トランプ氏と旧知→今は批判的報道 CNN社長に聞く
中井大助、仲村和代
2017年7月27日05時00分
朝日新聞のインタビューに応じたCNNのジェフ・ズッカー社長は、トランプ米大統領と旧知の仲だ。トランプ氏が「名経営者」というイメージを広めたテレビ番組に関わった経験が、大統領候補としての可能性に着目し、手厚く報じることにつながった。
トランプ氏のメディア攻撃「関心の裏返し」 CNN社長
ドナルド・トランプ米大統領
ズッカー氏はCNNに移る前、長年にわたって米NBCで番組制作などに携わった。エンターテインメント部門のトップだった時、トランプ氏が司会役を務める番組「アプレンティス(見習い)」にゴーサインを出した。トランプ氏が出す課題に応じて出演者が競い合い、一人ずつ脱落していくという番組は2004年に放送が始まり、「お前はクビだ」というトランプ氏の決めぜりふと合わせて大ヒット。経営する会社が倒産を重ねていたトランプ氏のイメージを上げる役割も果たした。
ズッカー氏は昨年の大統領選のCNNの報道を振り返り「トランプ氏の人気を理解し、他の報道機関と比べても早くから、本格的な候補者として扱った」と自負した。一緒に番組を作っていたことで「素晴らしいマーケティングの才能があり、観衆とつながることができ、メッセージを伝える方法を熟知していることが分かっていた」ことを理由の一つに挙げた。
大統領候補になった後も、米メディアの多くはトランプ氏が11月の本選で敗北すると予想していた。しかし、ズッカー氏は投開票の前日、部下に「トランプ氏が勝つのではないか」と話していたという。「何年も間近で見て、他の候補者と比べてPRやマーケティングを理解していることを知っていた」と説明する。
一方、大統領に就任したトランプ氏は自分に関するCNNの報道が批判的だと怒り、ツイッターで何度も名指ししている。「以前からつきあいがあった分、自分に有利な報道を期待していた部分もあるのではないか。でも、それは我々の仕事ではない」とズッカー氏は話す。
■事実語らない政権、指摘するのが役割
トランプ政権になって、米メディアへの関心は高まり、政権をめぐる特ダネも相次いでいる。ズッカー氏は「これほど事実と向き合わない政権は前代未聞だ」と語り、政権の姿勢が報道への期待につながっているとみる。
トランプ氏が大統領選に立候補した当初、CNNは演説で虚偽の発言が出てもそのまま放映していたが、途中からはテロップなどを使い、リアルタイムで間違いを指摘するようになった。ズッカー氏は「今から考えれば、集会をあれほど放送すべきではなかった」と語った一方、「そのことが原因で彼が大統領に当選したとは考えていない」と主張した。
トランプ氏が大統領に就任してからも、CNNの記者が政権幹部に「発言が事実と異なる」と追及するなど、厳しい報道が続く。ズッカー氏は「事実を捉えることを苦手としているホワイトハウスと政権という、未知の領域にいる。事実を語らない人がいれば、それを指摘することが私たちの役割だ。結果的によりアグレッシブな報道だと受け止められるかもしれないが、我々が生きている時代を反映しているだけだ」と語り、自社の報道が「反トランプ」と言われることには反論した。
米国ではメディア不信も広がり、トランプ氏の言動によって加速することも懸念される。しかし、ズッカー氏は「トランプ氏の攻撃を受けて、非常に多くの調査を実施したが、我々のブランド力がかつてないほど強いことがはっきりしている」と述べ、影響が限定的だとみる。「我々を信頼し、愛する人たちはより強くそのように思い、我々を以前から信頼しない人は今でもそうだ」という。
インターネットの普及でいくつものメディアが誕生する時代。「多くの人は自分が好み、納得するメディアを探し出すようになった。素晴らしいことだが、先入観がいっそう強まる傾向が生まれる点では悪い」。メディアの状況が米社会の分断にもつながっている可能性をあげる。
「ラジオやテレビ、インターネットで党派的な報道が増えたことが、この20年間における米国の政治状況の根本的な変化の一つだ」とズッカー氏。その変化を背景に誕生した政権をめぐる報道が、皮肉にも注目を集めている。「現在は本当に米国のジャーナリズムの黄金期だ。ただ、誕生した理由が不幸だ」
(中井大助、仲村和代)
ーーー 私の感想 ーーー
期待したが
まったく、たいした内容では無いな
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