「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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「ナニカガスムイエ」
エミルクロニクルオンライン
「ナニカガスムイエ」~プロローグ~
ある日…飛空庭のポストに1通の招待状が届いた
差出人は「フシギ団」からで
アップタウンでお化け屋敷を開催するから遊びにきてね♪…という内容だった
私もこの世界の住人であり冒険者をしている
狩場でモンスターと闘い…どんなに傷ついても平気だが
元来こういったものは苦手である
私はせっかくの招待だがスルーするつもりでいた
が…成り行きというかその場の勢いというか
色々な事情で結局お化け屋敷に行く事になってしまった
私は建物の前でため息をつき…仕方なく中へと入る
中に入るとそこにはフシギ団の人が立っていた
やぁよくきたね…この恐怖の屋敷に
僕は案内人のクリムさ
フシギ団のクリムはそう私に挨拶をする
私はとりあえず頭を下げて挨拶する
この家の前に柵があったのを覚えているかい?
柵…?
そう、柵だよ…この家の前には柵があって誰も入れないようになっているんだ
僕たちがこの家をお化け屋敷に改装する前からそうなってたんだよ
クリムはそう語る
実はこの家にはちょっとしたいわくがあってねw
クリムはニヤっと笑う
私はただ苦笑いを浮かべる
そもそもこの家の構造がとても奇妙なんだよ
ここから先に進むと他の部屋につながる本館がひとつ
そこから地下室と他に2つの部屋に行くことができる
ところが構造上、他にもうひとつ部屋があるはずなんだ
中を改装してる時に気づいたんだけどね…
だけどその部屋に行くための通路も階段も入り口もない
どこにあるかも正確にはわからない
なんなんだろうねその部屋は
クリムはとても楽しそうに私に語る
家の前の柵…謎の部屋
ふふふ…
こ家には何かがあるのかもしれないね
その話を聞き私は大きくため息をつく
お化け屋敷というだけで嫌なのに…いわく付きの家だなんて聞かされれば
今すぐに帰りたい気分になる
そうそう、もうひとつだけ話しをしておかないけないね
この家にはとある姉妹が住んでいたそうだ
それはそれはとても仲が良かったそうだ
ところがある日
姉が忽然と姿を消したらしい
なぜ消えたのかは誰も知らない
でも神隠しにあったかのように唐突に消えた
妹は大好きな姉を待ち続けた
それでも姉は帰ってこない
妹は毎日毎日待ち続けた
家の中でずっと待ち続けた
何日も何日も
何年も何年も
そのうち彼女の髪は白髪になる…
やがて息をしなくなった
それから時は流れる…延々とね
でも、何たる事だろうか
彼女の気配は消えない
この事は街の人達にも噂され始め
今ではみんな口を揃えてこう言うんだ
「この屋敷に魂になっても彼女が住み続けている」…とね
僕もお化け屋敷を作るときに何度も気配を感じたよ
でも振り返っても誰もいない
でも確実に何かがついてくるんだ
一歩…また一歩…と
僕はまた振り返る
…やはり誰もいない
でも確実に間隔がつまってくるんだよ
少しづつ…少しづつ…
気味の悪さから歩調を速めると
その気配もそれに合わせてくる
そしてどんどん近づいてくる
もしも追いつかれたらどうなるんだろうね?
