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人身事故のため、停車中の通勤電車内。男は網棚付近に漂う黒い靄のようなものを目撃する。他の誰も気づかないが、禍々しい気配を放つ何か…。やがてそれが男に向けて迫ってきたとき、彼を襲った身の毛もよだつ出来事とは?(表題作)実話怪談の名手でもある著者が描く、日常の隙間から立ち現れる怪異の数々!書下ろし作品を含む全八編を収録する。
結構好きな加門ワールド。
ちょっと岩井志麻子っぽくもあるホラーって言うより怪談な短編集です。
怪談とはいえ本当に不気味系からほっこり系まであるのですは私的に一番すきなのは『二十九日のアパート』。
12月29日が誕生日で毎年親からこんな慌ただしい時期に
生まれなくってもいいだろうと言われ続けて育った主人公と
同じ日に窓から落ちたパンツを拾おうとして事故死してしまった
幽霊のかけあいが可笑しい。
年の瀬が命日なもので法事が手抜きだとなげく幽霊に
「わたしなんてね、生まれて20年以上誕生日は半端に扱われ続けてるの。1回や2回法事が手抜きだからって文句言うなんて甘いわよ。」という主人公。
いろいろ言い負かされた幽霊の決めせりふは
「…祟る!」
結局ほっこりした結末ですがなかなかステキです。
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