PR
Free Space
Freepage List
Calendar
Category
Keyword Search
Comments
紹介文
入江茜が修道女としてアフリカ東南の島マダガスカルにやって来てから2年が過ぎた。
彼女は修道院付属の産院で助産婦として多忙きわまる日日を送っている。
産院には日夜大勢の産婦や患者がおとずれるが、貧困と飢餓が支配するこの国では、
苦悩はあまりに大きい。出産にかかわる一切の費用は7000フラン=4200円で足りるが、それさえも満足に払えない人のほうが多いのだ。
マダガスカルの僻地の修道院で起こる日常を淡々と
書いた小説です。
本当に淡々と描かれていて、上下巻とかなり長い小説なのにもかかわらず
まったく飽きずにかなり興味深く読みました。
色々と起こる事柄を修道女としては中堅のような主人公と
俗人代表のような単身赴任のビジネスマンと
悟りを開いたような熟年修道女の3人の意見や感想を織り交ぜて
います。
印象深かったのは本当かどうか、今でもそうなのかはわかりませんが
マダガスカルの人々は洗える状況であっても体や洗濯物を洗わない。
洗える状況にない国に住むものにとって清潔ではなくてはいけないという
概念がないのは幸せなことだ、
清潔にしなくてはいけなければ水や石鹸や色々なものが必要になるが
そうでなければ物を持たなくてもなんとかなるのだ、
みたいな一文があったのですが
激しく納得。
清潔であろうとするには大変な労力と物が必要になるのに
清潔でないとストレスになる私たちはそれだけで少し不幸
なのかも。
実際サバイバルな生活できる人たち、心底うらやましい。
ワタシなんか化粧水やメーク落としがたった1日ないだけでもう
大変なパニック。
”こうしていたい””こうでなければ”っていう縛りがない人たちって
本当の意味で自由に近い
んじゃないかなと思います。
あと一組の夫婦から2人以上の子供が生まれないから先進国は
少子化社会になるわけだけれど。
この小説のように夫婦で20人の子持ちとか聞くと
だから人口爆発するんだ・・と納得。
それにいくら健康体でも栄養がそれほどよいわけでもないのに
20回ものお産。![]()
それじゃ、更年期になる前に皆死んでしまうから更年期という概念がなかった
っていうのもこれまた納得。
でも育てられるだけしか産まないとかちょっと知恵のついた人間なら考えがちだけれど
全てのことはいいのか悪いのかなんて死ぬまでわからない。
飛行機に乗り遅れてものすごくアンラッキーだと思ってもその飛行機が事故に合ったら?
検証で当たったものをとりに行って、駐車スペースがなくてちょっと駐車していたら
駐禁で罰金払う羽目になったり?←実話。
もっと大きな時間の中で言えば自分の人生では結果が出ないけど何か意味があること
なんてたくさんあるんじゃないかな?
”神の見えざる手”に導かれているのは経済だけではない
ような気がします。
本当の信仰を持つということは
決してあきらめるわけではないけれど
努力した上でどうにもならないことは受け入れることなのかなと。
この本の舞台は貧しい国の貧しい修道院の産院
なのですが費用がないからお薬も満足になく
オムツを洗う石鹸すらままならない状態などが書かれています。
本はあくまで小説ですが、でもきっとこういう状態のなかで
極貧の中で救える命を救おうとしている人たちもいるのだと思います。
今日で終わりましたが
こういった人たちはナショナル・ユース・デーの
お祭り騒ぎをどう見るのでしょうか。
同著者の”神の汚れた手”と同じく
奥の深い本なので読めば読むほどその時々で違う感想を持つ気がします。
何度も再読したい本
です。
めざめ 藤堂志津子 Apr 11, 2025
少女 湊かなえ Apr 8, 2025
夫婦の情景 曽野綾子 Jan 23, 2025