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さて、中国茶の本には必ず出てくる六大分類について、あるきち流にざっくりと解説してみます。
こんなにアカデミックではない説明をする人は、そうはいないと思います(^^;)
中国茶入門書の最初の方には、お約束であるかのように、
「中国茶は製法によって6つの種類に分けられます」
と書いてあります。
そして、聞き慣れない「萎凋」「殺青」「揉捻」というような専門用語がズラズラ並んでいます。
これ、なんだか難しそうですよね。
・・・白状しますと、私も最初、ここで意識が遠のきました(笑)
が、実は言っていることは、とっても単純なんです。
「日本で造られているお酒には、清酒、焼酎、ビール、ワイン、ウイスキー、ブランデーがあります」
と説明しているのと一緒で
「中国でつくられているお茶には、緑茶、青茶、紅茶、白茶、黄茶、黒茶があります」
と言っているだけのことです。
どれも「茶」という名前がついているので、大して違いはないだろうと思われるかもしれません。
あるいは、「わあ、青とか白とか、黄色とか黒もあるんだ」という方に意識を取られるかもしれません。
が、これらは上記のお酒の分類ほどに違うものだと考えて下さい。
同じお茶なんだけど、まったく別物の味と香り
というのがポイントです。
それだけをシンプルに伝えればいいのに、「製法がどうのこうの・・・」ということを最初に言っちゃうから、ややこしく感じるんですね。
さて、その六大分類ですが、各茶種ごとのイメージを、誤解を恐れずに書くとこんな感じでしょうか。
緑茶 ・・・ お茶の葉の成分を シンプルかつストレート に味わうお茶
白茶 ・・・ 甘み・旨みを 柔らかく 味わうお茶
黄茶 ・・・ 刺激の少ない 旨さを味わうお茶
青茶 ・・・ 華やかな香りと味のバランス を味わうお茶
紅茶 ・・・ 濃厚・芳醇な香り と味を味わうお茶
黒茶 ・・・ 熟成によるお茶のコク を味わうお茶
それぞれ、太字がポイントです。
お茶は、いわゆる「チャノキ」と呼ばれるカメリア・シネンシスという植物の仲間から作られています。
原理的には、緑茶も紅茶も烏龍茶も、同じお茶の葉から作ることができるのです。
ただ、作り方が違うと、全然別物になるんです。
お米を原料としたお酒に、清酒と米焼酎がありますが、全然別物ですよね。
それと一緒で、原料は同じでも作り方が違えば、味と香り・成分が全然違うものになるのです。
「なるほど、焼酎には甲類と乙類があって、乙類には芋焼酎、麦焼酎、米焼酎・・・のように色々な種類があるのか」
「清酒は産地や蔵によって、味わいが違うなあ。米の品種でも違うね」
と、それぞれのジャンルの中で、味や香りが違う理由がハッキリ見えてくるわけです。何となく目についた物を買ってみて、
「ああ美味しい」「これは好きじゃない」
とやっていくのもいいのですが、
「どうも自分が好きなのは、ビールはアサヒで、焼酎は麦だな」
と分かった方が、次からお買い物しやすいですよね。
お茶のタイプがハッキリすれば、美味しく飲むための飲み方(淹れ方)もある程度分かります。
先に挙げたようなお茶のイメージを念頭に置いて、それに合った淹れ方をすれば良いのです。
そうなれば、使う道具(器・茶器)も、自ずと決まってきます。
イメージにあった淹れ方ができる器を用意すればよいのです。
何と言っても、六大分類のメリットは、千種類以上もあるという中国茶の淹れ方を1つ1つ暗記する、なんてことをしなくていいんです。
基本的には、6つのパターンを覚えればOKなんです。あとは微調整だけです。
このように考えると、「六大分類って、ステキ♪」と思えるのではないでしょうか。
余談ですが、もし、日本のお酒がきちんと分類されていなかったとしたら、どうでしょう。
ビールをお銚子に入れて、熱燗にして飲むなんて変なことをする人が出てくるかもしれませんw
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