PR
Free Space
Freepage List
Calendar
Category
Keyword Search
Comments
紹介文
緑豊かなニュータウンを騒然とさせた九歳の少女の殺人事件。犯人として補導されたのは、ぼくの十三歳の弟だった!崩壊する家族、変質する地域社会、沈黙を守る学校…。殺人者のこころの深部と真実を求めて、十四歳の兄は調査を始める。少年の孤独な闘いと成長を痛ましくもみずみずしく描く、感動のミステリー。
うつくしい子ども
前にも何かの感想で書いた気がしますが
見た目がよく、スポーツ万能で頭もよく人当たりもいい
外見は完璧な冷血漢の少年が人を操り犯罪を犯させる
という設定がコミック・”MONSTER”を彷彿とさせます。
酒鬼薔薇事件がモチーフになっているとの事でしたが
それよりも”MONSTER”の影響のほうが大きいような。
犯人の少年Aの兄の1人称と新聞記者の1人称で最初は交互に
語られますが途中から新聞記者の存在が希薄になり
ほとんどが兄目線で色々なことが起こります。
犯罪を犯した家族が受ける社会的制裁なんかも書かれていますが
兄の語り口があまりに無邪気なせいか、
あまり悲惨さが伝わってきません。
それに、 現実はこんなものじゃない
、と
実在の少年Aの兄弟たちなら言うに違いない生ぬるさ。
”モンスター”な少年が弟を操って殺人を犯させたと
状況証拠だけで兄を中心とした中学生グループが判断して
盛り上がるのは
ともかく 新聞記者まで中学生の話を鵜呑み
にし、
さらには新聞記者と懇意のモンスターの親である警察官まで
ちょっと話を聞いただけで拳銃を持って兄と対決している現場に駆けつけ
その上なんのためらいもなく(見える状況で)
今の今まで心身ともに健やかこの上ないと信じていた息子を
撃ち殺す。![]()
その上、犯人の兄には”このことは黙っててくれ”と頼んで
自分も自殺する。
ちょっと無理がありすぎ。
そもそも今まで健やかだと信じきっていたのだから
そもそも”息子が子どもを操って殺人を犯させた”
なんて話、いきないきいたって鼻で笑って終わりでしょう。
兄と対決しているところを見聞きしても半信半疑であるのが普通でしょう。
そのうえ、例えやっぱり息子がおかしいと気がついても
殺すよりもそれこそカウンセリングに通わせたりほかの事を
考えるのが普通では?
それに、人格者として登場する人間とは思えない ”なかったことにしてくれ”
発言。
いいのか?それで?
残された母親のためにも、ってじゃあこの兄の家族は?
小説中も少しだけそのことを考える記述があるけれど
父親も死を覚悟しているから見逃そうなんて考えには絶対ならないに違いない。
”逃げる気か?死ねばそれでチャラになると思うのか?”
って
思うでしょう?
文章中、「うちの家族が悪いんなら、日本中に弟みたいになる子どもは
100万人だっているよ。」と兄が語るけどそれには同感。
同じくらいひどい目にあっても それをバネに人格者になる人間
と
すべてを他人のせいにして世の中をうらんで
無差別殺人を犯す人間
がいるように、
こういったことを起こすには要因があるだろうけれど
結局は 個人の責任
だと思います。
途中からのストーリー展開はなんだかなぁだけれどさっくり読めました。
めざめ 藤堂志津子 Apr 11, 2025
少女 湊かなえ Apr 8, 2025
夫婦の情景 曽野綾子 Jan 23, 2025