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スキャナー・ダークリー



スキャンー・ダークリー

「物質D」と呼ばれる幻覚剤など、ドラッグが蔓延している今から7年後のアメリカを舞台に、新型ドラッグと監視システム、スクランブル・スーツの3つのSF要素が絡み合い、悲痛な近未来の姿を描きだしていく。監視する実写映像にデジタルペイントする方式のアニメーションを採用し、ドラッグの幻覚症状、そして現実から乖離したような不思議な感覚を持っている。

すべてが監視されるその様は「核兵器」に勝るとも劣らずの恐怖感を抱く。なぜなら、これは盗聴盗撮というレベルの監視ではない。心の中まで監視されてしまうというスキャナ・システムだからだ。人間の心理の描写をコピーしてしまうというような恐るべき監視力を映画化している。麻薬摘発ゆえの捜査監視であるが、近未来にこんな映画のようなシステムが日常に使用されるようになったらと考えると、大変恐ろしい。あながち「0」ではないと思えるが故に、開発も使うも同じ人間、使い方一つで世の中は一変する。大変危惧される題材の映画であった。

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