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エイジアのジョン・ウェットンとジェフ・ダウンズによるアイコンプロジェクトの2作目。
二人の音楽センスがうまく噛み合って、往年のエイジアを思わせるシンフォニックで、
メロディアスで叙情的なロック・チューンを構築してくれました。
アイコンの来日公演に合わせて10月25日にリリースされた本作の主題は、
ルビコン川に纏わるシーザーの古代物語に由来しています。
2度と元に戻ることは許されない二人の決意を感じさせます。
ウェットンのソロにダウンズが手を貸したような前作「アイコン」とは違って、
本作はダウンズの音楽的センスが前面に出たことによってエイジアの再来を感じさせる
サウンドで貫かれています。
<収録曲>
1. ザ・ダイ・イズ・キャスト
まさにこのアルバムのテーマソング。
アルバムの最後に配置されたルビコンと対称を成す歌詞の内容。
二人が大好きなアバの楽曲「Winner Takes It All」が歌詞中に登場。
歌メロはウェットンだが、イントロとアレンジは明らかにダウンズ。
2. フィンガー・オン・ザ・トリガー
エイジアの3作目「アストラ」収録の「Count Down To Zero」に出てくるテーマ。
曲の全体を支配するダウンズのアレンジが往年のエイジアの楽曲を彷彿とさせる。
携帯電話のボタンを押すのは最後通告を告げるために銃の引き金に手を掛ける女性?
3. リフレクションズ(オヴ・マイ・ライフ)
この曲もどちらかというとダウンズの趣味に近いけど、
人生の黄昏を迎えて天国に行くか地獄へ落ちるかの自身への問いかけがテーマ。
キリスト教の贖罪、そして性善説へと帰結する歌詞が印象的。
これは多分にウェットン先生の人生回顧風(?)ど演歌でしょう。
4. トゥ・キャッチ・ア・シーフ
オランダのゴシックロックバンド、GATHERINGの女性ヴォーカリスト、
アネック・ファン・ガースバーゲンがウェットンとデュエットしている壮大なバラード。
別れた男女が劇的によりを戻す内容がテーマとなっているが、これもルビコンか?
テーマの割には歌詞とアレンジが大仰なのがエイジア風と言えばそれまでの話。
でもこんなバラードも書ける二人の作風には感銘を受けました。
5. ティアーズ・オヴ・ジョイ
UK時代のウェットンの朋友、エディ・ジョブソンが作曲者としてクレジット。
ジョブソンは使用許可を求めるウェットンに「元々君の曲じゃない?」と言ったとか。
本曲には15歳の天才ヴァイオリニスト、ケティ・ヤコビーが参加。
アメリカの「スクール・オブ・ロック」でウェットンが共演して知り合いになったそう。
どんな小さな絵でもそれぞれ違う物語を持っているという出だしの歌詞が、
反戦歌にも通じる普遍のヒューマニズムを感じさせてくれる。
6. シャノン
ズンチャッチャー、ズンチャッチャーとワルツのリズムが印象的なナンバー。
必ず女性の名前が使われた曲を入れるのはウェットンの趣味だと思うけど、
ずいぶんと未練がましいラブソングになってしまっているのは相変わらず。(笑)
7. ザ・ハンギング・トゥリー
元々のピアノ伴奏はウェットンだがメロディはダウンズ。
歌詞の最初の2行はダウンズが書き、後はすべてウェットンとのこと。
ウェットンによれば、もう2度と訪れたくない場所について書いた曲らしい。
8. ザ・グローリー・オヴ・ウィニング
ウェットンとリチャード・パーマージェームスのコンピレーションアルバム
「モンキー・ビジネス」に収録されていた曲の再演。
タイトルの「勝利の栄光」とは無関係な歌詞に見えますが、意味不明。
9. ワールプール
メロディはダウンズ、歌詞はウェットン風。
やはりこの曲もシャノンと同じで○ックスがテーマになっているのか?
10. ルビコン
過去に別れを告げて、新しい道を歩き出した二人の決意を強く感じさせる曲。
裏ジャケに書かれたウェットンのモットー「Just do it!」に通じる内容。
自分たちをジュリアス・シーザーに見立てているのはいいけれど、
ちょっと大げさすぎませんかと言いたくなるようなお話。(笑)
11. ザ・ハーバー・ウォール(ボーナス・トラック)
ボーナストラックは前作「ICON」に収録されていた「Sleep Angel」の歌詞違い曲。
パーマージェイムスが書いた歌詞はウェットン・ダウンズほど大仰ではないが、
ルビコンというテーマに符合しているという点で評価できる。
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