義母の言葉



途中、祖母にも報告に母が行きました。



伝えると、祖母は両手を顔で覆って泣き叫んだそうです。



病院へ着き、車をとめ、救急搬入口へ向かって歩いていると・・

ほんの数秒差で、姉の義理両親が先に入っていくところでした。

義理両親に続いて救急搬入口へ入ると、



既に泣きはらした目で姉が義理両親を見つけ、



『ごめんなさい、ごめんなさい!!赤ちゃんを死なせてしまって、

 ごめんなさい!!』



と。

私も母も、そんな姉の姿を見て、またいっきに涙がこぼれました。



しかし、ここで義理のお母さんが姉に笑顔でこんな言葉をかけたのです。



『さつきさん。あなたやなくて良かった。

 運命はね、誰にも変えられんの。

 運命はね、受けて立つしかないんよ。

 びっくりしたね、大変やったね。



 あなたやなくて、良かった』



と。



本来なら、いきなり孫が死んだとの連絡を受け、

『いったい何が起こったの?説明してちょうだい!』

と言われてもおかしくない場面かもしれません。



特に、義理両親にとっては初孫でした。



それを、いったいどんな経緯で亡くなったとも、

まだ何も説明を受けていない状況で、

開口一番そんな声を姉にかけてくれた義母に・・・



私も母も父も、涙がとまりませんでした。



それから2時間ほど。

待合室で過ごしました。

家で亡くなってるため、警察の方も来られ、

父が事情聴取を受けました。

姉は、話せる状況ではありませんでした。



姉と何度かトイレに行きました。

張ったお乳を搾って、捨てに行くためです。

姉は泣きながら絞っていました。



『飲ませたい・・赤ちゃんに飲ませたいのに、どうして・・』



と。

私も本当につらかった。



それから、赤ちゃんの遺体はいったん警察に行くとのことで、

私たちも一時帰宅し、刑事さんが家に来て、

現場検証することになりました。

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