差し伸べられた手


過去に戻れる事を期待する自分に。
手をまた繋ぎたかった。
過去と未来を行き来して、現実逃避する貴方に。
貴方は手を差し伸べてくれた。
一緒にまた同じ歩調で歩きだそう、と。
その手をとって、戻りたかった。
真実を求める事もなく、何もかもを信じたあの頃の自分に。
だけど私はもう過去に戻る事には疲れたんだ。
だから一旦立ち止まって、辺りを見回した。
今の私なら、階段を少しずつ昇れる事に気付いた。
今度は私が貴方に手を差し伸べることが出来るようになりたいから。

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