ロボザムライ( 飛鳥京香・ 山田企画事務所)

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ロボサムライ駆ける第五章 機械城(7)


作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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第五章 機械城(7)
 主水は乱戦にて、一人切り放されていた。
「主水、この攻撃が受けられるか」
 機械城城壁が前に動いた。
「何と」

城壁の一部が地上少しばかり浮き上がり、動き始めた。地下には
キャタピラが数基、装着されている。
 「主水、機械城がただの前衛基地と思うたか。この機械城は、動く
地上要塞よ」
 「ロセンデール郷め、敵ながらさすが」
 「主水、そこを動くな」
 主水の左右前後から、接合から切り離された城壁の一部が迫って
きた。圧し潰すつもりだ。
 「生水、我が城の人柱となれ」
 機植栽城壁の一つ一つの石垣が、ばらばらにあり、浮き上がる。
そして花のように舞う、空に舞う石垣の上に、何人かのロボ忍が乗
っている。
(ア)れは面容な」
「『石垣の舞い・天城陣』をお目にかける、土木殿、拙者、花村一
去じゃ」ロボ忍の頭が言った。
「我らが護衛しておる機械城。ちよっとゃ、そっとのことでは、破
られぬぞ、主水」
「主水、我らが天城陣敗れるか」
 ロボ忍たちの城府が、上水の頭上に自在に回っている。

上に向かい、叫ぶ生水であった。
が緩々と追って来方主水のそばに、四方の城壁


「花村殿、破って見せようぞ」
「まずは、城壁で圧しつぷしてくれるわ」
 両手で壁を支える生水。が、瞬間、生水は双剣を足元に立てた。
両足でその双剣を挟‘み込む。竹馬の要領で乗る。目に止まらぬ早さ
で回転し始める。地埃が起こる。
 数秒後、主水の姿は消えていた。
っくっ、主水め。地に潜りよった」
フ凡えい、捜せ」
 城石から地上に降り立つ忍者たち。掘り返された地上には埃まみ
れである。
「ぐわっ」
バタバタと倒れるロボ忍たち。地中から急に飛び出した
生水の刀が、ロボ忍をすべて切り離していた。
二見たか、地づりの剣」
 地中から土埃とともに、双剣を持ち、生水が現れていた。
「皆様のお命頂戴致す」
 地に倒れるロボ忍たちは。瞬時に切り刻まれている。生水は片手
拝みする。花村だけが浮遊する減石に残っていた。
フ県怯なり、主水。我が手下の敵」
 減石が主水の方へ飛び降りて来る。瞬時、主水は跳躍していた。
 上空で態勢を変える。剣先を下にして、花村の天頂目かけて落下
する。
「ぎゃっ」
 花村の体を、頭の笑中から胴体まで、主水の剣が貴いていた。倒
れている花村の側に、主水が近寄る。
「花村殿、徳川公の行方を教えてくださらぬか」
「ふふう、甘いのう、主水。俺が教えると思うのか」
 傷ついた花村は、側にいる主水の足をがっちり掴み込んだ。
「どうじゃ、私の電子心臓はやがて爆発しよう。貴様も道連れじゃ」
 主水は、自らの剣を、花村の死体から引き抜こうとしたが、外れ

ぬ。小刀も失っていた。花村を両手で叩くが動かぬ。
 最後の手段だった。主水は自らの右手で、しがみつかれている両
足を叩き折った。
 っくわっ」自らの足をそのまま残し、体を回転し逃れる。
 直後、花村の休は爆発する。傷だらけの主水が転がった後には、
花村の残滓が空から散らばり降りて来る。しばらくの間、嘉くもの
はなかった。
 二つの影が、生水の体を抱いた。
 「山本どの、すまぬ。知恵もすまぬ」
    ◆
 「反乱ロボットども、すべて機械城に入りましてございます」
 秘書官クルトフが、地下トンネル内の秘密基地にいるロセンデー’
ルに告げていた。
 「ははん、、思いどおりですね、クルトフ」
 「殿下の思いどおりになりましたね。それで水野や斎藤など、日本
人の側の人々も」
 「むろん、機械城天守閣に入っております」
 「ンュタイフ、あなたはわたしに感謝しなくてはいけませんよ」
 「と、あっしやいますと、殿下」
 大男のシュタイフは不思議な顔をしていた。

「そうでしょう。機械城の守備をあなた方、聖騎士団に任せていたら、。
皆一緒に滅ばさなければなりませんでしたよ。化野も、落合レイモ
ンのお陰で侵入することができた今、彼らなど私に必要ないのです」
 はっと気付くシュタイフ。
「恐ろしいお方だ、殿下は」
 「ねえ、シュタイフ君、不用物は早々と捨てるべきでしよう。ロ
ボ忍の諸君も頑張っているようですし、美しい最後を飾って挙げま
しようよね、クルトフ」
 ロセンデールは、シュタイフとクルトフに同意を求めた。青い眼
は喜びにきらきら光っている。
 「殿下の仰せのままに」二人は片膝を曲げた。
 「それでは、機械城を始末するとしますか」
 落合レイモンは、この心柱の近くにあるロセンデールの地下基地
の別部屋にいる。
 薬浴しながら、ロセンデールたちの話し声を聞いていた。彼は遠
くの声を聞けろ。
 「ロセンデールよ、化け物よのう」
 「どういたしましたレイモン様」夜叉丸が言った。
 「」こは済まぬが、夜叉丸。お前に一価きしてもらわねばならぬの
う」
 「お上の仰せのままに」
 「反乱ロボットや、主水たちに知らせてくれぬか。あのままだと、
奴ら機械城ごと吹き飛ばされてしまう」
 夜叉丸は、ロセンデールの見張りを鉾で倒し、バイオコプターで
機械城に向かった。
   ◆
 生水は、両足を花村のために無くしていたので、破壊されたロ
ボットの足を付け替えていた。
「生水はおられるか」
「おお、夜叉丸どのか、お助けありがとうござる。レイモン様は今、
どこにおわす」
 「レイモンさまはご無事じゃ。それより、おぬしたちのこと心配で
レイモンさまが事ずけをされたのじゃ。機械城が危ない」
 「何と」
 夜叉丸は、情報を早く伝えるため、生水の手に自分の手の平をあ
てた。情報が生水の頭にすばやく入力される。
 「これは何と」
 「水野殿、斎藤殿も助けるのじゃ」
 「夜叉丸、お手伝いいただけるか」
 「こころえておる」
 が、機械城は混戦状態である、
 「皆様がた、これは罠でござる。早く引きあけよう`
 騒ぎが起こっていた。
「何といたした」
 地下から起こった火柱は、機械城全体に巡った。機械城はやがて
大爆発を起こす。敷地内ことごとく吹き飛んでいた。
「どないしたんや」
フ凡らいこっちや、機械城が爆発しよったわ」
「何か、残ってるのとちゃうか」
「みにいこう」
「ひらいにいこう」
 大阪じゆうが大騒ぎだった。

ロボサムライ駆ける第五章 ■ロボサムライ駆ける■
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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