中国茶・台湾茶と旅行 あるきちのお茶・旅行日記(旧館)

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2010.01.16
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カテゴリ: 中国茶入門編
今年も明けた!と思ったら、あっという間に半月が過ぎてました。
1月は行く、2月は逃げる、3月は去ると言いますが、月日の速さを実感している、あるきちです。


さて、新年といえば、なにがしかの抱負を持つことが多いものです。

そこを狙ってなのか、年始から某通信教育のテレビコマーシャルが大量に流れてました。
マーケティング的には、かなり上手いなぁと思います。
#一番上手いと思うのは、海外からの帰国便の搭乗券に印刷されてる語学教室の広告ですね。あれは反則(^^;)

でも、正月休みが明けて日々の日常に戻ってみると、あれやこれやで忙しく

ああ、すっかり時間が流れてしまった...orz

となるのが人の常。
新年から何かやろうと思ったら、年内のうちに決めとかないと、なかなか動けないんですよねぇ。。。



しかしッ!







旧正月から始める



という”口実”が十分成り立つのです(笑)

幸いなことに、今年の旧正月は2月14日。まだ1ヶ月近い時間があります。

・・・というわけで、多少強引な前振りですが、今回は中国茶の資格について少し考えてみたいと思います。
#「去年の年末にネタを出し損ねたな」とか考えないでください(←図星)


実はこの記事、前から書きたかったのです。

ちょっと調べてみた方は分かると思うのですが、いろんな団体が資格を発行していて、訳が分からない状態なんですね。
せっかく勉強しようと思ってるのに、その入り口の段階がよく分からない。

そういう分かりにくさが、中国茶を純粋に知りたい人を弾き飛ばしている

と常々感じていました。


また、色々見ていると、中には「なにやら怪しげ・・・」「これ、実態があるのか?」と思うものもあります。
当ブログの読者の方が、そんなところに間違って関わってしまっては困りますし、申し訳ない。


そんなわけで、私の”ヒトバシラー魂”に火がついたわけですw

・・・あ、反省も含め、エコひいきなしで容赦なく斬りますから( ̄ー ̄)



#例のごとく、長いですが。。。


<資格の種類>

さて、まずは中国茶の資格の種類を整理してみましょう。
中国茶の資格は、数多くありますが、整理すると以下の3タイプになります。

1.中華人民共和国の国家資格(茶芸師、評茶員、茶葉加工工)

2.日本国内の民間資格(○○インストラクター、○○アドバイザー 等)

3.台湾の民間資格(陸羽茶芸のライセンス 等)


それぞれ解説していきます。


<中国の国家資格>

はじめに、中国の国家資格についてです。
日本のものではないといえ、”国家資格”という響きがいいですね(^^)



茶芸師 → 茶館の従業員としての能力を認定する
評茶員 → 茶葉の流通に必要な鑑定能力を認定する
茶葉加工工 → 製茶に必要な技術を認定する


3つとも中華人民共和国政府の労働和社会保障部(日本でいえば、厚生労働省)が認定しているもので、それぞれ国家資格一級から五級までの水準が定められています。
一覧にすると、下記の通りとなります。

<国家資格五級> 初級茶芸師   初級評茶員  初級茶葉加工工
<国家資格四級> 中級茶芸師   中級評茶員  中級茶葉加工工
<国家資格三級> 高級茶芸師   高級評茶員  高級茶葉加工工
<国家資格二級> 茶芸技師    評茶師    茶葉加工技師
<国家資格一級> 高級茶芸技師  高級評茶師  高級茶葉加工技師

これらの資格の位置づけは、働く人のための”労働資格”であり、労働者にとって、自分がどのくらいの技量があるのかを国家が認定するものです。


中国国内では、この労働資格を保有している人を雇用するよう義務づけているケースがあります。

たとえば、


貿易会社や茶葉の工場では、評茶員の資格を持った人を置かなければならない


などの決まりがあります。

ですので、現地の人たちは、茶館の職を得るためやマネージャーに昇進するために、という実務的な目的で資格を取っています。

日本で言えば、”ガソリンスタンドに必要な危険物取扱者”のような位置づけの資格だと思うと分かりやすいかもしれません。
・・・うーん、ステイタス感はないですね(^^;)

もちろん、適用範囲は中国国内限定。
なので、日本では、ちょっと自慢するぐらいしか役に立ちません(苦笑)

高級証書

<中国の国家資格を取る意味>

さあ、ここまで書いてくると、

「そんな資格を日本人が取る意味ってあるの??」

と感じるのではないかと思います。

・・・ええ、私も大いに疑問だと思いますね(^^;)


ただの資格コレクターや箔をつけたい程度の方であれば、取得する意味はあんまり無いと思います。現地に行くとなると、参加費用も高いですし、1週間ぐらい丸々拘束されます。
そこまでして取る価値のある資格だとは思いません。
何しろ、日本では何の意味もない資格ですので。


しかし、本当に中国茶の詳しい知識や技術を得ようと考えている人にとっては、

これほど格好の手段は無い

と言い切ってしまいましょう。


これらの国家資格を取るためには、事前に養成講座を受講する必要があるのですが、この講座の内容がとても良いのです。

なにしろ、現地のプロが知らなければいけないことをコンパクトに体系立てて解説してくれる講座です。はっきり言って、国内で得られる中国茶の知識とは水準が全然違います。
「○○らしい」「○○と言われている」「○○という説もある」という頼りない表現ではなく、データに基づいて「こうだ」と教えてくれます。

しかも、講師は現地でプロ相手に教えている大学教授や研究者だったりします。
そういう方々に、ダイレクトに教えてもらえる機会というのは、そうそうあるものではありません。


実際のところ、私は、”資格取得は現地の先生の教えを請うための口実”だと思っています。
資格は”目的”ではなく、こっちの意気込みを見せるための”手段”だと。


現地の知識や技術を直接学びたい、と考えている人ならば、この資格のシステムに乗っかるのはアリだと思います。
おそらく、そういう気持ちで現地に乗り込めば、先生方も快く色々な事を教えてくださると思いますし、「行ってよかった!」になると思います。


長くなったので、続く。

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次回は、国家資格の取り方から始めます。





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Last updated  2010.01.16 23:57:24
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