リハビリテーション


原則は早期発見・治療が重要である。新生児のうちに保存的療法を行えば、90%完治する。

1)保存的療法
新生児期:
「厚めのおむつ」
足を開排させる効果があり、自然整復を期待。新生児を含めた3ヶ月未満。
「Von Rosen法」
特定の金属板によって、患肢の開排位に保つため、新生児期にだけに使用する。
乳幼児期:
「Riemebugel」※脱臼に臼蓋形成不全を伴う場合は整復後も3~4ヶ月装着。
下腿を腰部に引き付けるようにした、バンド。
児が下肢を伸展しようとすると、その力が骨頭を求心位に向かう方向へ作用する力にするバンドで、自然に開排位が得られることになり、この効果で自然整復を期待する。生後2~6ヶ月の児に適用すれば、2~4週間装着。
「Overhead牽引」
股関節屈曲位での垂直方向の牽引より始めて、次第に外転を加えていき、整復を図る。生後7~8ヶ月以上経過したものやR.Bで治癒しなかったものに適用される。また、手術療法の適用することになった症例の手術前処置にも用いる。

2)観血的療法
1.観血的整復術:関節包の狭窄部を切り、内反した関節唇を起こし、肥厚した骨頭靭帯を切除して、寛骨臼内に骨頭を整復する。
2.減捻骨切り術(幼児期の手術):大腿骨頚部の前捻角が強い例には、転子下で減捻の骨切
り術を行い、骨頭が寛骨臼の方向を向くようにする。
3.骨盤骨切り術(幼児期の手術):Salter法(骨盤骨切り術)、Pemberton法、Ctiari法(骨盤骨切り術)があり、遺残性亜脱臼、臼蓋形成不全に対して骨頭の被覆をよくするため、臼蓋の上を骨切りする。

【リハビリテーション】
1)目的
 保存療法を行い股関節の開排制限を整復すること。整復がみられない場合は、観血的整復術行う。

2)目標
1.おむつの当て方の指導を行い、ROM-exを行い拘縮を予防する、筋力の維持および向上
2.再発の防止のために定期的な診察で経過観察

3)OT以外のアプローチ(OT=作業療法士)
1.整形外科
・超音波検査及びレントゲン診察などにより、臼蓋形成不全・亜脱臼及び完全脱臼の有無などを診断し、R.B.などの装具の処方を行う。
・定期的な診察により経過観察を行い、経過により処方及び家族への指導を行う。
・保存的療法で改善が診られない場合は、観血的療法で述べた手術を行う。
2.義肢装具士
児に適した装具の作成するため採寸し、装具を作成する。(図6~8)
3.理学療法士
・拘縮予防のためにROM-ex
・松葉杖歩行訓練(術後12~14週で完全な骨癒着が完成する頃に開始)

4)OTアプローチ
先天性股関節脱臼のリハビリテーションは、治療開始の時期、脱臼の程度、経過などにより、“治療”の保存的療法で述べた装具が選択されるが、1歳未満児ではR.B.を用いられることが大部分であり、児の90%が完治する為、今回は最も治療効果が高く、大部分が用いるR.B.を使用した生後3ヶ月・左先天性股関節脱臼の児に対してのOTアプローチを考える。
目的:正常発達に対して阻害因子となっている、保存的療法および観血的療法後へのアプローチ。保存的療法および観血的療法後の児の精神面のサポート。
目標:ADLに必要な空間保持・座位の耐久性・目と手の協調性・平衡機能・ボディイメージの獲得の促し。児のR.B.装着時の不快感へのサポート

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