは後ろを向いてみる。

そこには接近戦用だと思われる機体と砲撃戦用だと思われる機体―セインのシェルター内にあった―があった。

アンノウンということでキョウスケ達は隙を見せないように構えていた。

前には大量のアーマードモジュール、後ろにはアンノウンと絶望的な状況であった。

その時、通信機から声が流れてきた。

『こ・・・らは・・・・の・・・セイ・・・だ・・。これより・・・援護に・・・る』

通信状態が悪いのかよく聞こえないものの、『援護』という言葉を聞き少し安堵感が芽生える。

「了解した。このアーマードモジュールはAIで操作されている。遠慮はいらん。」

キョウスケはそう通信し返すと、アンノウンが動き始めた。

接近戦用と思われる機体は腰についていた刀を抜き、猛スピードで突っ込んでいった。

一撃で次々と撃墜していき、進んでいったところには一体も動いている機体がいなかった。

砲撃戦用の機体は背中に背負ってある大型のビームライフルを持ち、確実に落としていった。

「やっるう♪すごいじゃない、あの二機。」

「ああ、これは負けてられんな。エクセレン、タイミングを合わせろ!!」

「久々にアレやるのね!!」

そう言ってエクセレンはヴァイスリッターをアルトアイゼンに近づける。

そしてヴァイスリッターとアルトアイゼンはガトリングガンを打ち続け弾幕を張り、その後アルトアイゼンは突っ込んで行った。

ヴァイスリッターはオクスタンランチャーのEモードで何発か撃った後、アルトアイゼンを追って加速していった。

二体によって放たれた弾丸は次々と撃墜していく。

アルトアイゼンがメインAIと思われる機体を見つけ、それにリボルビングバンカーを何発か連続で打ち抜いた。

その後、追い討ちをかけるかのようにヴァイスリッターが至近距離でオクスタンランチャーのBモードを何発か撃ちつづけた。

「行くぞ、エクセレン!」

「景気よくいくわよ!!」

アルトアイゼンの肩部の部品―アヴァランチクレイモア―を開き、全弾発射し、ヴァイスリッターは持てる限るの火力をぶつけた。

「これが俺たちの・・・・」

「愛の結晶もとい、切り札よん♪」

それを食らったアーマードモジュールは爆散し、メインAIがやられたことにより全機が機能停止をした。

『ば、馬鹿な!!あのリオン部隊が・・・。」

「俺達を甘く見たようだな。」

『くそ!覚えていろ!!』

「逃がさないわよ!!」

そう言ってエクセレンはヴァイスリッターについていたビームサーベルを抜き、白いゲシュペンストを切り裂いた。

「この町をめちゃくちゃにした罰を受けなさい!」

そう言い終わった後、ゲシュペンストは爆散した。




「さてと、そこのアンノウン。何者かはしらんが助かった。礼を言う」

すると、そのうちの一体が通信を開いた。

『どうてことは無い。俺達はしなくてはならない事をしただけだ。』

「いいえ、あなた達のおかげこの町を救ったようなものよ。もう少し誇らなきゃ」

『積もる話は後にしてくれ。今、クロガネを呼んだ。詳しい話はそこでしよう。』

「クロガネだと!?なぜ知っている・・・・」

その答えに返事は無く、数分後クロガネが到着し全機収容した。




「さあアンノウンのパイロット。早く外に出て説明してもらおうか。」

アンノウンの機体のコックピットが開き中からリュウセイ、クスハ、ブリット、フィス、セインが出てきた。

「な!?」

「あなた達が乗っていたの?」

キョウスケ、エクセレンは驚きを隠せない様子であった。

自分達が調べていた彼らが動かしていたのだから無理も無いのだが・・・。

「何の騒ぎだ。キョウスケ、エクセレン」

「エル・・・・レーツェル隊長。それが・・・・」

レーツェルと呼ばれた人物は、キョウスケ達に「お疲れ」といいセインの前に来た。

「やっと、合流なさるのですね」

「レーツェルさん、敬語はやめてくれ。俺はあなたより年下なんですから。」

「レーツェル隊長。これは一体・・・」

セインと話していてキョウスケやリュウセイ達のことを忘れていたレーツェルは、キョウスケ達のほうへ向き話し始める。

「そういえば言っていなかったな。彼、セインはディパインクルセイダーズの副指令だ。」

レーツェルのこの発言により、この場の空気が一気に変わっていくのであった。 

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