理想論と現実
全ての事にはあてはまりませんが、少なくとも私の経験した、
先天性眼瞼下垂の病気を通して痛感したことを述べてみようと思います。
理想論：本来こうあるべきだと冷静に頭で考え述べる事
現実 ：外見で判断されてしまう事が非常に多く損をする→気持ちが小さくなる
子供のスカウト活動を通じてある保護者のお話しです。
娘と同年齢の子供を持つ母は、某大学で心理学のを教えているそうです。
お話しをすると、「こうあるべきだ！」ととてもよい発言をしてくださり
非常に参考になります…が、
【ココまでが、他人に伝える理想論】
実際その両親（父はデンリーダー）と子供（１人っ子）をみていると
過保護きわまりない。
合宿で保護者付き添いの際、１年生の子供と寒いだろうから…と同じベットで
母が暖めて一緒に寝ている。
「子供たちが寝たら、食堂で反省会等のミーティング」でしたが、
「我が子は心配でいかれない」 とのこと。
変わっているな～と思っていましたが、
放課後や休日、子供が（現在三年生）お友達を遊ぶと言えば同伴。引率係り。
必ず心配でついて回るのです。
【自分の一人息子が大事で気になって気になって…の現実論】
これも、少年期の心理を考えると適切なのでしょうかねぇ？
私には良くわかりませんが、
お子様を見る限り、大きな体をして「ママ・ママ」と母に依存している。
カブに上がると子供とリーダーだけでキャンプ等の合宿へ出かけますが、
心配で心配で、内緒の部屋割り情報を調べ同室のお兄さんの母へ事前連絡をし
「お願いね～」とのありさまです。
あなたね～心理学を学生に教える親かね～～～っていうのが、
周囲の保護者の印象です。
長すぎな話しでしたが、
私は、【眼瞼下垂】という病気の下にいままで３０年以上の人生において、
一日たりとも忘れた事がないし、自分に自信が無い日々でした。
私はこのＨＰを拠点に同じ病気を持つ大人の人と幾度もコミュニケーションを
とってきました。
皆、切実です。両親にですら話せないことを同病者同士で心から話せるのです。
話しながら涙を見せてしまう場合もあります。
共通点は、今までの人生で苦労が多かった事。
悪口を言われる事が多かった事。面接や就職によって差別を受けてしまう事。
仕事などに制限が出来てしまう事。
これが、私の言いたい現実です。
月謝を支払って学校や塾など受講する場合は、
【来る物拒まず】で事業主さんにお金を払えば制限なく入れていただけます。
しかし、仕事などで報酬をいただく場合は外見・見た目で除外されてしまう事が
なきにしもあらずです。
この現実が一番辛い…
オーバーに言えば、人生が変わってしまうかもしれないです。
面接官の気持ちもわかります。そりゃ～見た目がいいに越した事はないでしょう。
例えば採用の際、私と同じレベルの人がもう一人いて、
どちらか１人だけ採用の場合、書類選考や印象で落とされてしまいます。
私は女であるが、お化粧で楽しむことが出来ません。
お化粧品を購入に行き、カウンターでアドバイスを受ける事など
到底できっこありません。
何しろ、相手が困惑してしまいます。
これが私の言いたい現実なのです。
しかしながら、ココからが理想論。
この病気でなく書面・文面上でしかこの情報を知りえない人は、
「今まで思い通りにならなかったことを何故目のせいにするのか」
と言います。
生活する上でひととのかかわりの中で眼瞼下垂は支障をきたすであろうと
は、話しの中で何とか判っているようです。
あくまでも考え、想像の元ですから不自由の無かった人には、
この不当な差別・人の顔色が変わると言う事がわからないでしょう。
現実には眼瞼下垂の方がひとりひとりが
病気とのさまざまな付き合い方をしています。
●気にしすぎてしまう人。
●考えの持ち方で強く生きようと努力をしている人。
●努力はしているけれど心の中はつぶれそうな人。
『自分のこれまでの人生が思い通りにならなかったのは この目のせいだ』
という考えが強過ぎた人は手術後の生活で思い通りにならないことがあるたびに
『この前の手術が失敗だったのだ こんなはずではなかった』という思いになる。
という投稿を見た際には、愕然としました。
正直な所、偉そうに眼瞼下垂を語る人には、
是非一週間疑似体験をしていただきたい。
簡単に片眼に下垂状態を作って過ごしてみてください。（イヤな奴ですね私）
体の節々に支障が出てくること。
疲労・偏った疲れ等、苦痛が短時間ですがわかるでしょう。
これを堂々とやり遂げた方に、眼瞼下垂を語っていただきたい。
そして、この疑似体験での感想をきかせていただきたい。
堂々としていられるか、
気持ちが伏せてしまわないか、
人を話す時相手の目を見てお話しができるか、
写真を沢山撮ってみてほしい（写真映りでどれだけショックをうけるか）
その写真を貼って、仕事の面接に行っていただきたい（まず接客業は難しい）
少しでも良くなりたい！そんな望みをかけて手術をする人の気持ちを
理解していただきたい。
いろいろな病院で手術を繰り返す人もなかにはいらっしゃいます。
でも、そのような人を【瞼の問題で】はなくて
【心の中】の問題だと言うのはやめていただきたい。
これは、私の一存ではなく、同じ投稿を見た際、
成人の複数の方と話題になった内容です。
同じ病気を持って今まで頑張ってきた成人の人全ての批判を浴びている言葉です。
確かに同じ病気を持って、人それぞれ考えが異なります。
上記のようなそういう方もいらっしゃるかと思います。
しかし、これは自分自身・個々の問題であって、
心の問題にしないでほしいのです。
心がおかしいからこのようなことを起こすのではなく、
現在に至るまでに並大抵ではないの苦労をしてきているのです。
今尚、この病気の先天性の発症率は減る事が無いようです。
家族、身内によりこの病気を知る事になった方。
私に言わせると日が浅いのです。
私と同じくらいの年齢のお母様・お父様方等、
私とほぼ同じくらいの人生を歩んでおられます。
普通に歩まれてきた方、大勢いらっしゃいます。
貴方の過去の思い出分、私達はこの目での非難を浴びているのです。
お子様が他人に見つめられるのと同じ、大人になっても人の冷たい視線、
陰で何か言われている事があります。
…きっといっくら伝えても判らないでしょう。
健康である事のありがたみは不自由になったときに始めて判ります。
せめて、他人への配慮、言動、心配りが大事ですね。
ただ、今の私は
整容上の手術を昨年行う事により
【心のもち方】を少し変える事ができました。
最後に以前聞いた言葉で、
幸せは 瞼の上がり方で決まるのではない
自分のこころが決めることなのだということです。
とありました。
一言だけ、先天性の瞼の上がり方（左右の違い）においてうける
中傷・他人の視線にて、自分の心が傷つき閉ざされてしまうのです。
心は傷つきやすいのです。
最後に
このような否定的な考えばかりを記述してしまいましたが、
このような考えを踏まえて理解した上で、
今のこの年になって、私は自分自身の病気を受け入れる事ができ前向きになりました。
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