「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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青き天体研究所
第五話 決断
フィス、レーツェル以外の人物はセインが反連合組織のメンバーでしかも、副司令であったことが信じられないようである。
「言ってなかったけ?」
「「「言ってなかったよ!!それ以前にあのシェルターにあった機体は何!?」」」
「いっぺんに聞くなよ。一つずつ答えてやるから。とりあえず別の場所にいかねぇか?」
ここが格納庫であることを思い出して、一同はブリーフィングルームにヘと向かった。
「そういえば、フィスは驚いていなかったみたいだけど知っていたの?」
クスハがフィスに尋ねるとフィスは、
「知りませんでしたけど、セイ兄のしている事にはいちいち驚いてはいられませんから♪」
フィスの言葉を聞いてクスハは唖然したのも言うまでも無い。
ブリーフィングルームには何人かの人が中にいた。
「ゼンガー准佐!あなたもいたんですか?」
ゼンガーと呼ばれた人物はそう言われると瞑想していたのをやめそちらの方に振り向いた。
「久し振りだな。キョウスケ=ナンブ、エクセレン=ブロウニング」
「ボスぅ!お久しぶりぃ♪」
「相変わらずのようだな、お前達は。」
キョウスケとエクセレンの会話を聞いていたリュウセイはいきなり間に入った。
「ゼンガー=ゾンボルトだって!グルンガスト零式に乗っていたあの!?」
「確かにインスペクター戦線時に零式に乗っていたが・・・」
いきなり横から入ってきたリュウセイに戸惑いながらも応答する。
「リュウセイ。いくら大好きなスーパーロボット乗りに会ったからって興奮しない!」
「だってよぉ。スーパーロボットだぜ、スーパーロボット!!もぉ最高っ!!」
ブリットの突っ込みをシカトし今だに興奮しているリュウセイ。
「さて、話を始めますか。まずはこの戦艦のクルーから。」
セインもリュウセイの言動を無視して話を進める。
「まずはこの戦艦の艦長。テツヤ=オノデラ艦長だ。」
テツヤと呼ばれた男は前に出て自己紹介をする。
「テツヤ=オノデラだ。テツヤと呼んでくれて構わない。
今はここにはいないがブリッジにオペレーターのエイタがいる。まあよろしく頼む。」
そう言い終わったのを確認すると次にと移った。
「次はもう知ってると思うけどゼンガー=ゾンボルト。」
「ゼンガーで構わん。」
一言で終わらせたので次に進んでいった。
「キョウスケ=ナンブとエクセレン=ブロウニング。」
「キョウスケ=ナンブだ。キョウスケで構わない。」
「エクセレン=ブロウニングよん。エクセ姉様か先生って呼んでね♪」
「エクセレン、ふざけるなよ。」
「いやん、キョウスケ。」
と、自己紹介にも関わらず漫才のようなやり取りをしている二人。
「あのぅ、いつもそうなんですか?」
「いつもこの調子だ。気にしたら負けだぞ。」
何に?と疑問を抱いたが突っ込む事が出来なかったクスハであった。
「さて、最後にレーツェル=ファインシュメッカー。」
「レーツェル=ファインシュメッカーだ。レーツェルで構わない。ようこそこのクロガネヘ。」
そう言ってレーツェルはリュウセイ達に握手をする。
「俺らの紹介はいいのかよ。」
「クロガネのクルー内でお前達の名前を知らないのはいないからな。そこらへんは省略してもらう。」
ブリットの質問に答えるセイン。
どうやら保護するように命令したのはセインらしい。
「メンドクサイからこれまでの俺の経緯を説明する・・・
『俺とビアン博士が会ったのは今から四年ほど前、丁度ビアン博士が異星人の脅威を発表した辺りだと思う。
俺が書いた論文をビアン博士が見て知り合ったんだ。
あの時は馬鹿げた話だと世間から見捨てられてたんだが、あの人は違ったんだ。
それ以来、よく話をするようになったんだがある日・・・。
「私のしてしまったことは間違いだったのかもしれない。
人がパーソナルトルーパーを手にしてしまったことで自分が強いと勘違いして暴動を起こすかもしれない・・・」
「そのようなことをしない人もいると思いますが。」
「それでも人は欲深き生き物だ。」
ビアン博士は物凄く悩んでいた。
もしかしたら自分は前世紀のような過ちをしているのではないのかと。
「だったらそれに対抗する組織を作ったらどうですか。」
