月の旅人

月の旅人

ガラタ塔からの絶景

絶景を求めてガラタ塔へ





夕食まではまだ時間があったため、私たちはそのあとホテルには帰らず残りのフリータイム時間を満喫することにした。クルーズで座っていたため体力が回復されたこともあり、「サバサンドを食べに行こう!( ̄0 ̄)ノおぉ~」ということになったのだ。幸いガラタ橋のすぐ傍である。
バスに乗り込んでいくみんなを見送っている私たちに、Mさん夫妻が声をかけてきた。私たちが名物のサバサンドを食べてそれからガラタ塔へ行こうと思っていると告げると、一緒に行こうということになった。それは楽しくていい! ということでさっそく出発する。ふと見ると、1人参加のおじさんも後ろからついてくる。ガラタ塔へ行くらしい。行く場所が同じなら一緒に行こうと、5人でガラタ塔を目指すことになった。残念ながら、添乗員のOさんはみなさんとともにバスに乗ってホテルへ帰っていった。


さて、私たちの横をバスがすり抜けて行って橋を渡り、私たちもそれを追うように橋に差し掛かった。そこでみきちゃんが言う。
「ガラタ橋って二重橋じゃなかった?」
「え、そうなん?」
まったく知らない私は首を傾げる。目の前にある端はどう見ても二重橋などではない。
イスタンブールで名物となっているサバサンドは金角湾にかかっている2つの橋の1つ『ガラタ橋』のたもとで売られていることは知っていたため、橋の下に行ってみて辺りを見渡す。が、何もない。1隻の船すら停まっていない。
「あれ~? サバサンドって昼間しか売ってへんのかなぁ」
首を捻りつつ、向こう岸にあるのかもしれない、とみんなでともかく橋を渡ってみることにした。ガラタ橋では釣り人が多いらしいが、夕方になっても釣りをしている人が何人もいた。Mの奥さんが釣り人から竿を借りて、その様子を写真に撮ってと言われ私がフィルムカメラのシャッターを押すことになった。……ちゃんと撮れていたかものっすごく心配。デジカメじゃないと画像の確認もできないし、そもそも撮るの苦手だし……。
そのあとも互いに何枚か写真を撮り合い、ガラタ塔を丘の上に見ながら橋を渡り切った。
……ない。
サバサンドの屋台どころか、やはり小型の船すら1隻も見あたらない。
「なんでないの~!?」
そこで、近くの人に訊いてみることにした。

ちょうどすぐ近くの車道沿いに、ドリンクなどが売られている屋台が出ていた。さっそく訊いてみる。といっても、片言の英語だけど。それでも一生懸命訊いて理解しようとしてくれたお店の人だったが、結局“サバサンド”は通じなかった。fish-sandwichでも通じず、これだけ通じないのはもしかして場所を間違ったのかと疑問が沸いた。が、誰もがちゃんとガラタ橋を渡ってきたと確信していたため、その疑問もすぐに却下となる。
お店の後ろの民家らしき建物の中には行っていたおじさんまで出てきてくれて、3人のおじさんが一生懸命私たちの話を聞いてくれたがやっぱりわからない。いつの間にかMのおじさんはWカップのトルコとの試合の話でわからないなりに盛り上がっていたが、時間もたっぷりあるわけじゃないからサバサンドは諦めてガラタ塔へ行こう、ということになり、ガラタ塔までの道順をなんとか訊いて、屋台のおじさんたちと記念撮影をしてから教えられた脇道に入った。

イスタンブールはこれまでと違って安全とはいえないとEさんが言っていたため、脇道に入るのはかなり不安だった。が、おじさん2人もいるし5人で行けば怖くない、と“赤信号、みんなで渡れば怖くない”のノリで教えられたとおりに進んでいく。
橋の上からははっきりと見えていたガラタ塔だったが橋を渡り切るとその姿は嘘のように建物の陰に隠れて見えなくなっていたため、教えられた道をちゃんと歩いているのかも不安に思いながら、照明や楽器のお店をやたら見かけた坂道を急ぎ足で必死になって登った。
そして危険な目に遭うどころかたまに笑顔で現地の人と挨拶を交し合いながら、道も間違わず無事『ガラタ塔』に到着。(; ̄o ̄)=Эホッ


