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「硫黄島からの手紙」を観て...


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この映画は平和に慣れた現代の日本人に、警鐘を与えるべく印象深い作品だった。僅か61年前に起こった戦争と言う歴史事実。誰も戦争なんてしたくない!そんなあたり前のことが、温室環境の中でその優柔さが問われる今日の日本には有りえる。
渡辺謙役する栗林中将の言葉にイーストウッド監督の戦争に対するメッセージが随所に描かれている。「本土でわが国民が一日でも安寧な日々を過ごす事ができるのなら、われわれがこの島を守る一日には意味があるんです」それは今までの日本戦争映画で描かれてきた「日本男児たるもの、負けが分かったら潔く自決すべし」「無駄死にと分かっていても、万歳特攻を敢行すべし」としてきた旧軍指導部を跳ね返す。「最後の一兵になるまで、たとえこの島が敵の手に落ちると分かっていても、玉砕することなく生きてこの島を守るべし」ここに最大のイデオロギーの違いがある。
昨今、専守防衛など言っている愚かな者がいるが、戦争を避けることが政治家の役目であると苛まされる。そんな様々な感慨深い映画をクリント・イーストウッド監督が作ってくれたことに感謝の念を禁じえない。観終わったあと、これは良い、つまらないとかいう区分けが自分の中に起こらなかった。それ以上に戦争とはいったい...そういう想いを巡らせられた映画でありました。

「終戦から60年が過ぎたいま、日本とアメリカの双方から、この島の封印が解かれようとしている。ひとつの島をめぐって描かれる映画史上かつて例のない2部作。アメリカ側の視点から描いた『父親たちの星条旗』、日本側の視点から描いた『硫黄島からの手紙』。ふたつの「硫黄島」に出会うことで初めて見えてくる真実がそこにある」...

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