小村和也の建築家日記

小村和也の建築家日記

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

コムース

コムース

Calendar

Favorite Blog

四十路の旅路 さとう4632さん
島根の応援団長(継… よっしい@修行中さん
【井上淳の気分はカ… としろう15さん
フード・コミュニケ… 小馬0212さん
創業日記 ハッピーCさん
醸造家日記 石ばっちゃんさん
■みど■日記 ■みど■さん
La Neige diary i-yukkiさん
ローズマリーとラベ… ローズマリーとラベンダーさん
ayazアワー☆友達の輪 ayaz24さん

Comments

sakuranNY @ Re:建築家日記(912) 癒しの音楽と読書(08/01) 読書は苦手でしたが、併読を薦められてか…
コムース @ Re:運動いいですね(07/20) kitikiti48さん ----- 今の私は一日中歩…

Archives

2024/11
2024/10
2024/09
2004/01/12
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
このときはじめて分かったが、人間って指示されないとほんとに路
頭に迷ってしまう。
仕事ができる!(自分で言うのはおかしいが)とか言われて結構思
い上がっていたように思う。
結局は与えられた仕事をこなしているわけだからできてあたりまえだ。

父から「全てお前に任せる!好きなようにしろ!」と言われて、
広い荒野にぽつんと佇む自分がいた。

さてどっちの方向に行こうか?

今までのことが走馬灯のようによみがえってきて涙が止まらなかった。


周りを見ると社員が私をじっと観察しているのが分かった。

まさしく社長の息子がそこにいた。

子を持つ親になってみて、そのとき父がいかに祈るような気持ちで
いたことかが分かる。
当時の友人たちに私の思いを話してもわがままや贅沢としか聞いて
くれなかった。
いや実際逆の立場になれば私もそう思うと思う。

いつだったのだろう。「よし、こうなったらとことんやるぞ!」と
覚悟を決めたのは。

私は作業服と安全靴を履いて現場に出た。積極的に話し掛けた。
あきらかにぼんぼん扱いしていることが分かった。



私を見ている私が、「やっぱりぼんぼんだよな」と納得できた。
そう思ってもしょうがないことだと分かった。
だからいじけなかった。だから遠慮しないで相手にも関われた。

その内、同い年くらいの社員(大工)と友達になった。
京都を始めいろいろなところへ建築をめぐる旅をした。

その後彼は、2級建築士、1級建築士の試験を全て1回で合格した。
                    (すごいヤツだった)

5年前、会社が倒産したとき、彼は社員として迷惑をこうむった立
場、私は最後の代表取締役。労使の関係だった。
彼は別れるとき、「創業者の精神と今までやってきたことは間違っ
ていない。会社は無くなったけど、私はこれからもその精神を守り
生きていく」
今彼は自分の会社を興し、その通り実践している。

私が建築家として再起したとき、誰よりも喜んでくれたのは彼だった。

                           続く

http://www.mable.ne.jp/~art-craft





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2004/01/12 01:03:36 PM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: