ロックの部屋

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ASIA




【エイジア】を初めて聴いたのは「Heat Of The Moment」という曲でした。驚きでした。これがあの元プログレバンドにいた人達の創り上げたロックなのかと。

改めて言うまでもなく、メンバーのジョン・ウェットンは【キング・クリムゾン】、スティーブ・ハウは【イエス】、カール・パーマーは【EL&P】、ジェフ・ダウンズは【バグルス】に籍をおいていました。プログレ好きならば、よだれがダラダラ出そうな超強力メンバーです。

個人の演奏テクニックに関すれば、文句の付けようがない超一流の人達ばかりなのに、エイジアの創り出した音楽といったら、個人の楽器を浮き上がらせるものではなく、あくまでスケールの大きなメロディーとジョン・ウェットンのヴォーカルです。元いたバンドの音のかけらは少しもありません。

意図的なミキシングなのだろうけど、個の楽器の角を削り落として、大づかみにした上でレベルを押さえ気味にしています。音場感豊かな音。ジョン・ウェットンのヴォーカルの成長も大きくて、クリムゾン時代はこんなに上手ではなかったと思うんだけど、エイジアでの声域は恐ろしいくらい広いです。

かつて70年代前期ロックシーンの最先端にいたプログレッシヴ・ロックの生き残る道として、エイジアは見事に成功。ファーストアルバムと共に『ALPHA』も世界的にヒットしました。サウンドはプログレではなく、【ジャーニー】のような産業ロックに似通っている。丁度ジャーニーも1981年1983年にビッグヒットを連発していた時期でもあり、追いかけるような形でエイジアのアルバムも受けいれられていたのかなと思う。

ロジャー・ディーンのカバー・デザインは相変わらず芸術で素晴らしいです。でも【イエス】のイメージが強すぎるので、もっとポップなデザインでも良かったのではないかな。

ちなみに私がエイジアを聴いていたのは『ASTRA』までで、その後の彼らは知りません。

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