家を改装する前に聞いた噂話だけど
運悪くこの家に足を踏み入れて
そのままいなくなった人もいるそうだよ
まぁ…あくまでも噂話だけどね
でも気をつけてよ
行方不明にならないように…
ちょっと話が長くなっちゃったね
この先が本館になるから
クリムはそう言うと奥の入り口を指差す
ちなみにこの屋敷は
本館の他に部屋が3つある
地下室と普通の部屋が2つ
出口の扉は仕掛けがしてあって何かをしないと開かないようなってる
つまり一度この屋敷に入ったら
出るためには謎を解かなきゃダメって事さ
それと念のため本館のどこかにパルルが待機している
どうしても出れない時は彼女に言うといい
それではがんばってくれ
君の幸運を祈ってるよ
あ…そうそう、無事に出れたら出口にいる
准幹部のミーシアさんに声をかけてくれよ
アンケートを取るって言ってたからね
ただし…無事に出れたらの話だけどね
フフフフフフ…
クリムは私にそう言う
もはや「帰ります!」とは言えないような状況となってしまった
私は仕方なく奥の入り口に向かう
こうやって何人案内したのか…クリムはとても楽しそうだった
私はもう一度大きくため息をついて
本館への扉を押し開いた…
その部屋は思いのほか広かった
部屋は薄暗く…実際どのくらいの広さかは見当もつかない
目が少し慣れてくる
何かある…
目をこらしてその何かを見る
それはベットだった
私はそのベットに近づいてみる
その時、背後で入ったきた扉が勢いよく閉まる
私はあわてて扉に戻る
扉はびくともしない
そうか…出口は他にあるんだっけ
私はあきらめて辺りを見渡す
よくみるといくつかベットが無造作に置かれている
どれもこれもとても古く年季の入ったベットだった
ここは寝室?…のわけはないか…
ベットはただ行くあてもなくただこの部屋に置かれただけのようだ
私は奥へと進んで行く
しばらく歩くと廊下のような場所に出る
正面にはまだ部屋がある
廊下の左側に部屋があるのだろうか扉がひとつある
右側には同じように扉と地下へと続く不気味な階段がある
そう言えばクリムが本館の他に部屋が2つと地下室があるって言ってたっけ…この事かな?
私はとりあえず正面の部屋へと向かった
部屋と言ったが扉があるわけでもなく
本館の一部といったところだろうか
さっきの部屋と同じくらいの広い部屋である
暗くて何も見えないよ…
私は薄暗い部屋の中を目をこらして見渡す
!!!!!
部屋の右側に誰かが立っている
うわぁぁぁぁぁ!!
私よりも先にその誰かが叫び声を上げる
私はその叫び声に驚く
だ、誰?そこにいるのは…
声の主が私に声をかけてくる
私は恐る恐る声の主に近づく
フシギ団のマスク…
どうやら声の主はフシギ団のパルルらしい
私はとりあえず胸をなでおろす
パルルも怖いの?
私は聞いてみる
う、うしし…
あ、あたしは…こ、怖くなんかないよ!
ほ、ほんとだよ…
こ、怖いわけないじゃん!
パルルは思いっきり否定する
でもどこか挙動がおかしい
もしかして…ギブアップ?
なら…この非常口から出してあげるよ
パルルはそう私に言う
私は首を横に振って答える
で、出たくなった時は声をかけてよ…
私は黙ってうなずく
パルルと話をしているうちに目が暗闇に慣れてきたらしい
だいぶ周りが見えるようになってきた
パルルのいる位置の正面に暖炉
部屋の中央に大きなテーブル
そしてこの部屋に入ってきた場所の正面に大きな扉がある
あれが出口だよ…でも仕掛けの謎を解かないとあの扉からは出れないんだよ
パルルが私に言ってくる
どうやらこの本館以外の場所にも行ってみないとダメらしい
私はパルルと別れて先ほどの廊下に戻った
さて…どこから行ってみようか…
少し考えて1つだけあった左側の扉に向かった
しかし扉はまったく開く気配がない
ダメか…
私はあきらめて反対側に向かった
扉と地下への階段…
私は気分的に地下を後回しにして
扉を開けてみる事にする
扉は簡単に開いた
おじゃましまーす…
誰に言うわけでもなくそう言って私は部屋に入る
部屋はそれほど大きくはなかった
中央に机
正面の壁に2枚の絵が飾られている
それと机の横にいかにもといわんばかりの部屋の雰囲気に似合わないスイッチが置かれている
いきなり下に落ちたりはしないよね…
私はそんな独り言を言いつつスイッチを操作する
どこかで扉が開く音がする
それもかなり大きな扉と思われる音だった
出口の扉かな…
そんな独り言を言った時
入ってきた扉が閉まり鍵がかかる
なるほど…それほど簡単じゃないのか
私はもう一度スイッチを操作する
またどこかで扉が閉まる音がして
入ってきたドアの鍵が開く音がする
どうやら何かをしないと同時に開ける事はできないらしい
私はスイッチをもう一度調べる
穴だ…鍵穴…かな?
