出会いと別れ



2001年。。。
義母を4月24日にホスピスで看取り慌しく4月が終った。

義母の我がままに振り回されながら過ごした時間。
看護師さん全てを泣かすほどに我がままし放題だった義母。
最期に母にくれた「ありがとう」の言葉が切なく嬉しかった。
その言葉に「お嫁さん良かったですね。」
と一緒に涙を流してくれた看護師さん達。
辛さも飛んでいった思いだった。

葬儀など終らせた後ぽっかり穴が空いた・・・。
ふっと一人暮らしをしていたおにいちゃんの元に身を寄せていた。
精神的にどこか普通にはしていられなかった時期。

7月突然犬を飼う事に話が進む。
ショップやネットで検索。犬太に出会った。
8月お盆明け我が家に可愛い仔犬が来た。
即名前が決まった。
母は顔を見た時から「犬太(けんた)」と決めていた。
コロコロ可愛い犬太。

既にお仕事をしていたので日中の犬太をどうしようと考えた。
大人しく良く寝る子だったので
こっそり小さなゲ-ジに入れておしっこシ-ツ持参で仕事場に!!

何週間連れて行っていただろう。
誰にも気が付かれる事無く犬太は母の足元で安心して寝ていた。
この頃から犬太は既に車での移動を毎日のようにしていたから
ドライブが好きだったのだろう。

少しやんちゃも出て来て小さなゲ-ジでは納まらなくなって来た。
日中はサ-クルの中に入れるようにして出勤。
帰るとジャンプしてしっぽをブンブン振ってお出迎えしてくれた。
そのうち居間が犬太の住処となり
サ-クルは居間の出入り口の仕切りになっていた。
どうしても他の部屋で粗相をしちゃうので。。。

義母が座っていた座椅子が犬太のベットとなっていった。
座椅子は母のベットの脇で寝る時はそこが定位置だった。

人の隣にひっそりと寄り添うように座る犬太。
おにいちゃんとおねえちゃんがふざけて大声出してじゃれあうと
慌てて仲裁に入って「どうしたの!どうしたの」と
ウロウロオロオロ・・。
それが可愛い~♪とわざと喧嘩のフリをしては大笑い。
3人兄弟だとこんななのかしらと見ていて可笑しかった。

「犬太がいたのが嘘なんじゃないかな。。。
本当に家にいたんだよなぁ。」
とぽつりおにいちゃん。
3年4ヶ月・・・あまりに早過ぎて
犬太と過ごした時間が夢だったのかと思える。

犬太は今、日本中・・・世界中をバイクに乗って走っている。
友達ワンちゃんに会いに出掛けているようだ。
そのうち母に皆さんの報告を持って帰って来るだろう。
どんな話しが聞けるのか楽しみに毎日犬太の帰りを待っている。
合図は大きな大きな飛行機雲。。。




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