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36歳の医師・日高は子供の病死と妻の自殺で絶望し、ホームレスになった。流れ着いた郊外の街で、社会的弱者を狙った連続殺人事件が起き、日高はある刑事の依頼で「探偵」となる。やがて彼は、かつて自分が命を救った15歳の少年が犯人ではないかと疑い始めるが…。絶望を抱えて生きる二人の魂が救われることはあるのか?感動の長篇ミステリ。
【中古】【古本】償い/矢口敦子【エントリーでポイント5倍! 5/21 9:59まで】
まぁ、面白いんですけどね。
長い話ですが途中ちょっと中だるみ。
いや、ムダなエピソードがあるわけじゃないんですが。
事件と事件とのつながりが見えないところが長くてしかも全部が
殺人事件じゃなくて自殺やら心中やらがあるために
話がバラバラな印象
で。
最後ちゃんとつながりますけどね。
命を助けた子供が実は殺人鬼なのか?
自分は殺人鬼を救うという罪を犯してしまったのか?
なんだかMONSTERを思い出しました。
が、MONSTERの医者のほうがちゃんと苦悩している。
この小説の医者はちょっと善人ぶりすぎ。
こう言っちゃナンですが反対に全力尽くして助けられなかった人が
もしかして世の中の救世主になったかもしれないし?
それは私の罪だ!
なんて考え出したらすべてのことが自分のせいじゃぁないですか。
そんなんじゃ医者どころか人間やってられません。
ってか、この子供、結局は殺人はしてないものの結構いろいろな人を
追い詰めて死に至らせてる。
それをこの医者は『キミは全部まるごと大切だ』なんて
この子の存在全部を受け入れるようなセリフを吐きますが
何の責任も無い言葉
のように聞こえます。
さっきまでの苦悩はなんだったんだ?
死んでいった人たちに対しての人生を背負うつもりがあるようにはとても聞こえない。
蛇足ですがタイトルの『償い』で検索して さだまさし
の歌に
行き当たりました。
”償い”っていろいろな形があると思うけれどこれが、これこそが
”償い”のひとつの形だなぁと
短い歌詞の中で納得行くストーリーです。
償い/作詩・作曲:さだまさし
月末になると ゆうちゃんは薄い給料袋の封も切らずに
必ず横町の角にある郵便局へとび込んでゆくのだった
仲間はそんな彼をみてみんな貯金が趣味のしみったれた奴だと
飲んだ勢いで嘲笑っても ゆうちゃんはニコニコ笑うばかり
僕だけが知っているのだ 彼はここへ来る前にたった一度だけ
たった一度だけ哀しい誤ちを犯してしまったのだ
配達帰りの雨の夜 横断歩道の人影に
ブレーキが間にあわなかった 彼はその日とても疲れてた
人殺し あんたを許さないと 彼をののしった
被害者の奥さんの涙の足元で
彼はひたすら大声で泣き乍ら
ただ頭を床にこすりつけるだけだった
それから彼は人が変わった 何もかも
忘れて 働いて 働いて
償いきれるはずもないが せめてもと
毎月あの人に仕送りをしている
今日ゆうちゃんが僕の部屋へ 泣き乍ら走り込んで来た
しゃくりあげ乍ら 彼は一通の手紙を抱きしめていた
それは事件から数えてようやく七年目に初めて
あの奥さんから初めて彼宛に届いた便り
「ありがとう あなたの優しい気持ちは とてもよくわかりました
だから どうぞ送金はやめて下さい あなたの文字を見る度に
主人を思い出して辛いのです あなたの気持ちはわかるけど
それよりどうかもう あなたご自身の人生をもとに戻してあげて欲しい」
手紙の中身はどうでもよかった それよりも
償いきれるはずもない あの人から
返事が来たのが ありがたくて ありがたくて
ありがたくて ありがたくて ありがたくて
神様って 思わず僕は叫んでいた
彼は許されたと思っていいのですか
来月も郵便局へ通うはずの
やさしい人を許してくれて ありがとう
人間って哀しいね だってみんなやさしい
それが傷つけあって かばいあって
何だかもらい泣きの涙が とまらなくて
とまらなくて とまらなくて とまらなくて
小説とは直接は関係が無いのですが『全部まるごと』受け入れる覚悟があるなら
子供の犯した罪もまるごと一緒に引き受ける覚悟がなくちゃ。
間接的とはいえ人を殺しているのだから。
しかも意図的に。
その”償う心”がまったく感じられない主人公や罪に気がついてもいない
子供が ”心温まる話”を狙ったと思われる
のに
ぜんぜん 気分良くない読後
の原因かなぁ。
爽やかに職安に行ってる場合じゃないだろう!
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