スイッチには鍵穴のような形の穴が開いている
とりあえず何かが必要のようだ
仕方なくもう少しこの部屋を調べてみる事にする
しかしこの部屋には壁にかけられた絵以外は何もなさそうだった
私は壁にかけられた右側の絵を覗きこむ
何かが描かれている事はわかるが古ぼけててまったくわからない
私は左側の絵をのぞきこむ
こちらの絵は破れかけている
元はどんな絵だったのだろうか
しばらく眺めていると
破れた部分が人の顔に見えてきた
いや…確かに人の顔だ
私は確かめようとそっと絵に手を触れる
その時どこかで扉の開く音がする
先ほどの音とは違う
もしかしたら…さっきの部屋かもしれない
私はそう思いこの部屋を後にした
廊下に出て先ほどの扉の前に立つと扉がかすかに開いていた
私は扉を開けて中へと入る
なに…この部屋…
この部屋はさっきの部屋と違い明るかった
怪しげな実験器具のようなもの
そして大きな机…
机の上に何かが置かれている
私はその何かが置かれた机に近づく
机に置かれていたのは私と同じくらい大きな人形だった
私は人形に手を触れた
その瞬間…体が動かなくなる
か、体が…うごか…な…い…
そして声も出なくなる
その時、私の背後にあるこの部屋の扉を動かす音がする
扉の所に何かがいる、しかし私は振り向くことも出来ない
そしてそれはただずっとこっちを見ている…そんな気がした
しばらくしてどこからか声が聞こえてくる
鍵を探せ…鍵を…
暗く深い所に隠した…時を刻む箱の下に
その鍵があれば扉を開けたままにしておく事が出来るだろう…
サモナクバ
ココカラオマエハ
デラレナイ
扉の所にいた何かの気配が消える
体が動かせるようになった
暗く…深い所…地下室かな?
私は地下室に行ってみることにした
そして地下室の階段の前に立つ
階段の奥はなにも見えない…ただ不気味な闇が広がる
私は意を決して階段を下りた
降りた先は暗くてよく見えないが
部屋というよりは通路といった雰囲気だった
私は奥へと向かう
少し歩いた時…背後に気配を感じる
私は振り向いた
しかし背後にはなにもいない
気のせいか…
私はまた歩き出す
!!!
気のせいなんかじゃない…何かがいる
私は思わず足を速める
しかし…背後にいるであろう何かは確実に距離を縮めつつ近づいてくる
もう振り返る勇気はない…
どこまで続くかわからないけど奥へと行くしかない…追いつかれる前に
ただそんな気がした
私は背後から迫る何かから逃げるように奥へと向かう
いつしか小走りになっていた
背後の気配はどんどんと近づいてくる
その時…目の前に何かが見える
時計?
通路の奥に木製の大きな柱時計が置かれている
辺りは暗いのになぜかその時計の周りだけがボンヤリと明るくなっている
私は一気に走り時計のもとまで行く
気がつくと背後の気配は消えていた
時を刻む箱…きっとこのことだよね…
私は時計の下を探した
鍵のようなものを見つける
これ…かな?
私はその鍵のようなものを手に取ると
今きた道を一気に駆け戻る
そして最初に入った絵の置かれた部屋に駆け込む
地下室の暗さのせいか薄暗かったはずの部屋がやけに明るく感じた
私はスイッチの穴に地下室で手に入れた鍵のようなものを差し込む
サイズはぴったりだった
そしてそれを回す…
どこかで扉の開く音が聞こえた
私は部屋を出て本館の奥に向かう
薄暗い部屋にかすかに開いた扉から光が漏れていた
これでやっと出られるよ
私はホッと胸をなでおろし扉を押し開き中に入る
部屋?
扉の中に入るとそこは外ではなく部屋だった
部屋の中に目を閉じた白髪の女の子が立っていた
同時に体がまた動かなくなる
うふふ…うふふふふ…
ないの…探してるのにぜんぜんないの…
部屋にたたずむ女の子がそう言う
お姉ちゃんもいなくなっちゃったの…ここにいないの…
女の子はそうつぶやく
話しかけたくても声を出すことが出来ない
ずっと探してるのに…ないの…
ずっと…
ずっと、ずっと、ずっと…
ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと…
ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと
ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと…
女の子はそう繰り返す
うふふふ…でもいいの、かわりが見つかったから
お姉ちゃん安心してね
この人がかわりをくれるからもういいの
女の子はそう言って笑う
ねぇ…ちょうだい…ちょうだい
それが欲しいの…
女の子はそう言いながら私に近づいてくる
私は声が出せるようになった
な、何が欲しいの?
私は恐る恐る女の子に聞いた
女の子はもう私の目の前きていた…そして顔を近づけてくる
…何が欲しいの?
私はプレッシャーに耐えかねてもう一度そう聞いた
だからそう言ってるでしょ…ちょうだい…それが欲しいの…
女の子はそう言ってカッと閉じていたまぶたを開く
開かれたまぶたの中には瞳が無かった…
オマエノメダマヲ!
まぶしい光が私を包む…
私は恐る恐る目を開ける
目の前にフシギ団のマスクの人が立っている
どうやら外に出れたらしい
目も見えるので無事のようだ
私は胸をなでおろす
ホホホ!
無事に出でてこれたみたいねぇん
おめでと~
目の前にいるフシギ団の人が声をかけてくる
あたいはフシギ団准幹部のミーシアよぉん
とりあえずクリアーできた勇気をたたえてこれを渡すわねぇん
私はミーシアから「勇気のお守り」を受け取る
よかったらアンケートに答えてくれないかしらぁん
このお化け屋敷はあたいがプロデュースしたのよぉん
だから結果が気になってねぇ
ホホホ!
私はミーシアにうなずいて返事をする
ミーシアは「待合室」「本館」「絵のある部屋」「人形の部屋」「地下室」
どれが怖かったか聞いてきた
確かに地下室は怖かった
でも…それ以上に最後の部屋が怖かったので
私は首を横に振る
あらら…じゃあぜんぜん怖くなかったのねぇん
ミーシアはとても残念そうに肩を落とす
ミーシアが聞いてきたのはそれだけで
最後の部屋にはまったくふれない
そこで私は最後の部屋について聞いてみる事にした
ほぇ?最後の部屋なんて作ってないわよぉん
ミーシアはそう言って首をかしげる
お、女の子がいた部屋だよ…銀色の髪の…
私はミーシアにそう言う
ほぇ…?
ミーシアは不思議そうに私を覗き込む
え、えっと…お化け屋敷で
な、何があったか教えてもらってもいいかしらぁん…
私は中であった事をすべてミーシアに話した
正直なところ…やっぱりねぇんって思ったわぁ
実はこのお化け屋敷を作る時に…たまに変な気配を感じてたのよねぇ…
それにどうもこの屋敷にはいわくがあったみたいなのよねぇん
家に…いわく?
私がそう聞くとミーシアは何度もうなずく
その時…背筋がひんやりとし
どこかで誰かが私を見ている…そんな気がした
クリムが最初に怪談話みたいなのをしたでしょぉん?
あれ…この街に伝わる噂と実話を元にしたものなのよねぇん
この屋敷にはエミルの姉妹が住んでいたのねぇん
ところがある日…この家は崩壊してしまったのよぉん
事件か事故か他のことかまでは記録が無くて調べられなかったけどねぇん
その時に姉だけが助けられたけど
妹はそのまま閉じ込められたって話しなのよぉん
ミーシアは私にそう語る
え?…でもこの建物はどこも壊れてないよ…
私は建物をチラッと見てそう言う
実はこの建物…その跡地に後から建てられたのよぉん
ブル様がある計画でこの家を買ったんだけどぉ
異様に安かったんで後から調べてわかったのよぉん
パルルも非常口から逃げ出してしまう冒険者が多いって言ってたから
怪しいなぁとは思ってたのよねぇん
で…その女の子って「お姉ちゃん」て探したのよねぇん?
