フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)が、3月12日以降福島第一原子力発電所から放出された放射能雲大気の拡散シュミレーションを動画で公開しましたので至急掲載します。日本政府はさらに詳細なシュミレーションが可能であるにもかかわらず、公表していません。日本政府がただちにシュミレーションを公表するよう強く求めます。また、3月27日午前9:00現在この拡散シュミレーションを公表した日本のマスコミはありません。どのメディア、マスコミがいち早く、このデータを公開するのかが大変注目されます。
(この頁の記述はすべて、引用される方の責任において、転記・転載自由とします)
3月12日より福島第一原子炉から放出された放射能雲大気中拡散シミュレーション(動画)フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)公表資料
Dispersion model of the radioactive releases in the atmosphere
1.東北・関東への拡散動画(Tokyo and North East Area of Japan)
http://www.irsn.fr/FR/popup/Pages/animation_dispersion_rejets_19mars.aspx
2.太平洋・北米・欧州へ拡散動画(Pacific and North American Region)
http://www.irsn.fr/FR/popup/Pages/irsn-meteo-france_19mars.aspx
http://www.irsn.fr/EN/news/Pages/201103_seism-in-japan.aspx
2011 年3 月12 日より福島第一原子炉から放出された放射能雲大気中拡散シミュレーション1 -
2011 年3 月12 日以降放出している放射能生成物について何が分かっているのか?
IRSN(フランス放射線防護原子力安全研究所)は、放出された各種放射性物質の内訳、放射線量等の詳細情報を所持しておりません。しかし事故の起きた炉心に関する技術的情報を基に、現地で測定された放射能量率と照らし合わせ、3 つの原子炉の12 日以降に起こりうる状態悪化シナリオを予測することに成功しました。このシミュレーションでは放出が20日まで続くと想定されています。数回にわたり原子炉建屋外へ放出された放射性物質には希ガス(化学反応を起こしにくい放射性物質、地面に落ちず大気中に留まる)の他に主にヨウ素131(放射能ハーフライフ8日間)とセシウム137 があります。これらの質量は原子炉におけるの全般的な学識を踏まえて割り出された数値である。
2 -大気中に放出された放射性物質の拡散
大気中に放出された放射性物質の拡散IRSN は12 日~20 日の期間に放出されたと推定される放射線物質がどのように大気中で拡散されるかをフランス気象庁が提供したものを参考に遠距離対応(数百キロメートル規模)数値計算モデルでシミュレーションを行いました。シミュレーションには放射能雲のトレーサーとしてセシウム137 が用いられました。放射能数値は3月12 日から1 時間刻みで計算され、使われている単位はBq/m3(大気1 立方メートル中のセシウム137 ベクレル数)。参考までに、1986 年4 月26 日のチェルノブイリ原子炉事故の直後、事故現場付近で観測された放射能量は10 万Bq/m3 を超えていました。また放射能雲の汚染被害を被った近隣諸国(ウクライナ、ベラルーシー)では100-1000 Bq/m3、フランス東部では1-10 Bq/m3(1986 年5 月1 日)が検出されています。今でも微量のセシウム137 放射能(0.000001 Bq/m3)が大気中に残っています。
日本全土スケールを対象に行われたこの計算によると放射能雲が時間を追ってその移動方角を変化させていたことが分かります。3月14日以前の放射能線放出期間初期には風は北東に向かっており、続いて15日には南、南西方面へ(東京方面)、その後太平洋に向かい東へと風向きが変わりました。
IRSN がこのシミュレーション結果を東京で実施された放射能汚染測定結果と比較したところ、 IRSN の計算結果は東京の測定値と近い(同桁数)であることが分かりました。下のグラフに ヨウ素131とセシウム137のIRSN 計算結果が示されています。
この比較からも分かるように IRSN の大気中放射能物質拡散モデルシミュレーションは東京に届いた放射能量に近い数値を割り出ており信頼のおける結果であると考えています。
3 月15 日~17 日間に東京都で測定されたセシウム137 とヨウ素131 の空気中放射能濃度推移(現地時間)
IRSN が大気中遠距離拡散モデルを使って計算したの東京の空気中セシウム137 とヨウ素131 濃度シミュレーションの結果
3 -放射能雲から人間が受けると考えられる放射線量の推定
放射能雲から人間が受けると考えられる放射線量の推定IRSN では放射能雲から人間が受けると考えられる放射線量を推定しました。このシミュレーションは放射性物質放出期間中(3 月12 日~20 日)同じ場所に常時無防備な状態(屋外)で留まっているという条件下で計算されたものです。また、ヨウ素131 同位体の摂取(甲状腺)に最も敏感とされる1歳児が対象とする極めて慎重な計算です。
次の計算はシミュレーション期間中(3 月12 日~20 日)の放射線摂取量推移を表しています。今後新しく放射性物質の放出が発生した場合、この推定値はさらに増える可能性があります(無防備状態の1 歳児において)。
•放射性物質放出期間中、無防備状態(屋外)において1 歳児が受け得る対全身放射線量
事故の際、屋内退避勧告となる暫定基準は10mSv で避難勧告は50mSv となっています。10mSv 以下の場合は身体への被害リスクは十分に低いとされ、特別な安全対策は必要ないとされています。参考までに、フランスにおいて自然放射能と医療被曝から受ける年間放射線量の平均値は3.7mSv です。•放射性物質放出期間中、無防備状態(屋外)において1 歳児の甲状腺が受け得る放射線量
現在、事故の際にヨウ素の服用が必要とされる放射線摂取暫定基準は日本では100mSv に定められています。
- 地球全体規模での放射性放出物質の大気中拡散モデル
IRSN の推定した放射能放出量を基にフランス気象庁が超遠距離規模での放射性放出物質の3月26日まで大気中拡散をシミュレーションしました。
このシミュレーションによると放射能雲は現在シベリア北東、アメリカ合衆国、さらに大西洋西側まで到来しています。フランス上空到着は3月23、24日以降となる見込みです。放射能雲到来時の放射能密度はのシミュレーションによるとフランス本土と北半球に位置する 海外領土地域において0.001 Bq/m3 に及ぶと思われます。今回の長距離シミュレーションからも南半球への影響は殆どないという結果がでています。
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