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2006/08/05
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カテゴリ: カテゴリ未分類
久しぶりに胸がキュンとする小説に出会った。


「フィルム」小山薫堂著


短編小説集なんだけど、
主人公が殆ど40歳前後の男性。


私が同年代だからだと思うけど、
心の動きがとてもよくわかる。


仕事に成功している人、そうでない人・・・
色んな境遇の主人公が登場しているが、
みんなとても不器用な部分を持っている。



そして、何かの出来事があって
そのことにふと気付く。


ふと気付く瞬間の描写がとてもうまいんだなぁ。
私の感性って薫堂さんととても似てるんだろうな。
彼が表現したいものがとてもよくわかる。


何より主人公がみな心が優しい。
だから、読後感が温かい。


この小説は、日常どこにでも転がっていそうなお話しばかり。
奇をてらった部分はない。
こういう作品は、作家の力量がかなり問われるんじゃないかなと思う。
だってごまかしきかないから。



私も41歳になってようやく、本選びがかなりうまくなったと
自負している(笑)
「はずれ」と感じてしまう本を買うことが極端に減った。
(私にとってはずれという意味)


「いい本だった」と読んだ後に思える本は



それと、
特に本屋さんに行く必要がないのに
なんとなく行った時は間違いなくいい本に出会う。


小山薫堂氏の本は1冊だけ置かれていた。


表題にもなっている「フィルム」


ある日、両親の離婚で母親に引き取られた男性のもとに
30年間音沙汰のなかった父親の死を知らせる連絡がはいる。


会おうとも手紙をくれようともしなかった父親の形見の品を
引き取りに行く彼。
悲しみもなく、ただめんどくさい・・・という思いしかなかった。


その荷物の中に古びたフィルムが1つあった。


このフィルムの中にどんな写真が収められているのか・・・


見たいような見たくないような複雑な想い


彼はこのフィルムを現像に出すか出さないかの賭けをし、
結局現像に出すことになる。


古くて殆どの写真が現像できなかった中、
たった1枚だけが彼に手渡された。


そこ映っていたものは・・・


デジカメ全盛の今。
撮ったその場で確認できて、気に入らなければ撮りなおし。
確かに便利だけど・・・


現像に出さないと何が映っているのかがわからない
大好きな人と撮った写真、自分はきれいに映ってるのかな
片思いの人をこっそり写真に収めたけど、ちゃんんと映ってるかな


そんなドキドキ感や不安な気持ち、
わからない人が増えていくんだろうな。


それってちょっと寂しいような悲しいような。


心の機微が失われていく、そんな気がする。


一枚一枚
一瞬一瞬
を大事にする
フィルムはそんなことを教えてくれていたんですよね。


フィルムという言葉を聞いて、
みなさんは何を想うのでしょう・・・








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Last updated  2006/08/05 11:29:18 AM
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