ミーシアがそう聞くので私はうなずいて答える
実はねぇん…助けられたお姉さんはその後無事に遠くで暮らしてたらしいわよぉ
妹を助けられなかったってずいぶん悔んでいたみたいだけどねぇん
これをその女の子に渡してみてくれないかしらぁん?
ミーシアはそう言うと背後に置かれた家具やらガラクタの中から
1枚の絵を取り出して私に手渡す
お姉さんを探しているなら…何か効果があるかもしれないし…
あたいはこのイベントをどうしても成功させたいのよぉん
私はただ苦笑いを浮かべる
ふと絵を見ると…そこにはどこか寂しそうな笑顔を浮かべた女性が描かれていた
その絵に描かれているのがお姉さんなんだけど
どこか寂しげだわねぇ
幸せには暮らしたけど…最後まで妹を助けられなかったことを後悔してたみたいだわぁん
それで…妹の方はなんて名前だったかしらぁ…
ミーシアはそう言って少し考え込む
そうそう!妹の名前は…エリス…エリス・リリィよぉん
それじゃあよろしくねぇん
ミーシアは勝手に話をまとめる
どうやら行くしかないようだ
とはいえ…やはり気になるので私は観念した
その時…ミーシアの背後のガラクタの中で何かが光る
うん?
ああ…この屋敷を改装するときに邪魔な物を全部出したのよぉん
ガラクタを覗き込んでた私にミーシアがそう言う
その時…また何かが光る
私は光った何かを取り出す…黒い玉だった
その黒い玉は吸い寄せられるような不思議な気配がする
そんなものあったかしらぁん
気になるならあげるわよぉん
私は黒い玉をもらい
そしてまた屋敷の中へと戻った
フフフ…お化け屋敷を一度突破したようだね…なかなかやるじゃないか
そうそう、中にいるパルルから聞いたんだが…
どうも何かの声が聞こえるらしい…なかなか面白い話だ
もしかして存在するのにどこにもない部屋の住人の声かもしれないな
何も知らないクリムはとても楽しそうに話す
そう…例えば…
今、君の後ろにいる人とか!
クリムは私の背後を見てそう言う
!!!
私は思わず振り返る
しかし何もいない
私は思わずクリムをにらみつける
フッ…そんな目をしないでくれ冗談だよ
クリムはニヤっと笑う
私はかなり肝を冷やした…すごく嫌な汗が背中をつたう
じゃあ楽しんできてくれよ
クリムはそう言って私を入り口に案内して扉を開く
私は本館へと入っていく
本館に入った私の足はなぜか人形の置かれた部屋へと向かう
???
人形の部屋に入った私は人形の置かれ方が変わっているのに気が付く
誰か動かしたのかな…
私は人形に近づく…
そしてもう1つさっきと違うことに気が付く
色々な部分が壊れかけている
あまりにも無造作に置かれているので置き直そうと人形に触れる
うふふ…うふふふふ…
そしてどこからかさっきの女の子の笑い声が聞こえてくる
その瞬間、体が硬直する…
そのお人形は私のお人形なの…お姉さんが買ってくれたの
私はとても大事にしていたわ
毎日、毎日…
毎日、毎日、毎日、毎日、毎日、毎日…
だって…いなくなったお姉さまの変わりだもの…うふふ
壁にたたきつけてみたり
煮てみたり…焼いてみたり…
その人形もきっと楽しい思い出でいっぱいのはずよ
でも壊れちゃったの…
今度は人形の変わりはあなたよ
大切に遊んであげるわよ
いっぱい…いっぱい…いっぱい…
アハハハハハハ
体が動くようになった
私は部屋を出て絵の置かれた部屋に向かった
絵の置かれた部屋に入り私はまずスイッチを操作する
しかしなんの反応も無かった
よく見るとスイッチの横に穴が開いている
穴の中で何かが光っている
恐る恐る穴の中に手を入れてみる
その穴は想像以上に深かった
その直後…私は手を入れた事を後悔した
何かが…
何かが…私の手を…つかんでいる!