最初に塔が建ったのは5~6世紀だといわれているが、現在の『ガラタ塔』は城塞の見張り塔として1338年に再建されたものだそうだ。オスマン・トルコ時代には監獄としても使われ、後には天文台としても利用されたとか。

安堵したのもつかの間、すぐに塔の中に入り、展望台を目指す。
最上階は旧市街を一望できるレストランになっていて、その一角にあるガラス戸を開けると、塔をぐるりと1周できる幅の狭いテラスがあった。
そそくさとみんなでガラス戸をくぐり外に出る。
ガラタ塔からの絶景と、ガラタ橋…( -_-)フッ「うわ~っ、きれ~ぇ♪(* ̄o ̄*)」
異口同音に全員が感嘆した。夜空にはまだなりきっていない青みを帯びた空の下、ライトアップされた旧市街の絶景が広がっていた。
この景色を見られただけでも『ガラタ塔』へ来た甲斐があったと誰もが思い、ぐるりと1周してはまた戻って世界遺産の風景に見惚れた。もちろんその風景をしっかりと写真に収め、レストランで食事を取っていた金髪のお兄さん2人の前に陣取って一緒に写真を撮り、日本人の若いカップルに出会って5人揃って……いや、彼氏のほうも一番後ろで満面笑顔で写っていたため6人の写真となり(笑)、なんとなく「サバサンド食べました?」と訊いてみた。
「食べましたよ、3回も」
あっさり言われ「え~っ3回も~っ!?Σ( ̄□ ̄*)」とかなり羨ましがる。しかもすごくおいしかったとコメントされ、さらにショックを受ける私たち。( ̄- ̄∥)が~ん
た……食べたかった……。
そこで、どこに売っていたのかを訊いてみるとやっぱりガラタ橋のたもとだと言う。そのとき、彼氏が指差した橋を見て驚愕した。
私たちの渡ってきた橋じゃないっ!!Σ( ̄□ ̄∥)
改めて確認してみても、「ガラタ橋はあっち」と最初と同じ橋を指差す彼。
私たちの渡った橋は『ガラタ橋』ではなく『アタチュルク橋』だったのだ……。
上から眺めても、見るからに橋の豪華さが違う。
一番自信を持って歩いていた私だけに、やってしもた……、と衝撃の事実に消沈した。
でも間違わずにちゃんとガラタ橋を渡っていたらサバサンドを食べていた代わりに、ガラタ塔へ登ってくる時間はなかったかもしれない、と無理やり心に言い聞かせて納得する。
サバサンドはまたいつか………………って、いつ!?

衝撃が覚めやらぬ中、塔の中でお土産を少し見てから少しあせりつつ坂道をひたすら下る。時間と競争といった感じである。来た道とは違ったが、観光客らしき人の姿も見える通りを選んで下った。
車道に突き当たり、タクシーを探す。運良くすぐにタクシーがやってきたが、5人で乗れるかとMのおじさんが訊くと拒否され、後から来た人が乗って行ってしまう。
「集合時間までにホテル帰れるんかなぁ( ̄- ̄;)(; ̄- ̄)オロオロ」
心配が増してきた頃、またタクシーが停まってくれた。これに乗れなかったら間に合わないかも……、とドキドキしながら見守っていると5人乗りのOKが出た。ありがたや~!
ってなわけでさっそく乗り込む。女3人と痩せ型のMのおじさんが後ろに乗り、ガッチリ大柄な一人旅おじさんは1人で前に乗車した。
行き先を伝えたが、リッツ・カールトン・ホテルはまだオープンしたばかりで運転手さんは知らなかった。そこで、昨夜「町のハマムに行ってくる」とホテルを抜け出し結局ハマム体験が叶わぬまま戻ってきたみきちゃんが、「ヒルトンまで行けばすぐ」と言ったため、ヒルトン・ホテルへ向かって走ってもらうことになった。
道中「メーター見とかなっ」「メーターおかしないか?」「メーターあってる?」とメーターを連呼して運転手さんを疑ってかかりそんな自分たちがおかしくて笑ったりしていた失礼なお客だったが、みきちゃんがラフなチェックのシャツを着た白髪交じりの口ひげの運転手さんは肩をもんであげていたおかげか、ヒルトン前に到着すると運転手さんが“代金はいらない”とサービスしてくれた。
が、Mのおじさんは何か勘違いしたようで財布から3ドルを取り出すと「これでええやろ」と運転手さんの手に掴ませた。「サービスしてくれはるみたいですよ」と言った私たちの声も聞いていなかったようで、あとで落ち着いてから「そうやったんか……」と勘違いに気づいていた。