「対抗する組織・・・」
ビアン博士はその言葉を聞くとセインの方を向いた。
「間違いは誰にだってあります。問題はその間違いをどのように正すのかだと思います。だから・・・」
「わかったよ・・・」
ビアン博士はセインの話の間に入って中断する。
「君のおかげでわかったよ。自分のなすべきことが。ありがとう。」
「いえ、生意気なこと言ってすみません。」
ビアン博士がいきなり頭を下げたことに驚き戸惑うセイン。
「私はもし、恐れていたことが起こるようなら聖なる十字、ディバインクルセイダーズを起こそうと思う。
セイン、君も力を貸してくれないか?」
そう言ってビアン博士はセインに手を差しのべた。
「僕にはある目的がありますが、協力しましょう。」
その後ビアン博士は自分と娘専用の機体と、俺が設計した機体。
セイバーとリヴァイサーを造ってもらったんだ。
いつか来るかもしれない戦いの為に・・・』
そして現在に至るというわけ、わからないところがある人。」
この話を聞いていた全員が首を振った。
どうやらこの話はクロガネ内でも話されていなかったことらしい。
「セインさん、そこまで分かったんですけどなぜ私達を保護しようとしたんですか?」
「そうだ!そこら辺は聞かされていないぞ。」
クスハと正気を取り戻したリュウセイが質問する。
「少し待て、物事には順序というものがあるんだ。実はある情報屋からある情報を買ったんだ。
連合はある少年達を手に入れようとしていると、」
「ま、まさか・・・」
クスハとブリットはその内容を察していしまい、顔が青ざめていく。
「そう。その少年達とは・・・・。お前達のことだ、リュウセイ、クスハ、ブリット。」
「!!!!!!!」
この重大な事実に言葉を失う彼ら。
「じゃ、じゃあ町が襲われたのも・・・」
「お前達を捕まえるためだ。」
「どうして!?」
いまだ信じきれない彼らはだんだんと声が大きくなる。
するとセインが意外な言葉を出す。
「『サイコドライバー』という言葉は知ってるか?」
「サイコ・・・ドライバー・・・・?」
セインの言った言葉を繰り返して尋ねる。
「サイコドライバーとは現在解明されていない謎の力を持つ人のことだ。
ある伝承では、その力を使えば地球の守護神になれると伝わっている。」
「・・・・・・」
「お前達は現在、確認されているサイコドライバーなんだ。」
「そ、そんな・・・」
「皆さん・・・・」
立っている気力を失ってしまったのか、リュウセイは膝が床についてしまった。
それにもかかわらず、セインは話し続ける。
「おそらく、連合はお前達を軍事利用しようと思ったんだな。
それを阻止するために俺はお前達を保護したんだ・・・。」
彼らは顔をうつむけたまま返事をしなかった。
ショックだったんだろう。自分達が原因で町が破壊されていたのだから。
「・・・・・お前達のとるべき道は二つある。」
その言葉に反応し、彼らは顔を上げた。
「一つは誰にもその力を利用されないように逃げ続けること。
もう一つはこれ以上犠牲を出さないために戦うという道だ。どちらを選ぶのかはお前達自身だ。」
その言葉がゼンガーから発せられた。
しばらくして、リュウセイが口を開いた。
「・・・・ぅ道を。戦う道を選ぶ!これ以上被害を出してたまるか!!俺らのような人を出さないために俺は戦う!!!」
「そうだな・・・。逃げてばっかしだと永遠に終わらないしな。」
リュウセイの言葉に賛同したのかブリットがセインに向かって話す。
「私も逃げたくない!でも私は・・・・・」
クスハだけ何か悩んでいるようだ。
「本当にそれで良いんだな。リュウセイ、ブリット。」
「ああ。」「もちろん。」
「クスハ、お前は衛生班についてくれないか。」
「え。」
セインのその言葉に反応するクスハ。
「逃げたくない。という意思さえ確認できればそれでいいよ、お前は。」
「でも・・・」
「俺も戦ってほしくないんだ。クスハには、」
ブリットが肩をたたき、クスハにそう話した。
「ブリット君。・・・・分かりました。」
「では、新しいクルーとして改めて歓迎しよう。」
レーツェルはそう言った後、再び握手を求めた。
「済まないな・・・。みんな・・・・。」
そう言って、セインが涙を浮かべていたことはフィス以外気付かなかった。
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