私は慌てて手を引き抜く
あまりの怖さに声すら出ない…
私は恐る恐る中をもう一度のぞいて見る
やはり何かが光っている
!!!
よく見ると光っていたのは何かの目だった
その目はじっとこっちを見ている
アハハハハハ!
どこかで女の子の笑い声が聞こえる
ミツケタ!
ミツケタ!…それが…それが私の…
背筋に悪寒が走る
私はしばらく放心状態でその場に座り込む
その後深呼吸をして立ち上がる
???
部屋を出ようと思った時
古ぼけてて良く見えなかったはずの右側の絵が
普通の絵に変わっているのに気が付く
私は絵に近づいてみる
その絵はこの建物をバックに2人の少女が描かれていた
髪の長い少女と…髪の短い少女が並んでいる
髪の長い少女の方は
なんとなくあのの部屋の女の子に似ている気がする
2人の少女は笑っている…
いや…笑ってはいるが明らかに不自然な笑顔…
何が不自然なんだろう…
私はもっと良く絵をのぞきこむ
目が笑っていない…
確かに見た目は笑顔だが
2人とも心からの笑顔ではなく
作り笑いだった…
そして…背後に描かれた建物の窓にもう一人誰かがこちらを見ている
そしてそのもう一人の誰かは不気味に笑っている
誰が…いつ…どうしてこんな絵を描いたのか
そしてなぜさっきまでこの絵が見えなかったのか
私はそんな事を考えつつこの部屋を後にした
そして私は地下室へと続く階段を下りる
暗くて何も見えないが
確実に何かがいる…そんな気がした
私は深呼吸をすると奥にある時計を目指して一気に通路を走り抜ける
ニガサナイ…
ヨコセ…
オマエノ…オマエノ…
どこかでそんな声が聞こえる
私は耳を手でふさぎ走る
時計のとこまで来ると気配は消える
やはり時計の周りだけがボンヤリと光っている
さっきは気が付かなかったが
その光は時計の横の壁の小さな穴からもれていた
私はその穴をのぞき見る
薄暗い部屋が見える
部屋の真ん中にあの女の子がいる
ないの…
どこにもないの…
やはり何かを探しているようだ
うふふ…
少女は小さな声で笑う
そして突然こちらを振り向く
ミツケタ!
私は穴から目を離す
やはりあの部屋は存在したのだ…
私はまた行けるような気がして出口に向かう
本館の奥の部屋に入った時
私はある事に気が付いた…
パルルがいない…
ボロボロになった人形…
見えるようになった絵…
もしかしたら私はすでに
さっきとは違う世界に迷い込んでいるのかもしれない
そんな事をふと思った
出口へと続く扉を押し開き…中に入る
思ったとおり女の子のいる部屋に出た…また体が動かなくなる
うふふふ…
少女はうつむいたまま笑う
ないの…
さがしてるのにぜんぜんないの…
お姉ちゃんもいなくなったの
ここにはいないの…
少女はそうつぶやくように言いながら
私の方に近づいてくる
かすかにだが…声は出るようだ
君は…誰?
私は力を振り絞って女の子に聞く
しらない…
女の子はそう答える
君がさがしているのは…これ?
私はミーシアからもらった黒い玉を見せる
女の子は何も答えない
君はいったい誰?
私はもう一度女の子に聞く
どうしてあなたがそれを持っているの?
逆に女の子が聞いてくる
ひろったんだよ
私はそう答えた
君は…もしかしてここに住んでた姉妹?
妹の方の名前はエリス・リリィだそうだけど
この名前に覚えがある?
私は女の子に聞く
その名前には…記憶がある
私の名前は…エリス?
女の子はそこまで言うとまた黙る
私がもう一度、黒い玉を見せようとしたその時
出てって!
出ていってよ!
ココカラ…デテイケ!
