Alice Boy's Pictures

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地の利、時の利

地の利、時の利
2007/3/16記述

今日は卒業式が多い日らしい。
通勤の途中でそれらしい装いの親子を何組か見かけた。
次男の去年を思い出して、「ご卒業おめでとうございます」と胸の中でいう。

つくづく、私達には地の利、時の利があったのだと思う。

障害のある子の保護者のブログを拝見して、本来入学すべき小学校、中学校に特殊学級(むかしの呼び方です)がなくて、他の学区の学校に通学する子ども達がかなりいることを知って驚いた。
私達の住まいする市には「しない!させない!越境通学!」というようなスローガンがあった。
そのスローガンとランドセルを背負ったかわいい児童の絵を大きく描いたポスターが各学校の正面玄関に貼ってあった。
越境通学が、どうして、そんなキャンペーンをしなくてはいけないほどの大問題なのかは、私は疎くてわからなかった。

次男が入学する前から特殊学級は存在していたし、2学年上の長男がすでにその小学校に通学していたので、特殊学級の様子は特別に注意深く観察することができた。

次男の入学を前に私は「次男を内容の充実した特殊学級に通学させたいので他の小学校に入学させたい。越境通学をさせたい。」というところから交渉が始まった。

越境通学をさせるわけにはいかない学校、充実した教育環境が得られないならば越境通学もやむなしと思う保護者。
交渉の始まる時点からこちらが有利だったのかもしれない。

私達には地の利、時の利があったのだと思う。

越境通学は送り迎えに要する時間が長い。
自宅の周辺に同級生は存在しない。
習字や公文教室へいってもそこでしか会うことがない子ども達に囲まれる。

同級生になったからといっても、次男はすぐに誰かと仲良くなれる子ではなかったので、地元の校区に通学しようと、遠い場所の校区に通学しようと、条件は同じであったかというとそうではない。
話しかけることは出来なくとも、記憶のどこかに蓄積された景色や同年代の子の顔や声が大切なのだと思った。
次男のことを他の子が見かける機会、頻度が大切なのだと思った。

本来通うべき校区以外に通学することは、援助がほしい、協力がほしい、時間がほしい子にどんなに負担であることか。

逆に、本来の校区外であっても是非に通わせたいと思う学校が見つかれば、それが一番よいのだろうけれど。

そうでなければ、自宅から近い本来通うべき校区の学校の特学の充実が大切なのだと思う。

頑張って、頑張ってきた子。
頑張らせて、頑張らせてきた親。
その上、なお、”自宅から一番近くの学校ではないところへ通学させよ”というのは行政の理不尽だ。



次男が進学した地元の中学にも特殊学級があった。
生徒数は2,3人だったと思われるが、次男にはちょうど良い環境だったと思う。
私は養護担任を信頼できた。

次男は、高校は養護学校の高等部に進学した。
第一志望校も第二志望校も電車通学をさせることにした。

第一志望校への通学経路には、複雑な乗り換えがなかった。
知的なレベルが高くはない次男には最高の条件であった。

第二志望校はスクールバスがあったが、私達は、電車通学にこだわった。
通学に必要な時間は1時間30分くらいか、あるいはもっとと思われたが、スクールバスには乗せないと押し通した。

次男は第一志望の養護学校高等部に入学させていただくことが出来た。
その決定を聞いて中学校の養護学級担任と大喜びした。
教育委員会がどういう考えでそういう決定をしてくださったのかわからないけれど、私達には地の利があったのだと思う。

次男のすぐ上の学年では次男が第一希望にした養護学校に入学した生徒がいなかったことも有利だったのかもしれない。
入学希望者がとても多い学校なので、出来るだけいろいろな中学校から入学させる方針をとっていたようだった。
時の利もあったのだと思う。

次男は、期待以上に充実した高校生活を送ることができた。
養護学校がこんなにも充実した環境ならば、中学校から入学させればよかったと思った。

次男がめぐまれた分をどこかでお返ししなくてはと、毎日、思っている。


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もう!オオウケです。




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