薔薇とりぼん

薔薇とりぼん

クラス5



 ABC生検、細胞診の結果、クラス5でした。
『やっぱり、そうやわ』

 どうしますか・・・?と聞かれたと思う。

 『長い事、置いといたので切るのが、惜しくなりました。』

 主人
 「先生、この癌は、遺伝ですか」
 主治医
 「遺伝です」
 主人
 「ほな、手術して生きて、娘に教えたらないかんでぇ」

 半年化学療法して、癌が小さくなるかどうか・・・
 転移が起きないとも限らない。
 2月6日入院、2月8日手術予定して帰宅。

 癌が出来たお乳なんて、でもいざ切ってしまうとなると・・・
 名残惜しかった。

 診察予約は5時になっていた。
 待っていると、診察室から若いかわいい華奢な女性がご主人と出てきた。

 自分の病院で
 上司からもう一人、乳癌が分かった子が或ると聞いていた。
 彼女は第2子出産後、なんか変な、シコリのようなものがある。
と、言いつつも、周囲は授乳中やからねという事で受診が遅れたらしい。

 病院の中で、顔を拝見した事はあったんですが、職場が違って
年が離れているので、話した事はありませんでした。

 目が合ってすぐ
「あ~こんにちは、(ステキな笑顔)頑張りましょうね。」

 きっとこの人に元気をもらいました。
 だから、切るのが惜しくなったと言えたと思う。
心の奥底に引っかかっていたもの、何か分からなかったものが吐き出せたんです。
 出会い・・・乳癌にはなったけど、沢山の出会いをもらいました。
       主治医も外来の看護婦さんもみんなです。
 生命というものが、こんなに大切なもの、それを教えてもらった。
 乳癌に感謝です。




© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: