blue doragon

初恋

ニゲラ


初 恋



 貴女に初めて会ったのはお習字教室でしたね
 貴女は先生の娘で高校生
 僕はまだ小5の子供でした
 貴女は学校の帰りに時々教えていましたね
 セーラー服の貴女はまぶしく見えて、輝いていました
 ただ僕は教えてもらうのが嬉しくてドキドキしてました
 貴女は夢の人だった

 2度目に会ったのは僕が中3のとき
 貴女は教育実習生として僕の目の前に現れた
 そして僕のクラスの担任になりました
 随分大人になって美しくなってましたね
 美しい貴女は3年生の人気者になり、憧れの的となってしまった
 僕は相変らずトキメキながらも、見つめるだけでした
 でも貴女は僕のことを覚えてましたね
 茶目っけたっぷりに「元気にしてた?」と声をかけてくれた
 あの頃が人生で一番楽しかった頃のように思える
 貴女は夢の人であり続けた

 そして時は流れ   
 最後に会ったのは僕が大学生のとき
 歯医者でだった
 貴女は助手として働いていましたね
 相変らず美しかった
 でも貴女に何が起こったのだろう
 痩せてはかなげに見えました
 僕は少し大人になり、話もできました
 貴女はやはり僕のことを覚えてくれていた
 でも暗い影が貴女の表情から消えることはなかった
 僕は知らなかった
 病魔が貴女を蝕んでたことを・・・・

 1年後
 貴女は逝ってしまった
 僕は悔やんだ
 せめてもう少し早く出会いたかった
 もう少し早ければ貴女ともっと話せたのに
 貴女はやはり夢の人でしかなかったのか
 僕の憧憬の産物でしかなかったのか
 葬儀の日
 僕は電柱の影で慟哭するばかりだった・・・

 ・・・・・・・・・これは実話です  僕自身の大事な思い出です



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