鍵の掛けられた子供部屋



何もかもが入っている部屋に
ガチャッと音を立てて閉じ込められた
見回すとどんなに高価な物でもそこで並んでいて
最初は見つめているだけで満足したんだ

その内見てるだけでは飽きてきて
手に取って弄ったり 使ってみたけど
そこの空気は一定で 時が止まったままだった
でも必要不可欠な物が無い事に気が付いたんだ

一面に装飾品で飾られたこの部屋を見て
虚ろ気に動かされている時計を 次々と壊していったんだ
何かが不足していて それを伝えようと
壊してみたけど君は気が付いたかなぁ?

「助けて」なんて 僕は叫んでみたけど
届かないのか 聴こえないのか 反応はない
「僕が欲しいものはこんな物じゃない」
「僕が欲しいのは・・・」 そこまでいって口を閉じた

きっと君には届いてないんだろうね
でも僕はこの気持ちをどうにかして伝え続けるよ
でも口には出さないよ 違う意味を持ってしまうから
君が僕の気持ちを理解するまで待ってるよ

例えそれが永遠であっても
僕は「本当に欲しい物」を口が裂けても言わないよ
何も言わずにドアの前で待ってるから
君もいつかはドアを開けて 僕をその大きな手で迎えてよ


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