前の席にみきちゃんと2人で乗り込んで親切な運転手さんと記念に写真を撮ってもらい、「そこ! 何してるんだ?」と言わんばかりに後ろからパトカーにクラクションを鳴らされ、あせってタクシーを降り運転手さんにお礼を言って歩き出す。ところがここで、みきちゃんがヒルトンとハイアット・リージェンシーを間違っていたことが判明。ピンチである。
あわててヒルトンへ行き、ベルボーイの恰幅のいいおじさんに道を訊ねた。他のホテルの場所を訊ねたにもかかわらず、ベルボーイおじさんはとっても親切に地図まで書いて教えてくれた。かなり上まで登ってきていたようで、ハイアット・リージェンシー・ホテルまで下ってそれを左折し、さらに進まなければならなかった。
私たち5人はほとんど無言になりながら大急ぎでリッツ・カールトンを目指す。足も限界がきていたが歩調を落としたり休憩などもっての他、とにかくリッツを目指すだけである。かなり時間が迫っていた。
それでもなんとか、ギリギリ一歩手前でリッツに到着。(; ̄▽ ̄)=3ふぅ
料理

集合時間を過ぎ、バスに乗って夕食へ出かけた。『CITADEL』というトルコ料理のレストランである。草花に囲まれライトアップされた可愛らしいレストランでまたMさん夫妻と一緒のテーブルに座っておしゃべりしながらなかなかに美味な食事をし、帰りにライトアップされた美しいブルーモスクで写真ストップしてからホテルへと戻った。

ブルーモスクのライトアップホテルに入ると、昨夜バッテリー切れで撮れなかった優雅な階段でOさんと共に写真を撮り、Oさんが明日のお天気をインターネットで調べるというので一緒にフロントの奥の個室に入ってパソコンをさわった。当然ながら日本語表記ではないためOさん以外は誰もわからない……。
でもOさんと一緒じゃなければこんな所へは入れなかっただろうし、それだけでなんだか得した気分になって嬉しかった。
ちなみに、この旅行中の快晴は地中海側から押し上げられてきた高気圧が停滞していたことが判明し、おかげで逃げ場を失った低気圧がずっとヨーロッパに留まり雨を降らせていたらしい。いやぁ、そんなこともあるんだねぇ。

それからMの奥さんとプールで待ち合わせをし、私は再び2人の専属カメラマンとなってリッツの豪華なプールを貸切状態で堪能した。単に、もう終業時間10分前だったから貸切状態だっただけなんだけど。(笑)
プール大理石の上品なハマムものぞき、サウナもちらっと入り、超特急だったものの十分楽しんで、与えられた更衣室のロッカーにあったスリッパをもらって部屋に戻った。

が、今度はOさんと1階のエレベーター前で待ち合わせる。22時をとっくに過ぎていたが、そろそろ寝ようとはまったく思ってなかった私たち。
5つ星ホテルなどそう泊まれるものじゃないから思う存分堪能しよう、と思っていた。要するにまだ堪能し切れていないのだ。f^_^;)
Oさんと合流して5つ星のプレートの前で写真を撮り、それからOさんの部屋へ。高級ホテルでは常識なのか、泊まっている階のルームキーがないとその階にはエレベーターが止まれない仕組みになっているため、Oさんにエレベーターのカード読み取り部分にキーを挿してもらった。

シングルの部屋はないのか、Oさんの部屋もツインでそれはそれは豪華な部屋だった。ベッドの向きが左右対称で、ベッドカバーとバスルームの色が違うくらいである。誰かからもらった赤ワインを一緒に飲み、互いにまたおもしろ写真を撮って爆笑する。……いや、ほとんど私が爆笑されていたかも。( ̄▽ ̄;)はは…
2時間以上も笑いあっておしゃべりをして退出し、私たちの階より豪華なエレベーター前のフロアで写真を撮ってようやくおとなしく部屋に戻り、またセレブな気分でシャワーを浴びてふっかふっかの枕を2つ重ね高いけど寝心地のいいベッドで眠った。



●目次へ ●次へ

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: