愛 こ と ば・心 の 散 歩 路

愛 こ と ば・心 の 散 歩 路

2009/04/03
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カテゴリ: 実践ビジネス力


        落とし穴[上]

   【実践ビジネス力 1】
    <Renewal UP>

唐知「えっ?大多さん!私の話を

   聞きたいんですか……?

   大多さん!……マジで?」

大多「ハイ……真剣であります」

唐知「ホントに聞いてくれるの?私で良いのかなぁ~……」

大多「失礼ながら『毒舌唐知』の異名を持つ唐知さんの、

   独断と偏見に興味があるんです……」

唐知「ウッ!!……そこまでおっしゃる!!」

大多「辛口中の辛口で……お願いします」

唐知「ははははっ……。よおし、分かりました。それじゃー、

   そのつもりで聞いて頂きましょう。……気合入れてね」

大多「もちろんです!!」

唐知「……さて、では、グチャグチャに絡み付いてしまって、

   どうにもこうにもならなくなった糸を解きほぐす話から

   始めましょう……『解き解し』……で」


花テニス観戦


備前「ええっ!どういう事ですか……?大多先輩!……」

大多「なんだ……?」

備前「話が違うじゃないですか……?」

大多「違いはせん! <`~´>

   備前!!

   まぁ……、いいから、いいから……。

    なっ!備前…………。話を聞け……」

備前「……( 一一)」

唐知「……?」

大多「……唐知さん、どっ…どうぞ、……続けて下さい」

唐知「…………………?

   ……では……、

   まず、例え話から始めましょう。

   相当昔の話になりますが、私が実際に聞いた話です。

   『列車の踏切事故をゼロにしたい』という問題提起が、

   当時の運輸省や警察庁や国鉄その他、私鉄各社から

   あったそうです……」

大多「ほう……列車の踏切事故………ですか?」


SL


唐知「そうです…………。当時の国鉄が幹事役をする事に

   なりましてね。運輸業界、関連官庁、学会、民間代表、

   その他、様々な分野から著名な識者が集められ、

   それはそれは大きな検討チームが作られたといいます」

大多「ふーん……大々的ですね。さすがに……」

唐知「検討会発足以来長い期間をかけて、あれこれと様々な

   論議が重ねられましてねぇ…………。

   ………しかし、結局は官庁スタイルの、いかにも、

   スローガンレポートの様な物が作られて、検討は、

   打ち切られてしまいました…………」

大多「………?」

唐知「我々のように、具体的で実効性のある施策を追求し、

   生々しい現場で毎日実務に苦労している人間には、

   ちょっと理解し難い報告内容でしたがね……」

大多「ほう……それは又、何故そんな事になったんで

   しょう?」

唐知「はい、一言で言いますとね、……結論が出なかったという

   事ですよ…………」


2005-10-03 09:08:22



備前「えっえーー!!そんな筈は無いんじゃないですか?

   メンバーがどんな方々だったかは知りませんけど……、

   国内のそれ相応の方々が集結された訳でしよう……?」

唐知「はい確かに……肩書きはね……。しかし、残念ながらと

   言いますか……、私に言わせれば当然というか……、

   結論を出しきれなかった事だけは事実のようです……」

備前「…………当然?…………?」

唐知「……そう、当然です。考えてみてもご覧なさいよ。

   ……彼らは、本気で、真面目に答を出すつもりだった

   んでしょうかね……?」

備前「そんな事、当たり前じゃないですか!」

唐知「当たり前…………?……ほぅーー……」

備前「だって、答を出す為に任命されたんでしょう?」

唐知「いやいや……そこが極めて疑問なんです……。

   いいですか?……このテーマは答を出すだけなら、

   極めて簡単でしょう?」


水仙二輪


備前「……?」

唐知「……だから、委員長は即座に答を言って、テーマを

   返上するか、こんなテーマの答は出せないと、

   突っぱねるべきだったと思います」

備前「……??」

唐知「いいですか?……答は、こうです。

   ……要するに、

   『全国の踏切という踏切を全て立体交差にすれば良い』

   という訳ですよ。……………ねっ。

   簡単にして明瞭です……」

備前「そ、そんな、極端な……」

唐知「反論がありますか?あったらどうぞ…備前さん。

   ……但し、理にかなった反論をネ……」

大多「いえ、いえ。………とは言っても………ですね」

唐知「違いますか……? 踏切そのものを無くせば、

   踏切事故は確実にゼロになります。誰が考えても

   当たり前の話です……」

大多「うーん……それは、確かにそうですが……どうも」


どんぐり裏


唐知「海があって、人が海に出て行くから海難事故が発生し、

   空があって……、人が空に飛び立つから航空機事故が

   存在する……。江戸時代、日本に航空機事故は

   ありません…………」

大多「……」

唐知「……というわけで、ゼスチャーでなく本気で、完全に

   事故ゼロにしたいのであれば、これは完璧に正しい答え

   である訳でしょう……。

   踏み切りをゼロにすれば踏切事故はゼロになります。

   異論ありますか……?」

備前「ゼスチャー……?こんな大切なプロジェクトが

   ゼスチャーである訳ないでしょう。暴言ですよ!」

唐知「じゃー、一体何だったんでしょうかねぇ。

   備前さん、ご存知ですか?……説明出来ますか?

   ……今、出来るんだったらやって頂きましょう」

備前「……それは、それは私はその場に居たわけじゃないから

   説明できませんが……、著名な方々の活動をゼスチャー

   等というのは、言い過ぎではないかと………」


こぶし実


唐知「…………。

   ゼスチャーという表現は、少しオーバーとしても、

   似たようなものだったと言わざるを得ないという事に

   ついて、今からお話しをします……」

備前「……(`ヘ´)……」

唐知「……そこで……大多さんに聞きます。

   ……私の出した答は、正しくないですか?」

大多「いえ、そのう……正しいと言えば正しいでしょうが、

   論理的には……デスネ。

   しかし、どうも……しかし………」

唐知「そう…………『しかし』ですよね……。

   『し・か・し』この答は、まず採用されませんね。

   当然の事ですが莫大な費用の問題、土木技術上の課題、

   その他、諸々の条件が絡みますからね……」

備前「いやっ、そうじゃなくて、メチャクチャだからですよ」


真っ赤小


大多「ちょっと待て!備前!

   失礼だぞ!!

   少し黙って聞けよ。

   ……もう……。

   すみません唐知さん……」

唐知「いやいや大多さん、かまいません、かまいません。

   話に弾みが付いて、けっこうけっこう……ははははっ」

大多「……どうも……。

   ……ところで、唐知さん、

   今言われた土木技術の課題ってのは……?」

唐知「ええ……、つまりですね……、全国にたくさん在る

   鉄道の踏切には、その地形とか道路の形状とか、周辺の

   状況……つまり、民家とか川とか、池・山とかといった

   地物との関連で、立体交差にする工事自体が、

   物理的・技術的に極めて困難な箇所もあるでしょう?」

大多「そうか……、なるほど、そうすると、線路そのものまで

   動かさなきゃならなくなる……」


朱里2


唐知「そう、そう…………。

   しかし、このテーマはとてもじゃないが、

   そこまでは視野に入れてないでしょうからね……」

大多「なるほど、…………そうか」

唐知「そうするとですよ……。いいですか……?

   私が、先程言った、明快で唯一完璧な『答』が適用

   できないという事になる訳です……」

大多「……ですね」

唐知「……ということはですよ……大多さん、これは最初から

   事故をゼロにするなんていう『問題提起』そのものが、

   おかしいんじゃないかと言わざるをえない訳ですよ」

大多「…………!!」

唐知「気持ちとしては分かりますよ。しかし、精神論です。

   解決策を具体的に導き出すテーマ設定としては、

   おかしいと言わざるをえません。

   ねっ、そうでしょう……?

   問題提起そのもののおかしさ……そこに目をつけると

   少しは対応が前に進みますよね…………」

大多「ゼロには出来ない……という事ですか?」

唐知「そうです。無理です。

   車や踏切関連に使用されている機械部品の故障の確率を

   完全にゼロにする事が本当に可能でしょうか……?」



       <続>





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Last updated  2009/04/11 10:14:11 AM
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