ロックの部屋

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ALAN PARSONS PROJECT





ビートルズやピンク・フロイドのエンジニアとしても知られていた【アラン・パーソンズ・プロジェクト】音にうるさいロック好きの間で評価の高かった人達でした。

でも意外と音楽は穏やかでAOR路線、時にアッサリとし過ぎていて物足りなさもあるのですが、楽曲は優れたものが多いです。

グループとしての人気も「アイ・イン・ザ・スカイ」などの全米NO1ヒットもあるものの、地味な印象が強いと思います。プロジェクトと付くところがバンドの実態を解りにくくさせているのかもしれない。ヴォーカリストもアルバムごとに流動的だったりするようですし……

アラン・パーソンズ・プロジェクトのアルバムの中でもこの『AMMONIA AVENUE』はポップ度が強くて、うっとりさせられます。ジャケットのイメージとは随分違います。そのあたりも解りにくくさせている要因なのかもしれない。

エリック・ウールフソンがリードヴォーカルをとる「DON’T ANSWER ME」などまるでクリスマスソングの雰囲気を持った曲だし、「DANCING ON A HIGHWIRE」も軽いギターとヴォーカルのクロスオーバーがとても素敵です。

「SINCE THE LAST GOODBYE」この曲のヴォーカルはクリス・レインボーという人、これも傑作のゆったりとした美しいバラード。

「YOU DON’T BELIEVE」のベースラインはピンク・フロイドの『WALL』に似ていて思わずニヤリです。

アラン・パーソンズ・プロジェクト得意のインストゥルメンタル・ナンバーも「PIPELINE」で堪能できます。これは想像をかき立てられる映像的な模写、プログレファンも納得のインストゥルメンタル・ナンバーです。ジャケットのイメージに一番近いナンバーでしょうか。

ラスト曲ではアルバムタイトル曲の「AMMONIA AVENUE」をエリック・ウールフソンが雰囲気たっぷりにリードヴォーカルをとっています。

ロマンチシズムと美しい映像的な模写、AOR色の強いポップな楽曲、これがアラン・パーソンズ・プロジェクトの最大の魅力。『AMMONIA AVENUE』は彼らの代表作と言ってもいいのではないでしょうか。これ大好きなアルバムなんです。

惜しむらくは、今発売されているアルバムは音が丸く、キレが甘いこと。締まりがありません。早くデジタルリマスター化を願いたいところです。

                        (2004-11-29記)

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