女の子はそう叫び私に向かって両手を突き出す
女の子の両手が一瞬輝き…私は吹き飛ばされる
気が付いた時には扉の前に倒れていた
でも…確かな感触は感じた
彼女は助けを求めている
そして…今それが出来るのは…
私は黒い玉を握り締めて扉を開く
どうか彼女に会えるように…そう願って
扉を抜けると彼女の部屋だった
私はホッと胸をなでおろす
そして女の子にもう一度声をかける
あなたはここで何をしているの?
女の子はしばらく黙っている
私はこの部屋にいたの…
ある日、家が崩れて…
その時に目をなくしたの
暗くて…怖くて…
だからずっとさがしてるの
お姉ちゃんもいなくなって
怖くて…怖くて…怖くて…
女の子はそうつぶやくようにいう
あなたの言う「お姉ちゃん」ってこの人?
私はミーシアから預かった絵を見せる
その絵は光を放ち辺りを包み込む
それは…お姉ちゃん?
その光を感じ取ったのか女の子はそう聞いてくる
うん…あなたのお姉さんはね
この家が崩れた時に助け出されて
どこか遠くで幸せに暮らしてたみたいだよ
この絵はあなたにあげる
それと…これも返すね
私はそう言って女の子にお姉さんの描かれた絵と黒い玉を渡す
女の子は絵と黒い玉を抱きしめる
絵と黒い玉がまばゆい光を放ち女の子をやさしく包む
そして女の子がまぶたを開く
穏やかな瞳がこちらを見ている
ありがとう…私はずっとこれを探していました
そして…お姉ちゃんは無事だったんですね
よかった…お姉ちゃんもこの家のどこかで
助けを求めて苦しんでいるんだと思ってました
何年も何年も
気が付いたらこの上に新しい家が立ってて
いつしかお姉ちゃんと目を探すだけの存在になってたのかもしれないですね
さっき言ってましたよね?
「遠くで暮らしてた…」って
お姉ちゃんは幸せだったんですか?
女の子は私に聞いてくる
とても幸せだったみたいよ
でも悔やんでもいたみたい…
妹を助けられなかったって
最後まで言ってたらしいよ
それを聞いて女の子はにっこりと笑う
とても柔らかな笑顔だった
お姉ちゃんは今でも私の事を待っていてくれてるかしら…
女の子はそうつぶやく
うん、絶対に待ってくれてると思うよ
私は笑顔で答える
うふふ…
そうですね、お姉ちゃんはとても優しい人でしたから
女の子の体から光がこぼれだす
そうだ…
あなたにもらって欲しいものがあるの
楽しかった思い出を閉じ込めたこれを
さようなら…
ほんとうにありがとう
女の子の体が光り輝く
私はそのまぶしさに思わず目を閉じる
しばらくして目を開いた時、私は外にいた
あらぁ
なんか晴れ晴れとした顔をしてるわねぇん
女の子とは会えたのかしらぁん?
ミーシアは私に声をかけてくる
私は今まであった事を話す
やっぱりそうだったのねぇ
でも…なんだかちょっと悲しいお話しねぇん
あら?手に持ってるのは何かしらぁん?とてもきれいねぇ
ミーシアにいわれて私は自分の手を見る
虹色に輝くとてもきれいな髪飾りを握り締めていた
この輝きを見ているとあの女の子の笑顔が思い浮かぶ
あら…すごく楽しそうな顔をしてるわねぇん
何かあったのぉん?
私は首を横に振る
…まぁいいわぁん
そういうのって自分の心の中だけにしまっておく方がいいらしいわよぉん
ミーシアはそう私に言う
私はうなずいて返事をしにっこり微笑む
でも、本物の幽霊がいたなんていい宣伝になるわぁ
まだその子がいるかどうかはわからないけど
あたいはこのイベントを絶対成功させてみせるわぁん
ホホホホホホホ!
そして絶対に幹部になってやるんだから!
ミーシアはそう言ってこぶしを握り締める
あたいが幹部になれたあかつきには
あなたを特別待遇でフシギ団に迎えてあげるからねぇん
ミーシアはそう私にいう
私は苦笑いを浮かべる
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