特急列車



0000000000夕日列車0000000000

特急列車

特急列車に乗っていた
流れる外の景色は青空
やがて雨に変わり やみ
夕日のオレンジが差し込み
夜になる

気がつけば 降りたい駅は遥かうしろ
僕は次の駅を待つ
駅舎が見えてくるが 止まらずに通過
また次の駅を待つ
ずいぶん遠くまで来てしまった
列車はゆっくり停車する
見も知らぬ駅 見も知らぬ街
不安が体を躊躇させ
降り損なった僕を乗せたまま
列車はまた動き出す

何度の朝日を見ただろう
何度の夕日を見ただろう
雨は降り、そして止み

景色は早送りで過ぎていく
僕は特急列車に乗せられたまま
見失った僕の駅を探しているのだ



<NEXT>


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: